罪 公演情報 アル☆カンパニー「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    家族ゆえに
    前回観た方が、高く評価されていたので、ポッカリ空いた時間に観に行った。

    満席で最後列の端だったが、舞台は見やすかった。

    父、母、息子、娘、家族4人の温泉旅行。

    大抵の家庭で、子供たちが成人すると、家族旅行は「妥協」のうちに成立している場合が多いようだがこの家族はより深刻な条件(あえて条件と書かせていただくが)のもとに家族として成立している。

    「罪」というのはこの劇の場合、それぞれの「生き方」と置き換えることもできるが、私自身もまた、母の病気を巡り、父との間でこの家族のように、「罪」をめぐって対立が起きた経験を持つだけに身につまされた。

    家族だけに、自分を責め、相手を責め、この劇のように堂々めぐりになってしまう。そのときに救いとなるのは第三者の視点である。

    そして最終的には家族だからこそ、人間として、互いに許し、思い合うしかないのだということを改めて考えたお芝居である。

    ネタバレBOX

    私は同じ場面が繰り返される芝居が苦手なのだが、この劇の場合は、それが必然として効果的に使われ、なおかつ核心に迫っていく手法ともなっている。

    小劇場でも2時間以上の長い芝居が増えているが、1時間強の芝居でありながら、じっくりと堪能できるアル☆カンパニーの公演が私には贅沢に感じられてとても好きだ。

    平田・井上ご夫妻の芝居に惹きつけられてしまう。

    占部房子さんを初めて知ったのは、無名時代のTVドラマの端役で、若いのに落ち着いた感じの人だと思っていたが、この劇では、非常に若々しい感じで驚いた。

    蓬莱竜太氏の作品の中で、雨は象徴的に使われることが多いような気がするが、「雨」に思い入れが多い作家なのだろうか。

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    2011/10/07 14:05

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