ザ・ボイスアクター アニメーション&オンライン (再演) 公演情報 劇団6番シード「ザ・ボイスアクター アニメーション&オンライン (再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    6Cさん熱すぎ!声優業界も熱すぎ!
    オンラインゲーム編観劇。

    フライヤーが闘志むき出しな女性と男性が睨み合うという
    「いったいどんなお芝居なんだろう?」と
    思わせるものでしたが、
    あれはゲームアフレコの現場での
    ベテラン声優(女性)とゲーム業界人(男性)との

      声優陣 VS ゲーム業界陣

    の戦いの構図を表してたんですね。


    (ネタバレしない範囲で)
    長年アニメ声優をやってきた大御所ベテラン声優が、
    アニメのゲーム化により初のゲームアフレコに挑戦する、
    年齢その他によりネットやゲーム業界には詳しくない為
    最初色々な事にとまどう場面から始まり、

    そこにゲーム会社の勝手な都合が入りまくって
    アフレコ現場はとんでもなく混沌とした場面になってしまう。


    ゲーム会社の仕様変更の繰り返しに翻弄されつつも、
    ベテランから若手まで声優陣が協力してのアフレコ作業、
    ベテラン声優のプライドの戦い、
    その付き人の想い、
    そして・・・

    という流れに、混沌としたアフレコ生現場とそこで
    実際声優としてキャラの色々な声を当てていくその姿には笑いつつ
    物語の展開に時に涙し、息を呑み、
    舞台上のそれぞれの人物の「本気」の気持ちに引きこまれてしまう、
    まさに「熱さ」のある名作だと思いました。


    ※ 6番シードさん、以前の作品「メイツ」が公演後あまりに評判が高いので
      ぜひ観劇に行きたいなあ、とは思ってたのですが、
      これほど熱い役者陣揃いだったとは・・・

      舞台開演前にも観客を楽しませる色々な仕掛けをしていたりと
      ホスピタリティにもあふれていて非常に良い劇団・座組ですね。


    ※ 4/18(土)がオンラインゲーム編、アニメ編の順で
      マチネ、ソワレ公演だったので
      ────────────────
      オンラインゲーム編→アニメ編
      ────────────────
      の順に観るのが正しいのかな?
      と思いましたが、もしかしたら
      アニメ編で先にベテラン声優その他のキャラを
      知っておいた方が楽しいのかな?
      (ソワレでのアニメ編観劇が今から楽しみでなりません( ´ー`))

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ とにかく「熱い」
      座組が熱いし、ゲーム会社の度重なる仕様変更に
      どんどん混乱していくアフレコ現場の中で、
      それでも一致団結してアフレコをこなしていく声優陣がこれまた「熱い」。

      ※ 実際の声優さんは台本を見ながらアフレコしますが、
        本劇はお芝居なのでもちろん(台本らしきものは持ちながらも)
        台詞は全て役者陣の頭の中。

      筋的につながりのない台詞の数々をポンポンポンポンと切らす事なく
      声音(こわね)もどんどん切り替えて
      よく演じ続けられるなあ、
      と感心してしまいました。


    ・ モーションキャプチャ役が「笑い」だけでなく
      本劇の「真剣さ」をも感じさせたかと。

      スケジュール上時間がないからアフレコも全声優集めて一気録り、
      そしてゲームでのモーションキャプチャも同時進行でとる、
      というゲーム会社の無茶ぶりに、

      無言でベテラン声優のアフレコに合わせ動きまくる
      モーションキャプチャ役(SUMIOさん)、

      もちろん舞台の上での笑いのポイントでもありつつ、
      しかしそれをひたすら真面目に演じる役者がいるからこそ
      声優業界/ゲーム業界のアフレコという現場としての「真実味」、
      「本気の舞台の面白さ」のようなものが生まれていたかと思います。


    ・ (先にも書きましたが)
      波乱のアフレコ風景およびモーションキャプチャなど、
      「笑い」を取りながらも「真剣さ」や「真実味」を感じさせるものがあったかと。


    ・ 子供の誕生日という事もあり、
      「声優業界のてっぺん(24時)までには収録を終わらせる」と
      宣言して作業に入ったベテラン声優、

      しかしゲーム会社の次から次への仕様変更に
      必要ボイス数が掛け算で増えていきとうとう18万ボイス、

      もう実際に人間(声優)が声を当てていたのではとても間に合わない、
      とゲーム会社側はMARIAシステム(初音ミクやときメモみたいに
      収録した50音を元に音声を自動生成するシステム)の適用に走る。

      のどのトラブルもあり一度はMARIAシステムの導入(事実上の降板)も
      やむなし、と折れかけるベテラン声優ですが、
      実際にMARIAシステムで再現された台詞を聴いて
      その「心の無さ」に折れかけた声優としてのプライドが蘇る。

      「今日のアフレコで自分の演技に泣いてくれた人がいる、
      MARIAシステムの作る声にはそれがない、
      だから自分の代わりはまかせられない」と。

      そして最終的に「声優(という人間)」と
      「MARIAシステム(という声優業界/ゲーム業界の未来の姿)」
      の合作となる解決策に辿り着き、

      「ゲーム業界のてっぺん(翌朝6:00)までには終わらせる」と
      再び闘志を燃やし声優陣/ゲーム業界陣全員が一致団結していく姿には、
      心をがっちり掴まれました。


    ・ ベテラン声優がゲーム会社の無理難題をなんとかこなそうとする中、
      いち早く変調に気づいてベテラン声優の為に
      色々と行動してしまうが、それがベテラン声優自身の
      プライドを傷つけ、喧嘩別れになってしまう付き人。

      付き人の人の涙ながらの語り、そしてベテラン声優の助けに
      なりたいとアフレコを真似ようとする姿は
      本当に泣けました。
      涙腺うるうるになりました。


      本劇はそういう意味でドタバタコメディ的な
      「笑い」が中心でありながら、「泣き」に「熱さ」に
      「真剣さ」など、観劇側の感情を引き込んだ上で
      色々な方向へ向けてくれる、
      まさに観客の心をがっちり掴んだお芝居だったと思います。


    ・ 舞台開演前のPVや諸注意なども観客を楽しませる1要素として
      使ったのがとても良かったと思います。

      あれほど凝ったPV作れるなら短編映画などにチャレンジしても
      面白いんじゃなかな、と思いますね。


    色々思った事書いてたら長くなってしまいました。
    長文失礼しますm(_ _)m


    PS.書いたかどうか
      一番最初に思ったのは「今年一番熱い舞台」

    PS2.声優陣 VS ゲーム業界陣
      完全な間違いでした。。。

      ベテラン声優 VS ベテラン俳優初声優

      の対比フライヤーでしたね。

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    2015/04/18 17:02

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