セントの観てきた!クチコミ一覧

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ひなんくんれん

ひなんくんれん

うんなま

AI・HALL(兵庫県)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

今回は避難訓練の話。マジ、30年以内に遭遇するという南海トラフの話から始まり、両親は外国へ旅行するがテロにも遭遇する。地震対策として、水、電気、ガスなどどれが一番重要か、など問われる。
今回はテーマがありそうで、そうでもなく、マジ、避難訓練を観客に考えてほしいわけでもなく、繁澤氏の意図するところははっきりとは分からないが、現代を、現代が直面する危機管理について何か言いたいのかは、何となくわかる。
登場人物から発せられる言葉から、いたく人生って、容易く、しかしあっけないものなんだという印象は受けたが、人間って、常に死と向き合っているんだね。
とか、こんなことを考えながら見ていた劇でしたが、繁澤氏の思う壺にハマってしまったのでしょうか、、。

妄想恋愛小説家 6月10日(日)当日券あります!

妄想恋愛小説家 6月10日(日)当日券あります!

THE EDGE

ライブハウス地下一階(大阪府)

2018/06/08 (金) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

まあ、よくあるパターンの恋愛論劇ではあるが、狭い劇場に大勢の俳優たち。しっかりお作った観客席。手作り感が漂い、親近感がある。盛井氏ワールドをどれだけ堪能できるか、それがこの演劇の決め手である。彼の一人パワーでは行き届かないところを他の俳優陣が見事手助けしてる。このチームワークがシンプルな恋愛群をしっかり締めている。

セレンディピティ

セレンディピティ

SHOW-COMPANY

クレオ大阪中央(大阪府)

2018/06/02 (土) ~ 2018/06/02 (土)公演終了

満足度★★★★

ハートフルな物語とオオサカを結び付けたユニークな脚本が地元ファンに人気のある原因なんだろうなあ、なかなかしっとりして読後感も素晴らしい。稽古も十分しているようで、セリフのトチリは見られない。みんなマジメなのだ。
2時間を超す長丁場だけど、途中休憩もあり、観客に対するサービスもハートフルだ。

(Let's) Take it easy at home??

(Let's) Take it easy at home??

猟奇的ピンク

ウイングフィールド(大阪府)

2018/05/26 (土) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

この劇団の醸し出す雰囲気が好きだ。どんな劇でもバックに流れているのは人間の孤独、喜び、哀しみ、諦観すなわち人生そのものすなわちポエムである。

みず色の空、そら色の水

みず色の空、そら色の水

the nextage

ウイングフィールド(大阪府)

2018/05/10 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待以上の作品でした。チェホフの世界と、演劇をすることにより現実の苦悩に立ち向かう若人たち。そのリンクが世代を超えて青春というものを鮮やかに映し出す秀作でした。

幾望

幾望

真紅組

近鉄アート館(大阪府)

2018/05/11 (金) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

江戸時代の身分の違う淡い恋愛。淡過ぎて最後の出家に少々驚き。俳優陣は相変わらず素晴らしい。

Bar月光~それぞれのペーパームーン

Bar月光~それぞれのペーパームーン

魚クラブ

アートギャラリーフジハラB1(フジハラビルB1ギャラリー)(大阪府)

2018/05/04 (金) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

女性版、男性版(女装版)の2編を見る。3時間。満席むんむん、久々に窮屈な環境で鑑賞。やはり女装版が迫力があり、見ていて演劇的にも惹きつけられる。同じようなホンなんだけどね、やはり役者の個性が花火のように打ち上がってる。
偽夜間金庫事件、大丸、グリコ、森永と怪しき事件が続いた当時の時代が垣間見える。
懐かしいなあ、、。そんな年齢になったんだなあ、とほくそ笑む。
俳優陣も楽しんでる。観客と空気感が一致するその醍醐味。そのために演劇を見に来ているファンも多いだろう。そんな素晴らしいひと時。
中村ゆりと出本雅弘が圧巻。特に出本は女装が続き、癖になってしまわないか、と心配する。秀作。

フェアリーテイル

フェアリーテイル

オリゴ党

天満天六・音太小屋(大阪府)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

3つのオムニバスと一つのインターミッション。Bバージョンです。二人芝居です。じっくり劇を見られます。今までの岩橋の毒が意外と抜けていて、いかにもフェアリーといった感じ。こんな演劇空間を創造できるんだね。素敵でした。

最初の「とんがり帽子」も力作でしたが、2番目の「食前酒」がなかなかいい味わい。引きこまれる展開に唸ります。一番、分かり易いのは「シヌノラ」でしょうな。笑えるし、ノスタルジーまで感じます。観客に大サービスです。

そして最後に、このオムニバスを収束するラストが待ちかかえていて、ほんのりといい雰囲気で観客は演劇鑑賞を終える。フェアリー、すなわち妖精たち。萩尾望都の「ポーの一族」を思い起こさせるイメージだ。岩橋は萩尾とは違い、永遠に死ぬことのない一族の哀しみを描くことはなかったけど、、。

岩橋さんのしっとりとした筆さばき、素敵でした。早く次作が見たいと思います。

愛と哀の間で

愛と哀の間で

劇塾!S.W.S

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/03/31 (土) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

おお、これは今や懐かしき火曜サスペンス劇場そのものであります。この劇の中で殺人が3件、二重人格、オフィスラブ、近親相関的愛情など詰め込み過ぎともいえるほど、ごった煮であります。ストーリーが広がりすぎて、ちょっと観客がついていけないほどになってきたところで、ジエンド。楽しかったです。エンタメです。

青のマクベス

青のマクベス

無名劇団

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/03/23 (金) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

この劇団では久々のエンターテイメント。客演も多く、総勢15名で、いつもの倍近い俳優陣。凝った位置の舞台づくり。あの陰鬱なマクベス劇が絢爛豪華、人間の欲望に彩られ、一挙春を越えて、夏そして奈落の秋を駆け巡る。

衣装が独特で、いかにも豪華。一人一人凝っている。それぞれの役者に考えさせたのだろうか、見ているだけで面白く、いつもの劇鑑賞とはちと違う視点から見ている自分に気づく。

展開としては、いかにもマクベス劇なのだが、悲劇に見せないところがユニークで、よくぞこれほど人間の悪を面白、おかしく、楽しく見せてくれたことよ。

今までの無名劇団の抑え込んできたところを一挙解放し、拡散させた喜びさえこちらに伝わってくる。

役者としては男になり切っていて楽しく演技していたマクベスの島原さん始め、マクベス夫人となる今井さんの妖気漂う色香、そして父を殺され愛するマクベスを敵とする難しい演技を見事こなした東田さん、夫に裏切られながらも愛して、そして憎むマクダフ夫人の中谷さん、それぞれ見事でした。

いつも狂気を見せてくれる泉さんがアッという間に出番がなくなり、ちょっともったいなかった。それと、例のあの3人の魔女たち。ある意味この劇の主人公たちでもありますね。この劇のエンタメ盛り上げ隊でありました。

いやあ、とにかく楽しい無名劇団。みんな、みんな花開いていました。

ひとり語り芝居『土神ときつね』

ひとり語り芝居『土神ときつね』

お茶祭り企画

Cafe Slow Osaka(大阪府)

2018/02/09 (金) ~ 2018/02/11 (日)公演終了

満足度★★★★

一人語りなんですが、いわゆる宮沢もののワンマンショーです。本当に宮澤が好きなんですね。一つ一つの言葉にそれが見えています。僕も宮澤が好きだけど、彼女には遠く及ばない、、。

80分ほど、一人で熱演。さりげなく観客にささやきながら、宮沢の世界をきらびやかに現代によみがえらせる。素晴らしい。あまり知らなかった「土神ときつね」を分かりやすく表現する。実に印象的な宮澤の世界が目の前に現れる。至福の時間だ。

サヨナフ

サヨナフ

くじら企画

ウイングフィールド(大阪府)

2017/12/15 (金) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★

脚本、演出もウイングフィールドという小さな劇場を十分に意識し、これ以上ない出来の劇である。演劇的には本当に素晴らしい出来で、目を見張る思いである。
ただ僕は、犯罪を犯した当時の19歳の青年に、女優を配したのがちょっと解せない。やはり男優の方がよかったのではないかと思っている。何故殺戮したのかという問いには、ストレートに男優を配しなければその問いには答えられないと思うからである。

既読アリ

既読アリ

黒田たもつPresents

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

関西で有名人のタレントである黒田有率いる劇団といっていいんでしょうか、想像していた以上に面白かった。きちんと喜劇を創作し、練り上げている。しかも、題材が、現人のほとんどが使用しているという「ライン」を基本軸に、なかなか辛辣な作品に仕上げている。立派である。

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

演劇ユニット百酔sya

ウッディシアター中目黒(東京都)

2017/11/30 (木) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

12月に見るには俄然素敵な劇だった。中目黒という土地柄もうまく生かし、楽しい舞台で、充分2時間の長尺を退屈させない。
劇場を出ると東京の風が頬を冷たく打つが、それも苦にならない。いい劇を観たら心は晴れやか、ルンルンだ。

未来へつむぐ

未来へつむぐ

つむぎジャパン

大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)ホール(大阪府)

2017/12/02 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

決してあの時の話だなんて思えない作り込みである。大人数で出演の、誰もがセリフをきちんと自分のものにしている。リアルな劇である。まさに、命の尊さと権力の異常さを前面に突きつける。
そう、この題材だけは未来へ、若い人を通して、語り継がなければならない。それは人間として当然の行為だと思います。力作です。

戰御史 -Ikusaonsi-

戰御史 -Ikusaonsi-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★

劇団壱劇屋そのもののいつものスタイリッシュな造形感はあまり感じられないが(大熊と竹村との違いか)、それでも殺陣が実の迫力にみなぎり美しい。これもスタイリッシュといってもよいのかもしれない。
とにかく、あっという間の60分。途中サリngROCKが出演し、劇のイメージを怪しげに彩っている。これもまた、現代の演劇なのである。

無名劇団第27回公演「私戯曲 りんごのうた」

無名劇団第27回公演「私戯曲 りんごのうた」

無名劇団

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2017/11/13 (月) ~ 2017/11/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

昨年クリスマスイブにみた「ハッスルライフ」の実質的再演である。前作では血縁の祖母に対する憎しみまでを沸々と凝縮し、そしてビッグバンごとく爆発させたが、今回は多少島崎の心情の変化もあったのか、後半からラストになるにつれ、祖母への赦し、また自分自身への赦しが色濃く出ていた。

かなりの変化である。それが島崎の人間的成長でもあり、それをばねにして再出発を図ろうとする意図もあったのだと思う。そこがよく理解でき、ファンとして安心もする。

ただ、前作と本作の祖母と彼女との関係性を考えるに、この独特の執着心と愛憎はやはり異様である。

通常の母娘の愛憎は文学等にもかなり描かれており、納得はできるのだが、この祖母・孫の関係においては、母親(祖母においては娘、孫からすれば母親)の存在がキーであるべきなのに、ほとんど語られることはないのである。ある意味、空白が存在するのである。

だから、祖母からすると孫を育てるということは疑似母親になっているわけだから、2回目の子育てをする羽目になるということになる。責任感を重度に感じ、プレッシャーも強くあったはずだ。

一方孫からすれば、肝心の母親はおらず、慈しみ優しく接してくれるはずの祖母の姿は全く見られず、異様に母親たろうとする力んだ疑似母親が自分を支配しようとしているのである。

そこに見られるのは如何にも不幸な関係性である。お互いに真の「娘&母親」の不在が、お互いの関係をぎこちなくしているのみである。それはやはり不幸であるというしかないのであろうか、、。

でも、熱い血というものが二人を結びつける。彼らの関係は不幸ではあったが、お互い血縁という絶対的なものから逃れることはできず、それは本能的にも孫の方から赦しという特別の感情が湧き出てくるのだ。

祖母も赦し、そしておのれを許すことで孫は次の人生のステップに立つことができる。それは彼女の大いなる再出発の時でもあるのだ。

島崎は若いのに、自伝ともいえるこの題材を正直に真正面からストレートに描いている。立派だ。彼女の誠実さにやはり拍手を送るべきだろうと思う。秀作です。

女と男のしゃば・ダバ・だぁ ~スタンド by ミー~

女と男のしゃば・ダバ・だぁ ~スタンド by ミー~

あみゅーず・とらいあんぐる

ウイングフィールド(大阪府)

2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつも年度末に開催される劇です。今回も3話の短編集。すべて、人間の営みが確かに描かれていて、渋い。淡い。深い。すなわち人生そのものです。

洞察力が並大抵ではない。特に、3話の、人生を上から、真下から、斜めから見透したような鋭さにはっとする。

僕も、人生を十分語ることのできる年齢になり、この語られている人の移ろいゆくはかない歩み(それを人は人生という)がまるで自分を写しているがごとく思えてしまう。つまり、主人公の女性は僕自身でもあり得るのだ。すべての観客であるのだ。

若くないことがこれほど素晴らしいことなのだと教えてくれるのである。そんな人生の挽歌ともいえるこの演劇。素晴らしいです。演じる条あけみさんも、持っているすべてをこの舞台にぶっつけている。ほとばしる演技。凄い。

ハコがまゑ

ハコがまゑ

ハコボレ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/11/03 (金) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

二人芝居だ。彼らはカエル。彼らの切実な日常が我々人間にもぐんぐん押し寄せてくる。その力量たるや、並大抵ではない。脚本が練られているのだろう、セリフの一つ一つにまったく無駄がない。まるで全編がポエムのようである。

彼らの生きるつらさ、悲しさ、喜びが手に取るように分かる。65分光り続ける彼らの芝居。手作りの凝縮した彼らの知性に乾杯。秀作です。

何といっても、このチラシが素晴らしい。そのまま文庫本カバーになる。悪いけど、待ち合わせの時間の2階にいるとき、3枚だけもらっちゃいました。

伊藤えん魔プロデュース「イカロス戦記」

伊藤えん魔プロデュース「イカロス戦記」

ファントマ

近鉄アート館(大阪府)

2017/11/03 (金) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★

いつも通り多数の演者。そして子供から大人まで安心して楽しめるエンタメ。何よりけれん味たっぷりの舞台演出が見ていて惹きつけられる。大人でもぐいぐい惹きつけられ、先ほどまで気にしていた現実の厭なことをすぐ忘れてしまうほどだ。これが伊藤氏の劇の一番の魅力である。

今回はいつもより、年齢を問わないオールラウンドものになった。多少、子供を意識し過ぎかなとも思うが、それでも僕のような嫌な老人でも童心に戻ることができる。恐らく見てくれとは違い、伊藤氏はかなりピュアな心の持ち主なんだろう、テーマ的には壮大な「世界の終わり&世界の始まり」を2時間で片づけてしまう。

そう、何となく見てしまう演劇のようでいて、テーマは宗教的、小哲学的でもあり、実は深淵なのである。生物をすべて廃し、一部の生き物だけを生き延びさせる、まさに「ノアの箱舟」のような展開は、さすがだと驚嘆する。あの金ピカの3人の神が降誕し、生き物をほぼ殺戮するシーン。観客はアッと驚く。なぜ、善人も悪人も殺戮させられなければならないのか。

それは神の意志だからだ。

エンタメに流されてしまう展開のようでいて、実に深いテーマが奥深い所で流れているんですな。いや、素晴らしかったです。

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