洋服解体新書 公演情報 玉造小劇店「洋服解体新書」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    会話が楽しい!
    さすがの、わかぎゑふさん作品。
    やはり会話(の台詞)がうまい。
    台詞を中心にして、作品全体のリズムがいいのだ。

    ネタバレBOX

    台詞を中心にして、全体のリズムがいいのには、役者の力も大いに関係あるのは当然としても、ポンポンとつながるリズム感が台詞にある。
    関西弁と東京の言葉が入り乱れるのだけれども、その間のリズムの乱れは皆無だ(噛んだ人は別・笑)。

    わかぎゑふさんの作品は、台詞と台詞の噛み合わせが面白い。
    その「会話」は、とても心地が良い。
    だから、するすると耳に入ってきて、ストーリーもするするとわかりやすい。

    舞台は明治。
    洋服が日本に入ってきて、普及し始めた頃の話。

    1人の職人が、子爵にその腕を買われテーラーを始める。
    店長は子爵が身請けした元芸者が務める。

    そのテーラーが物語の中心となり、エピソードが絡み合う。
    良く言えば、ストーリーを急ぎすぎないうまさがある。
    そして、それぞれのエピソードに登場する人物がすべて丁寧に扱われている。
    歯に衣着せずに言えば、各エピソードがちょっと長い。ポイントが絞り込めないというか……。

    それらの、いくつかのエピソードが微妙に絡み合いながら、「動物の毛の洋服」をキーワードに、ラストにかけて、急展開を見せる。
    「洋服」の話から一気に行くのだ。ジャンプ率が高すぎだけど。

    「鬼」と呼ばれ、人間とは見なされない被差別の人々が絡んでくる。
    高貴な方々の身の回りの世話をするには、「人間」ではまずいこともあるからだと言う。
    千年以上も「鬼」として仕えていた人々の話がつながってくる。

    文明開化、四民平等になったのだが、そうならなかった人々が、天上と地下にまだいる、ということなのだ。
    その因習や制度についての見解は、この作品にはない。
    それはそれでいいとは思うのだが、例えば、それが現代とどうつながっていくのか、などの広がりを見たかったと思った。

    つまり、「洋服」のように西洋文明を取り入れ、列強に並ぶ大国に変わろうとしている日本という国にあって、変わらない因習、陰の部分があるということ。

    今も連綿と続く「天皇制」との関係を示唆するのであれば、(もちろん何かのイデオロギーのもとに声高に叫ぶ必要はないが)何かそうした「日本的」な「精神」などとの関係が見えて来るようににもできたのではないだろうか。

    単に、ストーリー的な面白さだけではない、そうしたプラスα的なモノ、深さきちんと見えたほうが、さらに物語が面白くなったのではないかと思うのだ。

    東京で生まれ育ったためか、関西方面の方々と比べ、差別・被差別に関しては、イマイチ、ピンとこないというところもあるのだろうが……。

    役者さんでは、江戸川卍丸さんの関西弁の台詞のリズムがとてもいい。
    浅野彰一さん、佐藤誓さん、そして曾我廼家八十吉さんが渋い。
    西牟田恵さんの元芸者が見せる色っぽさと、江戸っ子っぽいタンタンタンと出てくる台詞がカッコいい。
    そして、皇族らしき人を演じた若松武史さんが、あまりにも凄い怪演ぶりに、驚き、笑った。
    ホントに凄かった。

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    2014/02/09 05:16

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