義務ナジウム 公演情報 公益社団法人日本劇団協議会「義務ナジウム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    異世界のような日本の民俗
    どこか柳田國男氏の学説を読んだような錯覚。
    劇中、太鼓の祭囃子が懐かしくもあり、場面的には追い立てられているような気にもなり。
    その場に居合わせた男。その出身の女、これからの夫婦。苦悩と葛藤と摩擦熱、もう少し話を詰めてくれれば良かった。女優さんたちが良かった。
    約2時間。

    ネタバレBOX

    九州のとある山間部の町、そこに暮らして住む人々にとっては当然の行為「オコモリ」は古くから続く祭事慣習のようなもの。それを知った他所から来た者にとっては、その風習は因習にも受け止められる。それを受け入れるかどうかで、自分もその土地の人間になれるか試されているようで薄気味悪さを感じた。
    多分、自分自身の知らないところでは似たような風習が今なお残っているのかもしれない。辺境の地でも不自由なく生活していたら郷に従い、受け入れているかも。
    沙織が指摘する場面で、兄嫁や知人が悪意もなく、その土地の大人の男や女が思春期の男の子女の子を成人教育するという事を、ただ心境を吐露しているだけなのに生々しく想像してしまい、嫌悪感まではいかないがその2人の話にどこか納得しそうにもなった。こう言うと偏見と思われるのかな。

    トンネルが開通して公式競技キャンプ地の誘致に成功しても、田舎の歴史経緯を知っている周辺自治体などの横槍も入りそうで、この町の行く末が楽観的になるとはあまり想像出来ない。地方文化と都市文化、経済の循環、男女の考えが色濃く出てた気持ち悪い人間ドラマだった。

    すぐに賛同は出来かねるが、こういう世界もあるんだなと認識。ただこの舞台は自分には合いませんでした。

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    2015/01/25 11:31

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