名醫先生 公演情報 パンドラの匣「名醫先生」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大人向け苦みコメディー
    チェーホフを敬愛してやまなかったというニール・サイモンの短編を舞台化した作品だ。チェーホフが医者であったことは、演劇に関心のある者の常識だが、サイモン自身、医者の真似ごとをしていたとかで、“ドク”の愛称で呼ばれていたと言うことが、会場で渡されたリーフレットに書かれている。

    ネタバレBOX

     
     こんな経緯で、今作は、サイモンがチェーホフ作品をモチーフに書いたということである。どの短編も大人のブラックなジョークが効いて、アイロニカルであったり、苦みがあったり、粋だったりと楽しめる作品群である。シナリオが良く練られているし、役者陣も中々、才能豊かな人々が演じてくれるのだが、初日、カむシーンが多い役者が居たのは残念だ。
     特に気に入った役者が「くしゃみ」でブラシルホフ将軍を演じた桑島 義明、「水死芸人」で浮浪者を演じた光永 勝典、「オーディション」で若い女を演じた中島 佐知子。桑島は、将軍兼大臣の役柄なのだが、高位に在る者の鷹揚や大衆への距離感を上手く捉えて表現していたし、光永は、水死芸を演じる浮浪者の、底辺に在りながら、また苦労をしながらも生き抜いて行く者の複雑なメンタリティーを良く表現していた。中島は、オーディションを受ける際に演じた三人姉妹のラスト部分で三姉妹を演じ分けるのだが、其々の見ている世界を、ちゃんと彼女の解釈でヴィジョンとして見た上で演じている、と感じさせる演技をしている。

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    2014/12/03 02:39

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