パパ、アイ ラブ ユー! 公演情報 タクトプレイ・プロジェクト「パパ、アイ ラブ ユー!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    傑作戯曲だけに難しさも
    昨年、大好きな劇団だったクロカミショウネン18の新作公演「オセロ」がフライヤーまで出来上がりDMが届いたにもかかわらず、野坂実さんの突然の休筆宣言により、公演中止になったときのショックはいまだに忘れられない。

    当初は「休筆」とあるのみで納得できる説明もされず、長くHPはそのままに放置されていたが、最近、劇場での折込チラシで新ユニットやこの公演のことを知った。

    気になって久々HPを見たら、劇団は正式に解散したことが書かれていた。

    クロカミの元ファンとしてはいまも、一連の対応には納得できないでいるが、レイ・クーニーは大好きだし、ともかく新ユニットの公演を観ることにした。

    公演の内容については、ネタばれで。

    今後の上演作品はコメディに限らないのかもしれないが、このユニットでの活動が軌道に乗ることを祈らずにはいられない。

    ネタバレBOX

    レイ・クーニーのシチュエーション・コメディに相応しい立派な舞台美術。

    窓の外にはちゃんと雪が降っているのには感心した。

    デーヴィッド役の大内厚雄の第一声を聴いて、発声の確かさにまず安心した。

    レイの作品は主役に安定した演技力がないと成立しないからである。

    この公演に限らず、翻訳ものは、外国人独特のリアクションがあるので、「間」が非常に難しい。

    特にジョークの時が日本人俳優の演技の質とは相性が悪く、かなりの名優でも観ていて鼻白むことがしばしば。

    本作も例外ではない。

    オーバーアクションで台詞を言ったあとにわずかに「間」が生じるときに俳優が手持無沙汰の表情になるので、気恥ずかしく感じてしまう。

    特に前半は芝居のテンポがもどかしく感じられるのは否めなかった。

    演出の野坂実は、シチュコメはお手の物だけに、このあたりの克服を期待したいところ。


    デーヴィッドの同僚ヒューバートの唐沢龍之介はクロカミの番外公演で初めて知った俳優だが、実直で愛すべき人物になりきっていて敢闘賞ものの好演だ。大内とのコンビが成功している。

    同様に番外公演で注目した細見慎之介の警官もきっちりと演じていてよかった。

    入院患者の持永雄恵(名前から女優かと思っていた)、ヒューバートの母・蓬莱照子の老け役2人もいい。

    理事長のワダ・タワー、婦長の祖父江桂子もそれらしく見えるところが評価できる。

    隠し子レズリーの太田鷹史は大人の役は巧い人だが、16歳の少年役はミスキャストに思えた。

    研修医の熊倉功と役を入れ替えたほうがよかったのでは?と思った。

    熊倉はレイ・クーニーの戯曲の中の人には見えない。

    同様にデーヴィッドの元愛人ジェーンの稲野杏奈も日本の社宅にいる奥さんみたいで、役のイメージと違いすぎ、もう少し扮装に凝ってほしかった。

    これはクリスマスで外は雪が降っている設定なのに、出入りする役者の仕草にその季節感が出てないのが残念。

    戯曲がよくできているのだから、そういう細かいところが気になる。

    たとえば、デーヴィッドの妻(田所草子)がファー付コートを着て入ってくるのに、極薄のレース手袋で平気な仕草。

    レース手袋はコート下の服装に合わせてるのだと思うが、室内で冬手袋からはめ替えるくらいの演出の心遣いはほしい(戯曲のト書きには書かれていなくても)。

    ジェーンの服装も春先のような薄着だ。

    ヒューバートがマフラーを手に取る場面も芝居で汗だくなため、暑いが段取りでマフラーを掛ける表情になっており、寒い戸外に出ていく仕草ではない。

    台詞で面白おかしく見せても、俳優の仕草が段取りに見えたら、芝居と言うものは興がそがれてしまうのだ。







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    2012/05/21 19:38

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  • KAE様


    コメントありがとうございます。

    レイ・クーニーは私なんかよりKAEさんはずっと多くの本数観ておられお詳しいと思うんですよね。

    いろんな劇団で見比べてみるのですが、やはり難しいですね。配役とか。

    今回は小劇場ではかなり高レベルと思い、☆4にしようかどうしようかずいぶん迷ったのですが、

    ネタバレに書いたような理由で恐縮ながら☆3にさせていただきました。

    野坂さんの公演、一度KAEさんにも観ていただきたいと思っています。

    なんてエラそうな意味でなく、一観客としてそう思っています(笑)。

    2012/05/23 04:10

    きゃる様

    ご覧になられたんですね?

    レイ。クーニーの作品は、日本の家庭事情とは趣が違うから、かなり演技力のある俳優さんでも、上滑りすることが多く、難しいですよね。

    以前、上川さんと近江谷さんの時に観ましたが、やはりお腹を抱えて笑うというところまでは至りませんでした。

    野坂さんの劇作や演出には未だご縁がありません。

    興味は持っているので、今度、きゃるさんがこれはと太鼓判を押される舞台がありましたら、是非教えて下さい。

    2012/05/22 00:25

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