モンテ・クリスト伯 公演情報 東宝「 モンテ・クリスト伯 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ダイジェスト版ミュージカルとして成功
    かなり復讐劇が簡略化され、女海賊ルイザの過去にも全く言及されず、最後の筋も大幅に違ってはいましたが、ミュージカル作品としては、なかなかの仕上がり作だったと思います。

    何より、楽曲が素敵!

    石丸さんと花總さんの主役コンビも見目麗しく、歌声も美しく、文句ありません。
    エドモンに復讐される3人トリオは、熟練の役者さんだし、ルイザの濱田さんの圧倒的歌唱、ファリア神父の村井さんの歌唱も、胸に刺さりました。
    ジャコボの岸さんも、脚本では、あまり描かれない行間を、埋めて、役に命を吹き込んでいました。

    しかし、昨今の政治に懐疑的な不安が増大している際の観劇だったせいか、エドモンが言う「正義は、それを成す者のためにある」という台詞が、まるで、安倍さんのスローガンのように聞こえ、ちょっとぞっとしてしまいました。

    ネタバレBOX

    さすが、フランク・ワイルドホーンさんの曲は、耳馴染みが良く、心に残る楽曲だらけで、満足しました。

    原作では、確か、モンデゴ、ウ゛ィルフォール、ダングラールの、エドモンに無実の罪を着せた当事者3人のみならず、その家族までも、復讐の餌食にされたと記憶していますが、この作品では、復讐が簡素化され、倍返しの対象になるのは、3人のみでした。

    女海賊のルイザの出自や、宿命にも、言及されることはなく、またエドモンとメルセデスのエンディングも、ハッピーエンドを匂わせるんラストで、原作とは大きく違いました。

    でも、味もそっけもないダイジェストには終わらず、各人の思いをうまく歌詞に乗せて、人物関係もわかりやすく提示して、まとめ方がお見事だったと思います。

    石川さん、坂元さんと、ミュージカル界熟練メンバーの中で、復讐されるトリオの一人、岡本さんも、歌唱に不安がなく、感心してしまいました。演技力があって、歌も歌えるのですから、これを機にもっとミュージカルでもご活躍を期待したくなりました。

    メルセデスの花總さんは、若い時より、エドモンがモンテクリスト伯として登場する後半から、俄然、魅力を放ちました。ドレスがあれほど似合う女優さんをちょっと思い浮かべられません。近くの席で、その美しさを堪能させて頂きました。

    エドモンが幽閉されていた時、神父が、復讐に生きるなと諭す歌が、心に沁みて、目頭が熱くなりました。神父役を村井さんに配役してくださった方に感謝します。

    何度か暗転がありましたが、2幕で、復讐の鬼と化したエドモンの変節を嘆くメルセデスのソロの後、花總さんが、必死で、上手に小走りではけるのは、興を殺ぐし、花總さんもお気の毒でした。もう少し、熟慮した演出を期待します。

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    2013/12/27 01:44

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