シカク 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「シカク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 『シカク』、劇団員自身の心の死角も突けた?
    ※タイトルの意味はネタバレの方に( ´ー`) 

    12/21(日)18:00 福田沖野中村春原回観劇。

    これで4回、色々な組み合わせを観劇できました。


    「男C」中村さんを2回観て、まだミスもあるものの
    演技としてかなり本人がイメージしている「自分だけの男B」が
    完成に近づいてきたのではないかと。
    (しかし残念、中村さんは(投票回を除けば)今回で出演完了との事。)

    そして「男A」福田さん、最初こそ4人だけの会話劇ゆえの
    長台詞に苦労されていましたが、
    あるタイミングから役にノれたのか
    ものすごく感情をノせた(乗る?載る?)
    (ネタバレじゃないですよね?)
    すごくいい演技をしていたかと。
    (そこから一気にお芝居全体の求心力が高まった事からも、
    そのノリが他の演者にも伝播したのではないか?と感じました。)

    同様、今回が初演の「女」春原さんも途中スイッチが入り、
    演技が変わる瞬間を見た、と自分は感じました。

    そして「男B」沖野さんについては(出演何回目なのかな?)、
    もう「男B」の1つの最終形として、
    他の「男B」とはまた違う小芝居など
    (悪い意味じゃなく微細にまでこだわったお芝居という意味で)
    突出していました。

    今回はスロースタートとでもいう形で
    しりあがりに良くなっていった回かと思います
    (先のタイミングより手に汗にぎり、
    最後の求心力は他のベスト回に近いものがあったかと)。




    (練習不足、と言ってしまう事も出来るのかも知れませんが)
    本劇はその特殊性
    ・ 総当たり戦のように毎回組み合わせ、出演者を変える4人芝居

    ・ 他公演では脇を固めて主に”短時間芝居”を
      しているバイプレイヤー(脇役とは言いたくない)達も
      メインキャストとして”長時間芝居”に参戦している

    などの関係もあり、全員が全組み合わせで十分に
    意識合わせ/息合わせ出来た、
    とはいえなかったのかも知れません。


    その為か、各回初出演される方はただならぬ苦労する代わりに、
    2回3回と出演回が増えるごとに演技が良くなって、
    また個性が際立っていく、と感じています。

    ※ もう前半戦も終わったので言ってしまいますが、
      そういう意味でもこれからの後半戦、
      きっと各演者の演じる『シカク』が
      更に良くなるのは間違いないと思います。

    ネタバレBOX

    【表にもちょっと書いちゃったけど本題】


    自分が観てきた各劇団/座組のお芝居の9割近くは、
    看板俳優/女優を中心に
    (器用に)脇をつとめてくれるバイプレイヤー達
    (脇役とは呼びたくない)が回りを固める編成が主で、
    脚本/演出もその構成をイメージしてお芝居を作っている
    (と思います)。


    ボクラ団義もそういった構成を中心にしているかと。
    (自分はボクラ団義については
    再演プロジェクト「ワラワレ」からのまだ浅い
    観劇経験なので認識違いがあるかも知れませんが…)


    しかし(表にも書きましたが)今回の『シカク』では、
    今までメインキャストの回りで色々な役を
    ”主に短時間の芝居”で演じてきた多くの劇団員について、
    「2時間20分の4人会話劇かつ総当たり戦
    (4人の組み合わせが毎回変わる)、
    そのメインキャストをお前らにつとめてもらう!」
    といきなりとてつもなく高いハードルが
    突き出されたかと思います。


    当初、このハードルは演者側にも高いですが、
    観客側にも(観劇を楽しめるか、という意味で)
    高いと思いました。


    ※ 初回観劇時、長年メインキャストとして
      長時間演技などに慣れている看板俳優陣+女優は
      これをなんとか飛び越しました。
      (本劇の面白みが十分に伝わったと感じました。)


    しかし、その後に続々と初演を迎える
    (いつもだったら)バイプレイヤーな役者陣にとっては、
    ・ 場に居続ける
    ・ 長台詞、説明台詞の多さ
    ・ 感情のぶつけあい
    などの、メインキャストとしての出演は中々に
    難しかったのではないか、と思いました。


    ただし、これは出演回を増すごとに「場慣れ」などするのか、
    「悪さ」より「良さ」、
    自分なりの各役の「個性の表現」などが目立つようになりました。




    そして、本日は各人最初こそ不慣れに起因する?ミスも目立ったのですが、
    ある時点から福田さんがかなり感情のこもったいいお芝居
    (情熱的な演技、「感情劇」とでも言うのでしょうか?)を始めました。

    このタイミングからかなり観ていた自分の気持ちも引っ張られました。
    (今まで、福田さんは本劇団ではここまでは感情をノせた演技を
    観せてこなかったかと思います。)

    ※ 客演では「感情劇」されてましたが

    それがこのメインキャストとしての会話劇の中で、
    かなりの熱量を持った(他者に伝播するほどの)感情劇を「魅」せてきた、と。

    思わず「ああ、いい熱持ってるんじゃないか!」と感激してしまいました( ´ー`)


    他のバイプレイヤーの方々にしても色々挑戦したり、
    自分なりの個性を出したり
    また観ている側から
    「こういう個性を出したら良いのでは?」と隠れた魅力のようなものに
    気付かされる場面もありました。

    例.添田さん
      生来の?台詞の口調などを活かして理詰めや理知的な役、
      また、いつも司会進行などフリートークをこなすのを苦手としていない事からも
      自然体に近い役、などを突き詰めていったら面白そう。
      ※ 「遠慮がちな殺人鬼」で急遽刑事の代役を務めてましたが、
        あれを本役として最初から務めていたらどうだったのだろう、
        と今でも思っています。
        また、先日の客演の不良役は「完全に自然体」で板についていました。


        2012/12/23(火)時点
        過去の感想にも追記させてもらっちゃおう。
        ─────────────────────
        福田さん
        ・ 元々直接のイメージでは純朴でまっすぐな好青年(かつイケメン)。

          「さよならの唄」では、その持ち前の個性を見事に活かし、
          1人の少女に恋するももう1人の少女との三角関係に悩み、
          そして起きてしまった少女の死亡事故へのあまりの辛さなどから
          生き残った方の少女に再会する事すら出来ず学生時代を終えてしまう。
          (メインキャストとしての主人公の「過去、後悔の時代」を好演。)

          他劇団への客演にて、
          小さい頃にしっぽのせいで見世物小屋で苦労するも、
          そこから助けてくれた仲間達との絆/友情を何よりも大事にする、
          ちょっと頭は足りないけどどこまでもピュアで明るい青年、
          その純真無垢な気持ちが姫の心の壁を取り除く、
          最終的には元犬だった記憶を取り戻し、
          仲間達を助ける為に絵になってしまう
          (本当に当たり役、号泣させられました( ´ー`))。

          この元々一番得意としている個性を活かすのなら、
          本劇にて自分が「別れよう」という嘘をつくのに対しても
          苦しんでしまうようなタイプかと。
          そして許せない事に対してはまっすぐぶつかって行こうとする激情を見せる
          (観劇時の「情熱」とでも言う熱の入れ方はこのような雰囲気がありましたね)。


        中村さん
        ・ 善悪様々な老人を演じてきた事から「老獪」「(回りより)大人」のイメージ。
          (劇団員達から「理系」と言われる。)

          他劇団への客演にて、
          芸能界で権力を持ち、色々とゲスな行動を取るがその本質は小心者で、
          主人公達の「(悲しい)愛の生活」を壊す原因となるキーマンを好演
          (ずっと「犯人」だと思ってました( ´ー`))。

          本劇で自分が感じた雰囲気は、大神さんの男Bに比べて
          「大人の雰囲気」を前面に出して、
          男Aをからかう、というよりは軽くあしらう、受け流す。
          女との兄妹、そして男女の関係では、
          一番「(ずっと妹を見守ってきた大人な)お兄ちゃん」らしさを
          表現しようとしていたのかな、と(これは想像ですが)。
        ─────────────────────




    そういった形で、役者本人や観客が気づいていない、
    または「向いていないと思い込んでいる」
    色々な方向性への「のびしろ」のようなものについての、

    「役者の心の死角」(すいません、これが言いたかった)

    がある事について、本劇への出演で気づかせてくれるのではないでしょうか?


    多分、本劇を演じている中で
    ・ メインキャストを務める事
    ・ 自分なりの役の個性を突き詰めていく事
    ・ 色々な(相手との)組み合わせにチャレンジしていく事
    などで自ら気づいていく面もあるかと思います。


    ただし、本人が気付かず観客が気付く面もきっとあるかと思います。


    そういった「死角」に対しては、ぜひ観劇したお客さん自身が
    ・ アンケート
    ・ CoRich
    ・ Twitter
    その他なんでも良いので本人達に届く形で、

    ※ ただ褒めるだけでなく、時に指摘も含めて

    伝えてあげる事が重要なのではないか、と思いました。


    劇団員皆様表方と同時に裏方もこなされている為、
    「演技一本」ではやっていけない、という事はあるのかも知れませんが、


    こういった「のびしろ」の存在に気づき、そこを伸ばす努力をする事で、
    役者としての「向上」、色々な方向へ向けての「成長」があるのではないか、
    そして劇団に新たな看板役者、柱が誕生するのではないか、と思いました。

    そして、新たな柱次第では
    ・ 「ロジカルミステリ、叙述トリックの劇団」
    ・ 「ダンス、殺陣、映像、そして物語構成の上手い劇団」
    以外にも、新しい切り口、劇団の色が産まれるかも知れません。


    「ジャイアントキリング」というサッカー漫画に
    選手の「のびしろ」が見える、という監督がいます( ´ー`)

    僕が観劇した中では全員に、このような「のびしろ」がある、と感じています。
    そして、その成長していく姿をぜひ観せて、そして魅せてもらいたいと思っています。

    ※ その為にも劇団自体も今回のような
      「気付くチャンス」「伸びるチャンス」を。
      そして役者さん自身も「客演その他」で自分を伸ばし、
      苦手部分を克服したり、と頑張ってもらえたらと思います。

    ※ せっかく「ボクラジ!」や「ボクラのなかTV」などもやっているので、
      そういうスキルアップのチャンスを
      イベントにしてしまっても良いような気がします。

      特に今回の「説明台詞」について、
      (素人意見ですが)文言として覚えてしまっても
      記憶をたどりながらしか口から出ない(=自分の言葉として発していない)。
      理解してみる、それを自分なりに説明してみる事で、
      本当に自分の言葉として出てくるように
      (多少台詞は変わっても)
      なってくるのではないか、と。

      その為に色々なものを色々な人に向けて説明
      (※その為には勉強がまず必要ですが)してみる、とか。




    ※ 元々企画演劇集団ボクラ団義さんという劇団自体に興味があるせいもありますが、
      いろんな感想が浮かぶ面白い(特殊性を持った)お芝居だなあ、と。


    はたまた長々と失礼おばm(_ _)m


    PS.他の方の感想にあった「何故あの最後になったか?」の理由について
      自分は

      (女、男B、男Cが「兄妹(きょうだい)」としてみんな死んだとして)
      1. 「5分間」の場面での「誰に生きる資格あるんだろう?」
        (これは男Aの言葉かな?女はなんて言ったっけ?)の言葉

      2. (約束を止めなかった為)バーベキューの時開始された福丸の演技
        (女を突き飛ばし男Bともめる)

      3. 女自身がその流れの中で(「生きる資格がない」と思い、
        前にした「約束」の通りのあらすじで)死を選び
        ※ いくら水泳が得意とはいえ、12月の川の中
          本人が生きる意志を持ってすぐに脱出しようと行動しなければやはり死ぬ

      4. (じんぱちとしての記憶がだんだんに全て戻ったとして)
        女との約束通り、男Bも(「約束」の行為で)死を選ぶ
        (これが「俺に(俺の記憶に)死角はない」~の説明、
        じんぱちとして女を愛していた事などの記憶が全部戻った、と)

      5. 男Cも2人の死を知り、今までの数々の行為
        (えいたを殺し、えいた→じんぱちとして女を騙し続けて作った関係など)
        に、「我ら兄妹全員に生きる資格がない」と笑顔で死に道を逝った

      6. 全てを知る男Aは、その選択をした3人を見送った/見届けた

      と想像しましたね。
      あ、ただ別の方の言っていた「故意」の話、には気づかなかったな。
      全部の「こいの話」が「恋」だと思ってました。
      ※ こういう裏設定は上演台本読むと分かるのかな??


    PS2.またまた失礼します。
      丁度昨日12/21(日)グノシー見てたら「臓器移植」ネタあって、
      ネタ元サイト読んでみたら記憶転移の話が。
      男Bのネタと結構当てはまっててタイミング的に「うわあΣ(゚Д゚」って思ったのを
      指摘があって思い出したので探してまいりました。

      グノシーからのリンクと一緒か分からないけど内容的に多分ここ
      参考:http://mindhack2ch.com/archives/19069263.html
      ※ 掲示板の書き込みが元ネタっぽいので信ぴょう性は分からないけど
        自分は読んでてちょっと「ゾッ」としました。
        自分の知らない(年齢的に合わないはずの)
        映像やなんかが記憶に存在し始めるという。
        あと心臓に限らない、って話みたいです。
        このサイトでは「性格までは影響するけど、意識は自分のまま」で
        締めてるみたい。
      
      おっと、別に擁護の為ではないです、
      本当に昨日のグノシーで取り上げてたのでタイミング良すぎるな、って。
      警察の件はまさに指摘通り、その部分についての
      もっと背景設定があるなら表に出しておく必要があったかも。
      実は事件として公にせず、男C1人で動いていたとか。
      でもそれだとそれこそ男Bは「人に聞いた」「調べた」が不可能になるよなあ・・・

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    2014/12/21 23:39

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