焼けクソの二度焼き~もういちど、引く程の高温で焼いてみよう~ 公演情報 山田ジャパン「焼けクソの二度焼き~もういちど、引く程の高温で焼いてみよう~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    絶対に期待を裏切らない。
    集客が増えつつある中でのあえての小劇場での上演。
    キャパ41名という本当に小さい空間で、じっくりと味わう
    山田主宰の世界観。
    フライヤーに騙され(笑)コメディだと思って出掛けたが
    すでにここで負けていたとは気付かなかった。
    独特の世界観と起こっている問題に対しての「向かい合う心構え」が
    常に「なるほど」を生んでくれるのだが、今回はまた人間の感情の
    複雑さや「本音と建て前」を見事に表していたと思う。
    ちょっと再演を期待していて、もう少し大きなキャパで上演したら
    また感じ方が違うのかな?と興味は尽きない。

    ネタバレBOX

    客演なしというのはつまり劇団のカラーそのものが出るという事で。
    ここまで芸達者な演者が揃っていると、安心などという簡単な言い方したら
    失礼だなと思うほど、主宰の「変人」っぷりを(笑)上手く表現し、言葉に
    しているなーと感じ入りました。
    「日常ドラムロール」はいじめに遭った少女が自殺し、その母親と友人が
    学校側に対してその原因を言及していくという会話劇。人の滑稽な部分を
    笑いに込めつつ、裏に流れるテーマは非常に重い。命を絶つ程の悲しさや
    辛さを理解して上げられなかったと悲しむ大人達の悲しみとは全く逆の部分にある「自殺の原因」緊迫していく空気の中、ラストシーンが秀逸だった。

    「流行パトロール」はクリエーターという「最先端」を求められる職を生業と
    する男が、追い詰められ、後輩から追い上げられながらもたどり着く
    「自分がそう思えがそれが最先端」という開き直り(笑)を手にするまでの
    お話。仕事でなくとも、何故か気になってしまう「トレンド」人より先にと
    必死になって振り回されてしまい、気がつくと「出遅れ」ているような気に
    なってしまう。マイペースで生きる空気の読めない兄の存在が実に
    効いていて、生きるヒントにすら思えてくる。夢の中に出てくる○Mの
    存在も「ただのモノマネ」では終わらせないところがさすがと思った。(笑)

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    2014/10/14 10:52

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