舞台『カッコーの巣の上で』 公演情報 ホリプロ「舞台『カッコーの巣の上で』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    演出に妙味がないのが残念
    この作品は、昔、好きだった人と映画を観て、映画館から出てから衝撃で、しばらく会話不能に陥った思い出があり、息子が、かつてビリー役を演じたことでも、忘れ難い舞台でした。

    待ってましたの神野さんの婦長役を初め、楽しみな役者さんが集結していた割には、面白みに欠け、これはひとえに、演出の工夫の足りなさ故ではないかなと感じました。

    神野さんの婦長は期待通りで、彼女の「ボーイズ!」のイントネーションに、支配側の圧力を感じ、その声を聞く度に、悍ましさを感じました。

    小栗さん、大東さん、共に健闘されていました。

    チーフ役の山内さんは、最初気づかず、後半で、ようやく、あ、山内さんだとわかりましたが、だから、かなり、いつもの山内色を消して好演されていたのですが、最後のシーンは、ちょっとお気の毒な演出で、役作りに苦慮されたのではと感じてしまいました。

    今の世の中は、社会全体が、この精神病院さながらで、あの頃は、他山の石としてしか作品を感じていなかった、自分の甘さを痛感する思いでした。

    死んでからしか解放されない世界なんて、悲しい現実ですね。

    ネタバレBOX

    映画では、配電盤を持ち上げて、病室の窓を壊したチーフが、、死んだマクマーフィーの肉体と魂と共に、自由な外界に飛んで行くといったエンディングが、涙なしには観られない感動を呼んだのですが、この舞台は、ラストで、暗転となり、マクマーフィーの眠るベットの横で、自由の身になったチーフが、前を向いて、走り続けるカットで終わりました。

    チーフ役の山内さんは、自分の表情一つで、作品の出来映えを左右するような役どころで、責務を感じて演じざるを得ないご様子が、ちょっとお気の毒に思えました。もう少し、舞台ならではの余韻の残る演出工夫があればと残念に思います。

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    2014/08/03 22:50

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