ひとがた流し 公演情報 ブルーノプロデュース「ひとがた流し」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    上演時間3時間30分
    役者には敬意を表する。長編小説の膨大な台詞を全て覚えるのだから。それでも、そのセリフを間違えないようにという負担もあったのか、セリフを言うのが精一杯という感じで表情が硬い。役者によっては悲壮感すら漂っていた。その為、セリフが単調になってしまうのは否めない。芝居というより、朗読劇だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    アナウンサーの千波、作家の牧子、元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。一方、千波は朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢された矢先、不治の病を宣告される。それを契機に、三人それぞれの思いや願い、そして、ささやかな記憶の断片が想い起こされてゆく。・・といった物語だが、序盤の殆どは物語の説明に徹する。その説明も丁寧すぎて既に本を読んでるので飽きる。ここまで表現しなくても良かったような気がする。

    台本を作るに当たって小説の削ぎ落としから始るのだと考えてるワタクシは、小説を舞台化するというのは小説のまんまを表現するのとは違うように思えるのだ。どの部分にスポットを当てるか、その上で本を削ぎ落とし、台本を作り、舞台上に乗せてみて、また削ぎ落とす・・。つまりそういった繰り返しの作業を徹底することによって初めて舞台作品として仕上がるのだと思うのだ。

    演出家はこの作品には愛情を注いで作ったに違いない。そうでなければ3時間30分の公演にチャレンジしようとは思わないはずだ。しかし観客のことを考え、役者のことも考えるなら、観やすい環境と演じやすい環境を整備するのは当たり前のことだと思う。

    次回はこなれて練りあがった端的な作品を観てみたい。

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    2011/04/25 11:47

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