鳥ト踊る 公演情報 はえぎわ presents 真夜中「鳥ト踊る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    アートな女
    なんすか、この面白さは。笑
    幕が開けると一人の女(男優)が頭上1メートル上の高さに吊るした扇風機の羽に髪の毛が絡まり身動きがとれなかった。
    もう、この情景を観た途端、プッ!!と噴出してしまい可笑しくなってしまったワタクシ。笑

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


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    そしてみたからにその光景は完璧なアートとしてそこに存在し、女の髪は天を目指して竜巻のように扇風機の羽にくっついてる。こんな見せ方はノゾエの感覚の素晴らしさで、これだけでワタクシがノゾエの作品にぞっこんなのが解るというものだ。

    こうして、ひょんなことから身動きのとれなくなった女に遭遇した男は、たぶん、一目で彼女を気に入ってしまったのだろうと推測する。なぜって、女はとても可愛いのだ。そして女のワタクシが見ても表情やら仕草がやけに色っぽくてキュートなのだ。こうして男は手が不自由だと女に嘘をついてまで、彼女の髪を扇風機の羽から解きたくないようだった。

    男は作家だといいながら、本のネタを女と一緒に考え、相変わらず、女の髪を解こうとしない。そして女も携帯電話があるのに警察にも連絡せずに先輩にどーでもいいような電話をかける。笑
    とにかく男と女の会話がシュールで不思議で必死で滑稽なのだ。やがて男は毎日少しずつ女の元に数時間、髪を解きにやってくる。男の企みは、こうして誰にも女を渡さず女の髪を毎日少しずつ解く日々を送りながら女の感情が自分に向くことを期待して通い詰めるのだ。笑

    要は宝引きと同じで、そうあっさりと手(髪)を放してしまわないほうがよろしいようだ。じっくり粘ったらハズレが当たりに変わることもあるように、律儀に逢瀬を重ねて口説けば、女もだんだんとほだされていつの間にか一番心を許す相手になっていたという話をよく耳にする。

    だから男はせっせと通いつめ、女の人の身体は衰弱していくが、そうした日々を送っているうちに男と女は同じ感情が芽生え、身体が近寄る数時間を楽しむ二人になっていった。そして、チューをする二人。「また明日。」・・・男はこういって女の元を去るが、もし男が不慮の事故で死んでしまったら、女はくる日もくる日も男を待ち続けるのだろうか。

    そんな愛おしい物語にも、やがて最後はやってくる。男は案の定、不慮の事故で死んでしまうのだ。しかし、男はここを出る前に髪を切るハサミを置いていったのだ。

    ワタクシが観たのはA「男」:男優×「女」:男優バージョン。
    大人の童話さながら、美しい夢物語でファンタジーだ。このまま、童話になりそうな繊細で楽しい本だ。男と女の感情の機微を絶妙に描写したこの本は、好きな女を自分の手元に置いておきたい男の心理を表現した「コレクター」でもあった。

    惜しむらくはキャストが噛んで聞き取れないセリフがあったこと。しかし全体的に好みだった作品だから許せる範囲。

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    2011/12/12 16:15

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