満足度★★★★★
サイケデリックな純愛物語。
演劇を観て、終演後にこんなに大号泣したのは初めてです。観ている途中から首から肩に掛けて震えてきて、それが徐々に降りてきて終盤には足の指先までが震えて。カーテンコール後も席を立てなくて、ロビーに出てから大号泣。心臓が痩せる思いでした。何にこんなに心を震わされたのかなと考えると、実際明確な答えは出ません。薄暗い照明の中、互いへの思いを必死に伝える恋人達の姿、妊娠を巡る様々な愛憎、それらがこちらが正気を失うギリギリのラインで、空間を斬り裂く様に表現されていて。脚本の巧みさと、困難な表現に役者さんの精神を引き上げる演出を観ていて、ああ、島田さんて物凄い天才なんだなと思い知りました。物語的に、女性としてお腹が痛くなる舞台でしたが、演じる女優さん達はもっと精神を削っていることでしょう。命懸けの舞台を見た結果が、あの号泣だったのかななんて振り返って思います。