「だいなし」/「本日昔噺」 公演情報 劇団ウミダ「「だいなし」/「本日昔噺」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    『だいなし』/『本日昔噺』
    1/8(木)19:00~『だいなし』
    1/11(日)19:30~『本日昔話』を観ました。

    ネタバレBOX

    『だいなし』
    劇団ウミダが旗揚げされるまでの過程における、
    海田さん自身を中心に描いたドキュメンタリー的な作品。

    というか、要は作品が書けなかったことをネタにしている。
    海田さんの脳内と実際の稽古場を切り替えながら、
    役者たちがそれぞれ海田さんの思いを代弁しつつ、
    一方で海田さんを責めて苦しめる立場を演じ分ける。

    演劇を創る側の内部の話であり、
    見方を変えて広義に「目標までに物事を達成させる大変さ」を
    示している、とも言えるかもしれない。

    が、場合によっては内輪ネタで終わることもあり、
    そこを好ましく思う、思わないで受け入れられるかが分かれてくる。

    自分の立場では、
    演劇を創る側にもなった経験もあり、それを理解しているため、
    観た回の観客の中では、かなり感情移入してたという自負がある。
    これによく似た作品を過去に観た事があるのも影響している。

    役者が芸達者で豪華なメンバーなので、
    どんな作品でもある一定のレベル以上のものを観せてくれるだろうし、
    それだけに求められるレベルも高くなるから、
    劇作家、演出家にかかるプレッシャーが高いのは必然。

    そこで「どう葛藤を観せるか」であり、
    例えば「潔く勢いで持っていかせるか」、
    または「変わった視点を用いるか」などあるだろうが、
    作家の脳内を見せる以外のそれが無かった。

    演出は良かったと思うので、
    下地の作品がもう少し練りあげられればという印象。

    場面によっては間延びしているところもあり、
    願わくばもう少し尺を絞って一気に観せてほしかった。


    『本日昔噺』
    時代劇調で歌、踊り、殺陣ありのエンタメ劇。
    アイドルネタをパロってサンプリングし、
    色々詰め込んで豪華さがどーんとくる幕の内弁当のような、
    まだ終わってなかったおせち料理のような。

    マリー・インタアネット(鳴海由莉さん)を頂点とする
    竜宮の国の者たちと、他の国の余所者たちとの抗争を軸としている。

    終始キャラを突き通す前田前次郎(野口オリジナルさん)を中心に、
    林虎之助(港谷順さん)、ヨタ(悠茉さん)が
    敵味方で異なる魅力をもって、前田前次郎と対を成していた。

    この4人は特に目立ってて魅力的だった。

    あと浦島ビデオ(川上憲心さん)と
    一気に口上をまくし立てる風の噂(前園あかりさん)も楽しかった。

    台詞回しも良くて各キャラクターとも魅力的で、
    思わず笑ってしまったところもあったが、
    少し冗長に感じられる部分もあり、
    もっとテンポの緩急の付け具合がバランス良くなると更にいいなと。

    一番ラストの終わり方は好きだった。

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    2015/01/12 09:53

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