12匹の由緒ある猫たち 公演情報 猫の会「12匹の由緒ある猫たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    猫会議
    •猫の生活を覗き見ると、人間との驚くほどの類似性!?一年間で最も猫社会に貢献した猫を決めるべく集まったはずが、いつの間にか社会情勢と生命の神秘にまで昇華する壮大さ。劇作家の相馬さんの作品は「Re:カクカクシカジカの話」に続いて2度目の観劇。身近な物語の中に、普段見えない(見ないようにしている)現実があるな、その現実への視点が暖かい。そんな作風は猫の会のゆるくて優しい演劇のコンセプトにもあっていたなと思いました。

    ネタバレBOX

    様々な猫が「我こそが最も猫界に貢献した猫だ」と立候補する中で、ジャーナリスト猫は「福島の警戒区域から仲間を先導して東京まで逃げ延びてきた無名の猫」を推薦する。推されてるのが野良猫であることへの抵抗感で、誰も賛同しない。その状況から、互いに意見交換を交わす中で次々と無名の野良猫に票が集まる感動は、「12人の怒れる男」の感動に似てるように思う。

    路上生活者と野良猫を重ねてみると、その偏見と差別がわかる。自堕落で怠け者、努力が足りない、常識がない、騒音の元、悪臭、近づくと危害を加えられそう。僕の毎朝の通勤時の当たり前の風景は、年配の路上生活のベテラン風の方が空き缶をいっぱい集めて自転車で運んでるのとすれ違うこと。何年か前に、ボランティア団体の方と一緒に地域の路上生活者の安否確認「夜回りパトロール」に参加した事があるが、路上生活者の方は皆危害を加えられないように、また周囲になるだけ迷惑をかけないように隠れるように生活している。自分と同じ位の歳の若い路上生活者を街中で見かけるといたたまれない気持ちになる。なりたくてなっているのか、どうしようもないのか。

    そして、その無名の野良猫を選出するか否かの議論を通じて学ぶそれでも生きていくこと。地球に生命が誕生して、人間も猫も何万年もかけて進化して生きてきた「生きてることの素晴らしさ」。本作中の猫が市民の代表ならば、劇中に出てくる人間は何を象徴するのだろう。世間か、空気(を読む)か、国家か、社会か。そこから逃れて、自立して生きていく猫達を心強く思う反面、その背中はあまりにもか弱い。飼い猫から追い出された野良猫は保健所に捕まれば駆除されてしまう。優しくて温かい物語のソコココに、1歩足を踏み外すと簡単に底の抜ける現実を見た。

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    2012/04/30 13:37

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