耳があるなら蒼に聞け ~龍馬と十四人の志士~ 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「耳があるなら蒼に聞け ~龍馬と十四人の志士~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    わかんないものはしょうがない。
    ★2つは一回しか観ないという条件つき。
    二回観たら★4つ。

    わかんないんです。歴史を知らないから。
    そういう人向けに「史実とされていること」と新解釈の差分を丁寧に説明してくれようとはしているのですが、その、台詞による説明が多すぎて頭に入っていかないのですよ。みんな限られた尺に収めようとするからどうしても早口になるのをギリギリ抑えてる感じだし。

    もうひとつは、僕がボクラ団義に求めているものとはちょっと違ってきた点。
    いつものやつだと、前半で、あらかじめ告知されていた「こんな話ですよ」的なテーマを片付けにかかって中盤「ほんとはそれちょっと違ってね…」と急展開から終盤で怒濤の伏線回収劇、ハッピーエンドとはいえないまでも希望に満ちたエンディング、みたいなの、そういうのが観たいのです。

    そもそも幕末という実在のモチーフがもう本当の史実と司馬遼太郎あたりによる創作の境界が曖昧で、前提を共有してる間に話が進んじゃうんです。
    もともと「史実もの」をやらないことがボクラ団義のアイデンティティだと思い込んでいたので。幕末とか三国志とか西遊記とか水滸伝とか。
    「忍ぶ阿呆」も、まあ史実ものではあるんだけども。あれは信長が主役というよりも信長が暗殺された事件をを世にどう伝えるかという点に主題があったわけで。

    今回のは、キャラクターとその心情を描くためにストーリーがある、という、おそらく久保田氏の頭の中での作り方としては従来と変わらないのだろうけども(*)、観る側からだとまるっきり反対に感じられる作品。

    *久保田氏のインスピレーション
    「バウムクーヘンが食べたい、と言わせてみたかった」
    「船を作る話が書きたかった」
    「いろんな時代の人がファミレスのドリンクバーに並ぶとこ想像したらおもしろいかなって」等

    ボクラ団義のナンバリング公演ではなく、外部プロデュースに提供された脚本ならさほど不満はないのかもしれないけど…。

    あと劇場内が寒い!
    これから観にいく人はTシャツだと寒いので何か持っていこう。

    ネタバレBOX

    終わり方がね、いろいろあってこんなんで現代に至るわけですわ、といった投げっぱなし感があるんです。今まで観てきた作品は、そこはもう徹底的に丁寧にケアする印象だったので。後味の悪さも含めて。

    以下短評。

    平山空。
    こういうのが見たかったの!
    悲劇的と絶望的の際にいるヒロイン。強く美しく儚い女性像。殺陣が迫力。やや腰が引けてる印象あるがむしろ気持ち的に上半身が前のめりということかも。以前は「間合いに入ることもできなかった」龍馬に片手であしらわれる屈辱と、強さと強い男への感情の混同みたいなものが同居している感じ。

    大神拓哉。
    ただの泣きの芝居ではなく、あの状況であの感情を抱くに至る過程が丁寧に作り込まれていて説得力がある。ふざけ回し少なめ!

    福丸繚。
    ただの頼りなさげなお兄ちゃんかと思ったら、もう。もーう!ああいうヤツが危ないんだ!オバスマにおけるミズーリ?

    内田智太。
    階段でおまんじゅう食べてたり小芝居が光る。踊れる、そして強いデブキャラ。これからも健康第一で活躍してほしい。

    竹石悟朗、沖野晃司。
    何も言うことなし。このまま、まだいける。

    竹花久美。
    わざわざお茶を持ってきてやるアレ。ボクラ団義らしさ担当の一人。

    春原優子。
    まっこと、ふっときおなごよのー。
    この人がニコニコしてるのもボクラ団義らしくてよい。

    福田智行、糸永徹。
    今回の作品では派手さはないが欠かせない存在。誰か知らない別の人がやったらどうなってしまうか考えてみたらわかりやすい。

    高橋雄一。
    この人のすごいところは、毎度この役を他の人が演じるところがまったく想像できないところ。ゴーライの油小路にしてもオバスマのドクトルタカマツにしても初演の方がベスト。

    添田翔太。
    いちいち所作が美しい。忍ぶ阿呆の浅井長政を彷彿とさせる。

    映像、音楽、ダンス、無声芝居はあいかわらずかっこいい。文句のつけようなし。

    音。
    劇場の特性かエンジニアさんの好みなのか音量自体は大きいのだがいまいち音圧を感じない、音像がぼやけている。映像やダンス、無声芝居の爆音シーンのテンションが100%を超えられない。

    0

    2014/06/29 01:39

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大