humming2 公演情報 ポかリン記憶舎「humming2」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    空気を動かす魔法を間近で見られる特別な時間
     祖師ヶ谷大蔵から徒歩7分ぐらい商店街を進んだところにある、空中庭園のカフェでのお芝居は、客席が20席そこそこの小さな会場での特別な時間でした。私はマチネの回に伺いました。カフェの外のお庭も舞台になりますので、ソワレだと全く違う雰囲気になったのでしょう。

     小さな部屋に恋の喜び、せつなさがいっぱいでした。場所(=カフェ)を愛し慈しむ心が強く伝わってきて、後半は笑いのスパイスもうまく効いていました。
     カフェの中と外の遠近感を使った演出にドキリとさせられ、声と言葉、身体の動きで空気を自在に動かすのはまるで魔法のよう。

     観客が出演者やスタッフと気持ちを合わせて確信犯的に楽しむ種類の、今、ここでしか体験できない演劇空間です。作品の舞台であるカフェと同様、“敷居が高い”ことも合わせて味わうのがオトクな鑑賞方法だと思います。

    ネタバレBOX

     本物のカフェを舞台にしたカフェのお話で、役者さんとの距離が非常に近かったせいもあり、細かい点とはいえどうしても気になってしまうことがありました。
     カフェ雑誌の記者(浦壁詔一)の急に大きくなる声に窓辺の男性客(日下部そう)が無反応だったり、マスター(岩崎正寛)と女性客(中島美紀)が元恋人同士に見えづらかったり、涙が流れていないウェイトレス(奥田ワレタ)の泣き顔なども。

     窓辺の男性客(日下部そう)がツバメの話をして手を動かした時、空気がその手に添って波打つのが目に見えるようでした。

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    2008/05/02 15:12

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