劇団だるま座本公演「笑って死んでくれ」 公演情報 劇団だるま座「劇団だるま座本公演「笑って死んでくれ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    笑わし隊
     日本劇作家協会が、若手、中堅の劇作家のうち注目される作家をフューチャー、新世代の実力ある作家を支援し、紹介することに乗り出している。第一回の今年は、4人の作家作品が、座・高円寺1で上演されている。嶽本 あゆ美の「太平洋食堂」に始まった新しい劇作家シリーズの取りを飾る4本目は、相馬 杜宇の「笑って死んでくれ」である。実際に存在した“笑わし隊”の戦地慰問の様子を縦軸に、現代の一億総批評家と化し、何事も不信感という距離を置いてしか眺められない観客が同じ場所、同じ時間内に登場するが、笑わし隊メンバー、観客共に成仏できない魂である。(追記2013.8.22)

    ネタバレBOX

     笑わし隊のメインキャストを務める座長のモデルは柳家 金語楼である。だるま座は、今回、右傾化する現代の世相を戦中の“笑わし隊”を題材に採って描いた。演劇の本質を演劇的に描く為にはメタ化を必要とする。例えば、「ハムレット」で先王の簒奪を暴く為にハムレットが上演させた劇中劇のような構造だ。だるま座は、地域に根差す劇団である。その劇団が、下北公演を経、終に高円寺の、劇場規模で言えば中に当たる劇場での公演を初めて打った。その時、彼らの考えたメタレベルが今作で用いられている。それは、小劇場から大劇場迄基本的には通用する作品を通した現実の舞台化というメタ表現である。
     即ち、治安維持法などにより表現の自由を奪われた表現者を、今、現実に存在する高円寺1という劇場で描くこと。そのことで、現実の世相、現実の世を逆照射するメタ演劇と化しているのである。従って、当然のことながら、この演者たちだけで、舞台は完結しない。完結させるのは、観客とのコラボレーションである。
     この難題に応える為に今作で、劇作家は100冊以上の関連書籍を読み、あたう限り金語楼のビデオ、DVD等を見ている。当然のことだ。が、最近、メジャーでちやほやされる偽物は、この当然の作業をしていない。そんな偽物が、氾濫するので、本当に質の高い物が、分かり難いとされがちだ。偽物を評価するような視聴者は、己自身の虚しさと共にとっとと消え失せるべきである。芸能は、民衆が育てる。質の高低をきちんと評価する目を持った上で、様々に遊ぶのは良かろう。それもジョークの内である。然し、本質も掴めずにうだうだ分かったような事を抜かすのはお門違いというものである。作品自体が複雑で時代を超えている場合、毀誉褒貶は、無論ある。評価する側にスタンダードが存在しない以上当然だろう。だが、以下のような現実が進行中であることから目を逸らせてはなるまい。演劇もまた時代の鏡なのだから。
     (ここからはハンダラの意見である)未だ平和の残滓を残している現在、着々と馬鹿共(安倍、麻生、ポット出の石破、旧財閥系列、高級官僚など。当然、中曽根も含む)は、戦前からの一族郎党を潤す為の利権漁りをしている。(アメリカにすり寄ることで、それを実現してきた。)この作品は、そういうことまで深読みできるのだ。分からない観客は、もうちょっと勉強して欲しい! 実際、その為のプロパガンダは、進行中だ。その前提にあったのが、大阪高検公安部長の冤罪事件から、小沢一郎の無罪放免へ至る3年7カ月に及ぶ、潰しである。背景にアメリカが居ることも分からないと、この作品の意味する所が分からないのは、当然である。然し、この作品が、今、この劇団によって上演されたことの意味は歴史にとどめおきたいものだ。

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    2013/08/17 12:04

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  • コメントありがとうございます。

    ご来場ありがとうございました!
    楽しんでいただけましたでしょうか?

    まだまだ精進して参りたく思います。

    追記もお待ちしております。

    今後とも何卒よろしくお願いいたします。

    2013/08/17 14:55

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