ひなたのなかのこども 公演情報 風雷紡「ひなたのなかのこども」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    墓地を模した美術にため息。
    入った瞬間に、墓標のような柱(あとでこれが××と化す)や、暗い雰囲気の東屋、そして卒塔婆のような……(あれは何だったんだろう?)。
    雰囲気がとても素敵でした。
    また、オープニングの影絵も良かった。
    異空間を思う存分楽しみました。
    この美術に+☆。

    ネタバレBOX

    脚本のことを言うと、ちょっと物足りなかったです。
    前半、事件のあらましを言葉をかえて何度も説明するのは必要かな?と思いました。
    また、銀河鉄道と国鉄って……ダジャレ?
    ここに関しては正直、一切必要ないと感じました。
    宮沢賢治はどうとでも取れる作品(特に銀河鉄道は年に二度くらいモチーフとして見るほどのもの)なので、作家が使用してみたいのはわからないでもないですが、その部分こそなぜ作家自身の言葉で表現しないのか不思議でした。特にラストにで宮沢賢治の台詞を出すのは個人的にはあり得ないです。
    安易に感じてしまうからです。
    そこを作家自身の言葉で語ってよ!と思ってしまいました。
    宮沢賢治がでてくると朗読劇風味が出てしまい、そもそもよく知ってるシーンばかりだし、中盤以降は正直しんどかった。せっかくの役者の演技が楽しめなくなってしまう、というのは私の個人的な好みなのかもしれませんが………。

    細かい描写で「ん?」と思う部分はあるにはありましたが、全体的に時代背景やオープニングの「電車ごっこ」の影絵が効いており、楽しめました。
    ただ、結局、自殺ほう助をしたトキコがなぜ「自殺するとは思えないから」と探偵に依頼したのかがよくわからなかったです。
    どなたかのレビューを見たらわかるかな~と思ったのですが、正直、私にはよくわからなかった。それより犯人が挙がらなかった弟の犯人の方が、姉としては気にならなかったのかな?とか、最後で変な感じがしてしまった。

    とはいうものの、絵として見ると、ラストの総裁の椅子に座ったエダシマの超カッコいい(めっちゃ震えた!!)シーンとか、レールが下りてきて、そこにえげつなく(いい意味で刺激的)事件を再現するとか、弟が死んで傘をさして遠い目をして笑うトキコとか、心が震える場面も多かったです。


    舞台美術の異空間ぶりや、大げさな芝居の探偵、終始抑え気味の運転手、ストーリー等の齟齬を度外視しても十分楽しんだ2時間でした。
    谷仲さんは今まで私が見た中で一番役所広司に似ていました!

    0

    2014/08/19 21:20

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大