紅白旗合戦 公演情報 Aga-risk Entertainment「紅白旗合戦」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    再演を期待
    結局2回しか観ることができなかったのがとにかく残念でならない。非常によく練らた脚本で笑いどころが随所にある。伏線も確りと巡らされていて回収の仕方も華麗。『ナイゲン』の発展系として会議前、会議後の情景をうまく表現。しかも、笑いだけでなく終盤の生徒たちのやりとりは、それぞれが大切にしているものに対する考えが交錯して胸が熱くなる。間違いなく逸作だと思う。『ナイゲン』同様再演を重ねることで、もっと良くなっっていくと思うので今後の再演に期待。(因みに『時をかける稽古場』も早めに再演してほしい)

    ネタバレBOX

    ただ残念なのは、前半で観た際には、演者に役が浸透していないのかセリフの噛みというよりも言い直しが多くて流れがブツブツ切れる場面があって勿体無かった。1週間後に観てガラッと雰囲気が変わっていたので、公演期間前半は恐らく役者の不安がそのまま全部舞台に出ていたのではないかと思う。初見時は、とにかく斉藤コータやボス村松、津和野諒、川添美和などがピンポイントで笑いを取っていくことで成立していた部分があって。(2度目を観ての比較として)全体的にセリフを吐いているだけの状態で脚本の面白さだけで成立していたように思える。2度目を観た際、全体的にセリフがない状態での細かいアクトが凄く目に入ってくるようになったし、熊谷(有芳)、木村(沈ゆうこ)などの生徒側の情感が圧倒的に豊かになっていて心から震えた。

    特にそれを感じたのは、序盤のつかみネタ(木村と前田のループ「いや、それは無理だね」ネタ)。初見時は津和野諒が突っ込むまで笑えない状態だったが、2度目観た時は2周目の「いや、それは無理だね」で笑えるキレが出ていた。細かい表情や言い回しが違っていたし、周囲のアクトのアシストも効いていた。しかも、このシーンで表現されている木村の融通の利かなさが、終盤の監査委員長として健気に職責を全うしようとして強硬策を主張する生徒会長の熊谷と衝突していく場面、そして、そこからのラスト熊谷が独り挙手せずに議決が決着する場面に繋がっていって、これには本当に感動した。初見時は成る程と思った程度だったあのシーンが(手を挙げないことを知っているのに)挙げなかった瞬間、鳥肌立つほど感動した。

    作品の構成上『ナイゲン』とどうしても比較をしてしまうが、全会一致の内限と多数決の連協の違い、生徒会内部の会議である内限と生徒会対教員の連協、この構造の違いが、作品の笑いのポイントの違いであり、どさまわりと熊谷が見せたラストの違いに繋がっていったのだろう。

    今作はどうやら完本が相当遅れたようなので、前半と後半で完成度の差が出ていたのは残念。再演重ねてもっと熟成させて欲しい。

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    2015/03/30 01:48

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