虚病 公演情報 劇団虚幻癖「虚病」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    不気味さ
    舞台セット・美術は、不自然・不安定を表現したようなアンバランスな配置や構図…具体的には斜めに置いたドア、多重構造の窓などである。そこには主人公のエゴが表れているようだ。
    主人公はロボット工学の専門家で、最近、偏頭痛などに悩まされ妻から病院へ行くよう促され…検診結果「病気ですね、病名はわからない」と。病名が明らかにならないことに対する苛立ちは増して…。
    さて、公演は人格面に重点をおいて、その深堀り・完成度を高めてはどうか、というのが正直な感想である。
    (ネタバレBOX)

    ネタバレBOX

    セカンドオピニオンも試みたが、その成果を得られないことから、妻が勧めた最初の病院へ入院した。その病室は男女同室で、すでに癖のありそうな男性2名と女性2名が入院していた。その病院は人体実験や臓器売買をしているとの噂が。そして患者達は退院することなく、いつの間にか居なくなるという。
    主人公はいろいろ想像・妄想を繰り返し、医師と対決する。そして医師から妻の手紙を聞かされる「自分は末期がん、自分がいなくなったら主人は何もできず、苦悩するだろう。思い悩まないよう処置してほしい」というもの。医師によって脳外科的処置が施され、感情を持たない非人間へ改造させられる。
    文章でいう「起・承・転・結」のうち、「結」の部分、映画・演劇でいう三幕構成における「解決」が弱いと感じた。ストーリー中盤までは、その不気味な様相に見入っていたが、ラストは平凡だった。もう少しドラマチックな展開を期待していたので拍子抜けした。主人公が持つ(この場合は仕事)懊悩に焦点を当て、イッヒ-ドラマのような心的側面を抉り出して欲しかった。
    今後の公演に期待しております。

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    2014/07/28 18:54

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