愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸 公演情報 ノアノオモチャバコ「愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    果てしない夢と裸族!
    とにかく素晴らしいです。
    終盤になって秘密が暴かれ、伏線は繫がり納得します。

    色んな色がギュッと詰まってその色は混ざり合って何色にも見える。そんな舞台です。いあいあ感動だなー、観て良かった!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台の作り方が上手いです。2階のワタリの部分にベッドを置いてその上には患者が。この患者は後に精神を病んでしまった森村先生ということが解ります。

    正面の舞台のセットはロープのないリングです。三方に観客席。

    裸の王様と道化師とサンチョ・パンサはとある宿屋にやってきます。
    ノーテンキな3人はこの宿屋で旅芸人の親子に会いますが、この子供たちは盗みをしても良心が痛まないほどにささくれ立ってしまっていた悪ガキでした。そもそも、こうなった理由は、10年前に裸の王様が居なくなってからというもの、この国はすっかり変わってしまい荒れ果てていたのでした。

    裸の王様の一件から目に見えるものが全てで本当のことを言うようになった全ての子供たちは、攻撃的で野蛮になってゆき国全体が崩壊していたのでした。

    この子供たちを立ち直らせようと、宿屋の主人を含む大人達は説得をしますが、その心意気をあだにして子供たちは宿泊代のツケを支払う為に自分の体を売って金を稼いできてしまいます。良心が届かないと理解した宿屋の主人は落胆しますが、更に子供たちに自分の秘密をばらされ傷つけられた主人は逆上し、憤慨し、そして自分の行為が無駄だった事を悟ってしまいます。

    主人は儲からない宿屋を止めて、裸踊りを見せる「見世物小屋」に商売を替えると提案し、子供たちに見世物になって金を返せと逆ギレして脅しますが、脅された娘は何のおくびもなく衣類を脱ぎ捨ててしまいます。

    一方舞台は変わり、とある中学校の場面に移ります。
    森村先生は新任として荒れ果てた学校に赴任しました。そこは校内暴力の嵐で何人もの先生が入れ替り崩壊してしまっていた学校でしたが、先生は学校を建て直そうと正義感に溢れ努力します。しかし、その正義は生徒に伝わらずやがて空回りし孤独になっていきます。努力しても努力しても生徒に裏切られやがて先生は一人の生徒をナイフで刺してしまいます。同僚の教師からも孤立し、気が付いたら一人ぼっちの裸の王様になっていました。

    それでも生徒は森村先生を追い詰めます。中身の入ってない箱を持ってきて服が入ってるとプレゼントします。「先生、その服が見えないの?」と。

    先生はやがて孤独の淵から突き落とされ精神が病んで入院することに・・。
    最初の情景と最後の場面の伏線がつながり物語のなぞは解き明かされます。

    深層心理をついたひじょうにレベルの高い作品でした。先生のしたことは正しいことだけれど、1対多勢の闇の勢力は一人の教師の力ではどうにもならなかったこと。最初は教師という正義感の為に突き動かされた清らかな精神も、徐々に生徒と言う残酷な塊を相手にしているうちに、他人が怖くて仕方がなくなっていくさま。ドンキホーテを気取っていながらも実は自分は裸の王様だったのではないか、と気付く過程・・・。
    こうして先生は入院してる今でも夢の中でドンキホーテになったり、裸の王様になったりしながら旅を続けさ迷い歩いているのです。

    キャストが素晴らしいです。ビンタのシーンは3回あったけれど、手を抜きません。本気で殴っていました。会場に音が響いて、その音が妙にリアルに耳に残りました。全員が迫真の演技で観ていて納得のいく芝居でした。

    いあいあ素晴らしいです。これだけ観客を満足させたら感謝と拍手で役者出しするほかないでしょ。(^0^)

    2

    2008/10/25 22:42

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  • んー。本当に素晴らしかったですよ。
    この劇団、実は以前も観てるの。その時は今の芝居と全く違った表現方法でした。
    途中で帰って来たのは、たぶん初めてだったかも知れない・・。

    今回、作風をガラリと変えてきたのには頭が下がりましたよ。勉強してるんでしょね。素晴らしいです。

    いあいあ、私見じゃあなく、その通りですよ。しかし、先進国はどこも同じ悩みを抱えてる。先進するということは、何かを犠牲に成り立つのかもしれません。
    それでもその青少年を育てたのはいい年をした大人で、その大人を育てたのはやはり・・・大人ですからねー。なんとも・・・。
    で、青少年を咎めると言うのよね。「大人が悪いんじゃん!」って。

    はい。ワタクシも次回も観るつもり・・。

    2008/10/27 11:24

    おぉ、感動が溢れているようですね・・。

    私見ですけど、青少年の荒廃は、その国の民度を現しているような気がしますね・・。
    そこが根っこなのに、余り重きを置かれてないような・・。
    倫理観というのは一朝一夕には育まれない、自分自身の価値を大切にしない青少年が増えているというのは、何か象徴的な感じもします。


    ラ・マンチャ・・、ドン・キホーテですね・・。
    見どころ満載、目の付け所はとても良いかと・・。
    迫真の演技も素晴らしいですね・・。


    最大級の賛辞、自分も次回は観たくなりました。

    2008/10/27 03:05

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