四の五の言わずに恋しろリーマン! 公演情報 Island「四の五の言わずに恋しろリーマン!」の観てきた!クチコミとコメント

  • テンポの良さは圧巻!“めでたしコメディ”






    早口で、テンポの良い、痛快な「部署内コメディ」だった。

    続きは、バレてないネタバレで



    ネタバレBOX



    早口で、テンポの良い、痛快な「部署内コメディ」だった。

    ある企業の経理部、財務部で巻き起こる、横領疑惑、恋愛騒動である。シチュエーションは、会社の休憩室。会社員を描いた舞台といっても、そこでは“本音”の やり取りが展開される。

    ラストまで展開を読み解けぬ横領疑惑は、さすが だったと思う。
    疑惑の掛けられた藤本(主人公=朝霧の友人かつ同僚)とは別人物が 実行犯だったわけだが、勘違いの「めでたし」で終わらない展開に観客はそそる。

    私は、「実は朝霧自身が 実行犯で、友人を仕向けていた」展開も意外性があってよかったと考えている。
    後半、経理部に所属する社員のうち、藤本と婚約者の同僚は横領に関わっていないことが判明した。
    だとすれば、残ったのは女性上司、そして朝霧自身なのだ。
    結果を示すと、実行犯は女性上司。その怪しげな雰囲気=エロスは、実行犯たる根拠だった。


    しかし、朝霧自身が実行犯だったなら、部長から横領疑惑について聴いた態度も偽りで、何より観客は驚愕ではないか。
    その事情は、「藤本に女を奪われたから」であるとすればよい。

    舞台外の見えない事実を描く。
    それも、舞台だ。


    一つ、残念だったのは、日本社会特有の“なれあい”を全肯定してしまうテーマ性。

    もちろん、物事は杓子定規に測るべきではなく、規定の道に外れたからといって非難するべきではないかもしれない。

    ただ、物事が大きくならないよう、同僚を庇い、組織を守るのは
    「保身」そのものである。

    2007年、北海道の食肉加工会社や名門旅亭グループの偽装事件が発覚したが、前者の告発者は会社関係者、地域からバッシングを受け続けている。
    私たちが暮らす社会は、所詮そのような社会なのだ。

    同僚のための「保身」、組織の「保身」のため、犠牲になるのは、消費者や株主 等々、幅広いパブリックな層だろう。
    だから私は、この「なれあい」を全肯定する姿勢に対し、少しだけ疑問を呈したい。

    もっとも、この舞台は 誰も悲しまない演出を徹底しているので、その骨格を整わせるため都合上、「揉み消す」を適用したのであれば仕方ないが。




    イケイケな女性から誘われる、そんな状況誰だって待ち焦がれる。
    一夜限り、いや、数日続いたナイト•フィーバーは 新たな妄想劇だった。
































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    2013/06/23 21:27

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  • ご挨拶がすっかり遅くなりましたっ。
    ご観劇、誠にありがとうございました。

    新しい結末の提案、ひとつの形として、
    とても面白く読ませていただきました!!
    まさかまさかの展開で、これはこれで見てみたいと思いました。


    テーマ性は、確かに難しい問題ですが、
    やはりコメディということで、後味のいい、皆が幸せになる結末を選びました。
    しかし適切なコメント、非常に参考になりました。
    本当にありがとうございました!!


    Island  菅野睦子

    2013/07/03 07:37

    コメント遅くなりまして申し訳ございません!
    梅雨で天候も落ち着かない中、はるばると、
    ご来場ご観劇いただき、誠にありがとうございました。

    テンポの良さをほめていただけたこと、大変うれしく思います。
    確かに、ハッピーエンド…というか「めでたし」の方向性の結末を目指しての、
    内容、決着のつけかたとなっております。

    まったく新しい展開・物語も想像して頂いてありがとうございます。
    まさかのその内容に驚きました。

    率直なご意見を頂きまして、本当にありがとうございました。

    Island*津金由紀

    2013/06/26 18:50

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