生きると生きないのあいだ 公演情報 ティーファクトリー「生きると生きないのあいだ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    多様な解釈を生む作品
    興味深く観たが、
    それほど惹き込まれなかった。
    突き放されもしなかった。

    ネタバレBOX

    かなりの部分が結局は言語による意味伝達でしかないのではないか。

    それが抽象的であったり、矛盾を孕んでいたり、切断などされているため、
    当然多様な解釈を呼ぶものではある。
    だが、その手法は反主流派の常套手法とも言える。

    結局は多様な意味を「解釈する」というところに落ち着いてしまう。

    と言っても、解釈するものとしては面白かった。

    「自己の殺人の記憶が、過去を掘り起こしてみると、
    実はそんな事実は無かった」という場面は、
    私自身、殺人ではないにせよ、思い当たるところがあった。
    ある罪悪感から、過剰な加害妄想をしてしまいそれが記憶をも変容させてしまったり、
    その逆に、その罪悪感を消そうと自分勝手に過去を忘れてしまうなど。
    私一人の中でさえ、このワンシーンから、複数の経験を想起した。

    また、憎悪の連鎖により暴力が暴力を生むが、それを断ち切るべく「許そう」とすると、「許さないでくれ、許されると救われない」となる場面。その前に「許してくれ」と乞うていたのにという複雑さ。
    このシーンは現在社会の中でのさまざまな暴力の構造を想起させたり、DVなどの共依存の力学関係を想起させたり、と多様に読み取ることが可能である。私も観ながら様々に想いを巡らせた。

    この2シーンは特に印象的に心に残っているが、共に、開かれたテキストを、多様に読解できたという楽しみでしかなかった。

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    2014/09/30 21:11

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