八月の雹(はちがつのひょう) 公演情報 中津留章仁Lovers「八月の雹(はちがつのひょう)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    練りに練られた厚みのある脚本!
    中津留氏の作品はトラッシュマスターズで観させて貰ってるが、狭い舞台での芝居はさらに臨場感が膨れる。期待通りの練りに練られた厚みのある脚本は言うまでもない。ここまでなら、あるよなこんな話と思いきやそんな簡単な話ではない。
    風俗、虐待、殺人、政治家と警察の隠蔽工作やでっち上げ、不倫、ストーカー、原発放射能漏洩、阿部定的事件、近親相姦など多くの社会問題を盛り込みながらサスペンスじたてのヒューマンドラマ。
    5月〜6月に降り易い雹が8月に降る。通常ではあり得ないがまったくないとは言えない。「まさか自分が・・・」そんな人間の心の片隅に潜むものを感じざるを得ない。
    PS.女優の根岸季衣、渡辺えりの両名も観劇。
    私の中では、本年度観劇した小劇場芝居のベスト作品。

    ネタバレBOX

    古ぼけたアパートの1室のワンシチュエーション。タイニイアリスで本格的な舞台セットを初めて見た。単純だがそれだけで他との違いを感じる。
    未亡人の母貴美子は事故を起こし、その被害者が同居して半年になる。その同居する被害者で母の恋人瀬代兼三は貴美子の息子を虐待している。家族もそれを知っていながら、母は女を捨てられず兼三を責めることはしない。
    息子の名は雹、書く小説の内容が現実に起きるという不思議な能力がある。
    ある時兼三の息子の豪太が婚約者の朱美をつれて兼三に結婚式には欠席するよう伝えにきた。理由は、兼三は酔って万引きを繰り返す常習犯で前科を持っていたため、別れた兼三の元妻である実母が結婚式への出席条件として兼三の欠席を要求したことにある。
    豪太たちの帰宅後、近くの橋の下である事件を追っていたライターが殺された。このライターと兼三には繋がりがあったが、当時捜査をしていた刑事の棚橋にはそれを見破れなかった。実は裏にはとてつもない事件が関わっていた。
    それとは別にそのアパートで別の事件が起こるそしてそれは雹の小説と同じ内容で進められていった。そして更なる展開へ・・・。

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    2014/08/28 22:44

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