『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!) 公演情報 アマヤドリ「『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    太陽とサヨナラ
    詩的な感じで言葉の並べ方とかキレイでした。役者さん達が並んで順々に詩を綴っていくのも雰囲気があって良かったです。舞台転換の際に机を滑らせたり、イスに乗って移動したりするのは飽きなくていいと思いました。観終わった後、ストーリーが良く理解できなかったなあと思ったのですが、アフタートークを聞いてなるほどと思いました。ネタバレにて。

    ネタバレBOX

    作者の広田さんがシンプルでわかり易い話だと思っていると、かぐや姫をモチーフに「太陽が地上に来て帰る話」だとおっしゃっているのを聞いて、なるほどと思いました。私は太陽が地上に来て帰るという事しかわからなかったので、良くわからないと思ったのですが、それで良かったのだと。
    自然と劇に対して付加価値を求めてしまっていた事にきづかされました。その劇を見て感動して涙がでるとか、面白くて爆笑するとか、前向きな話で元気をもらったりとか、心が揺さぶられるような感情が動く何かを劇を見ることによって得たいと無意識に思っていたんだなあと。だから「太陽が地上に来て帰る話」の中で感情が動くような何かを探していちいち深く考えて観ていたけど、それがあまりにも断片過ぎて欠片を拾い集めても結局良くわからなかったのです。
    今回観ていて感じたのは壁を一枚隔てて観ているような感覚でした。一緒になって物語のキャラクターに感情移入して、その世界にどっぷり浸かって観るのではなく、ただ眺めているだけな感じ。それが嫌かっていったら嫌じゃないのが不思議だけど。舞台の雰囲気がとってもステキで、観せ方も上手いし役者さんたちも実力のある方ばかりだったからかもしれません。
    私の好みとしてはわかりやすい舞台が好きなんですがそれだと広田さんらしくないのかもしれませんね。(今回の2本以外拝見していないので憶測ですが)
    でも、もう少し情報があっても良かったのかなと。
    シャイとテルの気持ちの変化が伝わってきませんでした。シャイの探し物はテルのあの一言だったとしたら説得力にかけるのではないかと思いました。シャイがきてからもテルは2階で本を読んでいたし、シャイは床に寝転がっていて、もう少し二人のふれあいなどがあっても良かったのではないか。クシナダがテルに歩み寄ってるのはわかったのだけど、肝心のテルは最後まで感情がみえないのでそこを丁寧に描いて欲しかったです。
    クシナダが手紙を出すシーンがあるので、ラスト手紙が届いた時にその返事かなと思いましたが違いました。内容はテルがシャイに宛てたような内容なのに読んでいるのはクシナダとタイオンなのでテルが書いたというのは私の憶測なのですが。全体を通して直接的な表現よりもふんわりした、色んな捉え方のできる演出が多かったのも良くわからないと感じた理由の一つだと思います。一から十まで説明する必要はないけど客に想像させるにはその材料が足りなかったかなと。

    長くなってしまいましたが、アフタートークより、海は沖縄や海外の澄んだ水を見れば大人でも感動するし、毎日乗っている自転車だって良く晴れた朝に澄んだ空気の中、風を切って走るだけで嬉しくなるものだと思います。私は感動出来なくなる程演劇を観ている訳ではないけど、何千回と観ている人だって感動する劇は必ずあると思うので、広田さんの劇の雰囲気を崩さずなおかつわかりやすく感情が動かされるような作品を観てみたいと思いました。

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    2013/10/31 21:19

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