エトランゼ 公演情報 劇団桟敷童子「エトランゼ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    舞台に作った湖を効果的に使った密度の濃い舞台
    昨日、お気に入りの劇団の一つ桟敷童子がすみだパークスタジオで上演中の『エトランゼ』を観に出かけた。この劇団は、知り合いの役者・もりちえが所属しており、今回の公演では重要な役を担っているということと、水を多用するということで、大いに期待して出かけたのだが、なるほど、期待以上の舞台が仕上がっていた。

    山間の辺鄙な町で山の恵みを採取する女性たちの山母兵糧師、山岳信仰で様々な祈祷・お祓いをする女性・神業師、そして山主一家。彼らが生活する場に現れた不吉な湖。それを待っていたかのように村い戻ってきた兵糧師の元夫と、村を捨てた山主の長男の遺骨を持って現れたその妻とその仲間。村の人々と舞い戻ってきた者や部外者たちが、過去の思い出したくない出来事に振り回されつつも徐々に心を開いて忘れかけていた故郷というものを意識させていく。総じて話の核心は重く悲しい物なのだが、時折笑いを誘うセリフや演技で重苦しさを和らげる工夫も。その舞台に広々と設営された湖に飛び込んでびしょ濡れになりながら熱演する役者たちには拍手を贈りたい。
    個別の役者としては、舞い戻ってきた元夫に翻弄される兵糧師・彦原志乃役の板垣桃子、その娘役の大手忍、山主の長男の妻・奈緒美役のもりちえの演技には引き込まれた。また、山主役の原田健太郎や、兵糧師のマキ役川原洋子の渋い演技も光っていた。
    特に話が進むにつれて凄みを増していくもりちえの演技と湖の中での高笑いは、やや荒削りで進行が雑になりかけていた後半の脚本の欠点を吹き飛ばした感があった。

    残念だったのは、主要登場人物を含め、人物像というものの輪郭作りと、舞台全体で観客に伝えたいテーマというものがやや曖昧だったこと。

    それにしても、桟敷童子は毎回密度の濃い舞台を作り上げて感心させられる。
    10月から三ヶ月連続で上演する炭鉱三部作にも期待したい。

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    2015/08/25 21:38

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