くんちゃん 公演情報 ブルーノプロデュース「くんちゃん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    斬新な客いじり?
    急な坂のスカラシップに選出されたとのことで、観劇。なかなかに興味深く拝見させていただきました。
    俳優の記憶を手がかりに作品を構成していく、ドキュメンタリー演劇の第5弾。アフタートークまでを拝聴し、感じたことを。

    ネタバレBOX

    (おそらくテーマを与えて)俳優のこれまでの人生の記憶をいくつも聞き、それをツールに/つなぎ合わせることで作品として昇華させていく構造。話しかけても沈黙する観客に勝手に名前を与えて、または「愛している!」と告白をして、そこに物語の展開を見ていく点などは、不思議な斬新さを感じ、引き込まれました。

    ただ、客に話しかけ、さらに無反応というある種の「拒否」を示す、わたしを含めた客たちを話の登場人物に仕立て上げる、その一点突破の客いじり(と断言をすれば語弊があるのですが)以外にも観客と共有の波紋を広げていく方法はたくさんあるはず。それはオーソドックスとも言える「観客に話しかける」というなんでもない方法の中にも。他者の記憶を観客とコミュニケートするやりかた/方法論の深化がこれからのこのカンパニーの取り組むべき未来なのかもしれません。

    また上述とも繋がってきますが、アフタートークで「俳優の舞台への立ち方には言及しない」との旨が演出家の方からありましたが、どうにもそのばらつく俳優の立ち方が序盤から気になってしまいました。このような作品において、観客とどのようにコミュニケートを取るのかは重要なファクターだと思いますが、そこを演出せずとも、単純な俳優と観客のコミュニケートだとしても、本当の意味でそれができていた俳優は意外と少なかったようにもわたしは感じます。

    また、文字としてセリフを与えている部分と、俳優に「このような内容で」と緩い形で委ねている部分の差異ははっきりと感じ取れました。それがいいことなのかどうなのか、この1作では判断しかねますが、少なくとも本作に関してはその境界がはっきりと見て取れたことはムラを覚え、マイナスに働いたように感じました。

    しかし、そういったばらつきやムラも若さゆえな気もして、それが現段階での良さでもあるとおもいます。これからこのカンパニーがどのように成長していくのか、その点に関して興味深く、これからも注目していきたいと感じることができました。

    0

    2012/10/02 23:23

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大