ぴおんち33の観てきた!クチコミ一覧

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デッサン

デッサン

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

この美術あってこその
このお話。舞台美術の美しさに圧倒されました。劇小劇場が林の中の一軒家のアトリエに見事に変わっていた。美術だけでなく、音楽、効果音などすごくセンスあるなぁ、とまずその美しい空間形成に感動。ライティングも素晴しかったです。時間軸に関係なく語られるストーリーも、人間の記憶の在り方を示唆しているようで興味深い。仏画などでは、重要な仏や人物が遠近法に関係なく大きく描かれるが、人の記憶もそれに似たものかもしれない、と実感した。会ったことのない舅など出てくるのも面白かったなぁ。捉えどころのない記憶というものの不思議さ、儚さ、面白さをこれほど描き切った作品を他に知りません。私は大好きな作品。目立たないけれど、夫婦の衣装なども細かく計算されており、泣かせる。

ネタバレBOX

ちょっと全体に一本調子だったかな、とも感じましたが、それを補って余りある美術でした。枝が風に揺れていましたね。脱帽です。
毒舌と正義

毒舌と正義

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/12 (木)公演終了

満足度★★★★

教育のバックヤード
が、さもありなん、という感じで描かれていて興味深かった。あまり会話バトルに
絡んでこない鬼階先生がそのうち肝になってくるのかな~と勝手に想像していたが、そうならなかったのが残念。照明が変わった途端、ずらりと並んだチェアが浮き上がってくるのは圧巻でした。教育とは、こうして多くの人の目にさらされながら行われるものなのだ、と実感。だから却って隠匿体質になり、ことなかれ主義に走ってしまうんだろうな~。前半の会話バトルがやや冗長だったかな?後半に繋がっていく部分が少なかったように感じた。

ネタバレBOX

実藤先生、高校教師であのハイヒールはありえない。ファッション的にもパンツスーツのバランスを崩している。すごく気になりました。尖り気味の教育観を表している、ということなのかな?
林 邦史朗の殺陣ライブ

林 邦史朗の殺陣ライブ

林邦史朗 殺陣ライブ

シアター代官山(東京都)

2014/05/16 (金) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

舞台上で真剣での試斬演技などあり、
とても迫力ありました。何より、こうした武術というのはものすごく合理的に、人間の体や動きというものをとことん追求した結果なのだということが分かり、何だか納得。殺陣というのはそれを観客やカメラの目線に合わせて見やすいように、美しく見えるように行っているのだな、と良く解りました。また、新撰組がよく使った剣法などがはっきりわかっているというのも驚愕。こうした殺陣師といわれる人たちが研究しているんですね。知らない世界が広がって面白かったです。

とける記憶

とける記憶

劇26.25団

駅前劇場(東京都)

2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

すっっっっっごく面白かったです!
下北沢の駅前劇場という小さな劇場で、よくぞここまで・・・・と唸らされた。ソウルフルな歌声といい、沢山の視点からの事件の解釈といい、重層的でいてどこかとぼけた雰囲気といい、人間というものの摩訶不思議さを十分に描き切っていたと思います。スピーディーな場面の切り替えもお見事。あ~、これだから小劇場通いは止められない!音源は特に素晴らしかったです。選曲、音量ともに、大胆細心という感じ。何というか、音が活きていました。これ、現実の事件を思い起こさせますが、多くの真面目な男性が若くも美しくもない女性に魅入られて身を滅ぼしていったように、私もすっかりこの舞台に魅入られてしまったなぁ。危ないです。

ネタバレBOX

わがままを言えば、犯罪者の家族である早苗の人生よりも、富子が犯罪を犯すに至った経緯、環境、心理などをもっと見たかったなぁ。あの事件への脚本家の方の一つの解釈を見たかったです。
3 crock

3 crock

演劇集団 砂地

吉祥寺シアター(東京都)

2014/05/09 (金) ~ 2014/05/12 (月)公演終了

満足度★★★

ピカレスク物というには
颯爽感とかテンポの良さなどが無く、むしろどよ~んとした感じでしたが・・・・・・。
複雑な人間関係と、因縁物の持つ凄絶な感じが強かった。江戸時代の三人吉三には当時の道徳観とその裏返しのお話とのギャップが面白かったのだろうと想像できるが、こちらの吉三たちには拠って立つところの思想や倫理が無く、三人とも「わからない、わからない・・・・」を繰り返す。その虚無感がすごい。大災害の跡などには本当にこうした思考上、生活上の拠りどころを全く持たない人間が出現するのかもしれない、と不思議なリアリティがあった。

オレンジ新撰組 リターンズ

オレンジ新撰組 リターンズ

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2014/05/02 (金) ~ 2014/05/11 (日)公演終了

楽しかったですが、
この劇団にしてはテンポが悪く、いつもの緊張感が感じられなくって残念。いつもメインキャラクターを務める俳優さんがサブキャラに回ったせいかな?また滑舌の悪い女優さんが気になった。それとコメディなので仕方ないのかも知れないが、出てくる若い女性陣のキャラが全員キャピキャピで媚媚というのもちょっと・・・・・。まだまだこんなものではないはず、という気がずっとしてた。この劇団で、途中ちょっとだれて長いな、と感じたのは初めて。

ネタバレBOX

以蔵のキャラ、素晴らしかったですね。衣装も雰囲気が良く出ていた!
凛として

凛として

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2014/04/23 (水) ~ 2014/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

平日のマチネにもかかわらず、
通路席が出るほどの満席。でも、この満席も当然、といえる出来でした。分かり易く、丁寧に作られていて、感動的。特に目新しいエピソードがあるわけではないけれども、丹念な取材からくる物語の一つ一つ、台詞の一言一言に命が宿っていて、それは俳優さんも感じているのだろう、無理なく感情移入が出来ていて戦後の苦しい時代の光と影を隅々まで見せてくれました。薄いカーテンで仕切られた生と死のシーンがリアル。哀しいなぁ。演目はもう、これしかない、というほどぴたりとはまっていて、凄みを感じました。劇中、現在の日本への警鐘のような台詞は一言もないけれども、私はたくさん受け取ったような気がします。すべての人に見てほしい作品。

Sharo LIVE vol.3 ~Jump~

Sharo LIVE vol.3 ~Jump~

Sharo LIVE

赤坂BLITZ(東京都)

2014/04/22 (火) ~ 2014/04/22 (火)公演終了

歌とダンスのライブで
前半は華やか、特に導入部が洒落ていてよかったです。後半もう少し盛り上げたかったですね。

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人

チョコレートカンパニー改めディ・ショコラーデ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/04/10 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

古典劇独特の長い台詞が
良く入っていて、見応えありました。ユダヤ人のシャイロックと賢い貴婦人ポーシャとのやり取りが有名なお話ですが、これ、喜劇だったんですね~。ラブコメディの小気味いい結末とマイノリティの悲哀をたっぷり感じさせる対比が面白く、人肉裁判の場面しか知らなかった私にとっては(すみません、小学生並みの知識でした)シェイクスピア劇の厚みのようなものを見させてもらいました。場面転換も鮮やか。あの小さな劇場でよく考えられた舞台美術だったと思います。シャイロックが箱から取り出した小さな秤が何だか象徴的でした。あの秤ははたして何を計るべきだったのか、考えてしまいます。

春がハーモニカを吹く理由

春がハーモニカを吹く理由

東京カンカンブラザーズ

ザ・ポケット(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

袴田事件のこともあり、
興味深く見ました。法律や警察のやり方に無垢な人間を罪に落とすのは本当に簡単だ。日本の検挙率の高さなどを鑑みるとお芝居の中のこととはとても思えない。法律関係者などは満員電車の中では必ず両手で吊り革をつかんでいると言いますが・・・・・。冤罪をテーマにその家族の苦痛も描いて見応えがありました。地道な家族と華やかな芸能界、ホストの世界との対比もいい。千田光雄の存在が後になって効いてきましたね。

「花や…蝶や…」

「花や…蝶や…」

演劇ユニットN.A.S.

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

本格的な廓衣装や
鬘、化粧など華やかな舞台でした。洋楽と三味線の音がコラボした音楽など面白かったです。ただこういう舞台はあまり見慣れないので、どういう評価をすればいいのかさっぱりわかりません。間に休憩が入る長い舞台でしたが、その時に「こういうタイプのお芝居ではなるべく長くやるのがファンサービスというものなんだな。」と気付いた。衣装が美しい割には背景が雑。あと、明らかに間を外した台詞などもあり、様式美を重んじるタイプのお芝居としてはちょっと残念でした。

ローテーション6

ローテーション6

BACK ATTACKERS

東京アポロシアター(東京都)

2014/04/05 (土) ~ 2014/04/07 (月)公演終了

スタイルの良い
俳優さんは見られます・・・・・。しかし、スタイリッシュなコメディもコントも残念ながら見られなかった。熱演型コメディでした。

ネタバレBOX

厳しい意見が聞きたいとのことでしたが・・・・。何でこのクラスの劇団ってインプロをやりたがるのか理解に苦しみます。インプロだから不完全でもいい、というエクスキューズなのだろうか?特にイタリア語のあたり、ハラハラしました。EXILEのティアモ、マンマミーア、オ・ソレ・ミヨ、デル・ピエロ、バッジオ、ペペロンチーノ、ファルファーレ、ピザマルガリータ、ナポリタン、ローマ、フィレンツェ、プッチーニ、レオナルド・ダ・ビンチ、もう、いくらでも単語として日本にあふれているじゃないですか。言葉に敏感であるべき俳優さんがあんなことでいいのだろうか。インプロはたっぷりな知識と豊かな感性が感じられないと面白くないし、(観客は冷静に見ていられますから、演者の懐の深さがすぐにわかってしまう)ものすごく危険な賭けだと思うのですが・・・・。私としてはあの時点でアウト。内容もゲイテイストというわけでもなく、コメディとしてのキレがいいわけでもなく、病院ものというわけでもなく、父子の確執ものでもなく焦点がよく見えない。どちらかというと面白いポーズものだったのかな?でもひきつけのポーズならマイケル・ジャクソンがやった斜めに倒れるポーズくらいやって欲しかったです。そこまでやるとスタイリッシュコメディの名にふさわしくなると思いますが・・・・。
Re:verse

Re:verse

アヴァンセ プロデュース

本多劇場(東京都)

2014/04/02 (水) ~ 2014/04/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

こ、これは・・・・
確かに問題作だ~。この舞台上で展開されるように、人が知りたくなかった真実、触れる必要の無かった事実に迫るという行為自体は、報道においても、日常的な会話においても確かに大きなタブーなのだろう。ただ、大きな悲劇に見舞われた後、様々な形で生き残った人間にとって、告発され、認識し、告白するという試練は、これからも生きていくためのステップを踏み出すために、避けては通れないイニシエーションなのだということをこの舞台は教えてくれる。私たちが被災地の報道に対して感じる鬱憤、義憤、モヤモヤ、進まない復興への苛立ちのおおもとは、実はこんなところにあったのだ、とショックを受けた。
無かったことにはできない判断ミス、ほんの少しの悪意、コントロール不可能な生存本能、人はこれらと向かい合って初めて自分というものを知り、よろめきながらも前へ進める。見つめること、告白すること、それはなんと私たち日本人が普段ないがしろにしている行為であることか。「過ぎてしまったことを言っても仕方がない」「今更そんなことを掘り返してどうする」という文化の中では対応しきれない大きな悲劇もあるのだ。しかしそれは、あまりにも私たちの日常から遠く、理解不可能な感覚だ。毀誉褒貶こそこの作品に対する最高の賛辞だと思います。

ネタバレBOX

ミニマムな効果音が効いていました。ああ、これはこうあるべきなのだ、と話の展開にしたがって製作者の意図が伝わってくる。壁に映る、粗い流れ気味の映像は緊迫感と現実感を増幅させ、すごい演出効果があった。演出として素晴らしい完成度の高さだと思います。観劇中ずっと、キリスト教の教会に必ずある、人ひとりがやっとはいれる小さな告白室が脳裏に浮かんでいた。ああ、あれはこういうことだったんだな、とストンと腑に落ちた。告白というのはたった一人に対して為されても、千人に対して為されても同じ苦しさなのだということに。
遠雷にも似た

遠雷にも似た

くロひげ

STスポット(神奈川県)

2014/03/28 (金) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★

生きるのに必要なもの
観劇の間中、ずっと吉本ばななの{アムリタ」を思い出していた。この小説の中でヒロインの祖父が「今のこの瞬間を覚えておきなさい。それはきっとお前たちの生きる力になるから。」(←すみません、うろ覚えです)というようなことを言うシーンがあるのですが、この言葉のとおりに、萌え出づる命や生きる力の原動力になる幸福な瞬間を様々に見せてくれた舞台でした。それは友人との楽しい思い出だったり、教師への憧憬であったり、みんなで合唱した歌であったりして、私たちは少年時代にこういう幸福な瞬間を体験するのだけれど、そしてそれは大いなる養分となって私たちの生命力を強くしてくれるのだけれど、たぶんあまりに日常的に過ぎて意識することもなく忘れ去ってしまうのだろう。けれど、苦しい思い出がフラッシュバックして人を苦しめるのと同じように、幸福な思い出もまたフラッシュバックしてどこかで私たちを支えてくれているのだと思う。そんなことを実感させてくれる舞台でした。

Gangster Report

Gangster Report

劇団スクランブル

「劇」小劇場(東京都)

2014/03/19 (水) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

海外の翻訳物を彷彿とさせる
お洒落な劇だな~、という印象。すごく面白かったです。イギリスのドタバタが入ったブラックユーモアっぽい。台詞もいいし、役者さんたちの出来もよかったです。ただ、こういう劇って道具立てが結構重要なのではないかな。別荘や山荘の雰囲気がもう少し出るか、ギャングのボスの持ち物らしいゴージャスな感じとか、もう少し欲しかったところ。群像劇の良さがもっと引き出せたと思います。

ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない

ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

色々やりますねぇ。
レディガガって実は普段、意外と編み物とか好きなのかも・・・・と思ってしまった。何だかとても可愛かったです。ただ、この劇団のいいところなのか、悪いところなのか判然としないが、こういうダンスを舞台に乗っけるってどうなの、と思ったのは確か。もっと鍛えられたダンスなら落差が大きくて笑えたかな。「魔法使い・・・・」の舞台は色彩が良く計算された舞台で美しかったですね。もっと見ていたかったと思わせる作品でした。いつもとは違うテイストで「あれ?」と思うところもあったけど、あと、これ短すぎ!とか短編にしてはちょっと長くない?とか色々あったけど楽しかった~。

家族の休日

家族の休日

公益社団法人日本劇団協議会

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/19 (水)公演終了

満足度★★★★

いや~、見応えありました。
なんというか、分かりやすいんだけれど、演出とか音楽とか、かなりアバンギャルド。シリアスで写実的な演技と、ぶっ飛んだ演出と、すごいコラボでしたね。面白かったです!特に女優さんたちの視線の演技には惹きつけられました。この緻密でリアリティのある演技があるからこそ、あの思い切った演出が活きてくるんですね。戯曲賞の最終選考作品とのことですが、戯曲の力よりも演技や演出の妙を感じた。でも、こんな面白い演技や演出ができるというのはやはり戯曲の力なんでしょうね。シンプルな演題に騙された~。

ネタバレBOX

次女が家を出たい理由とか、長女とのドロドロなど、分かってしまえばむしろ平凡というか有りがちなんですが、そこまでのプロセスで十分魅せてくれました。最後の写真を撮るシーンでは、誰の言葉だったか、「幸福な家庭というのは似たり寄ったりだが、不幸な家庭というのは実に千差万別だ」というのを思い出した。
仮面狂想曲

仮面狂想曲

戯六遊

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★

青臭い感じがいいっ!
けっこうドロドロしたお話なんだけど、意識してかしないでか、青臭いフレッシュさが感じられて、いい感じの仕上がりになっていました。役者さんが若いせいかな?演目にも台詞にも気負いが感じられるけど、いい方に作用していた。様々な悪がちゃんと清算されるのがいいですね。ええと、何でも屋さんは二重に料金を取っていたことになりますが、これはいいのかな?(でも、正義のヒーローというわけではないから、これもありということなのかな)←妙に気になりました。

ネタバレBOX

何でも屋さんと警察の出番が同じくらいで、ちょっとお話がバラけた感じが残念。
どちらかに重点を置いた方が(もちろん何でも屋さんがメインですが)ぐっと舞台が引き締まったのではないかと思います。
ブラウニング バージョン

ブラウニング バージョン

雷ストレンジャーズ

シアターサンモール(東京都)

2014/03/05 (水) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです~!!
私事ですが、引っ越しなどで約一ヶ月ぶりの観劇だったせいもあるが、しみじみと演劇の素晴らしさを感じられる舞台でした。緊密で、一つ一つの言葉が物語りを構築していく様が建築物を見るようだった。骨太でイギリス物らしい台詞劇、堪能しました。ああ、役者さんはこんな劇をやりたいんだなぁとつくづく思った。演技の素晴らしさはもとより、シンプルな舞台美術も、オンブラ・マイ・フの音楽も良かったですね。でも全体にあまりイギリスらしさが感じられなかったかな。例えば椅子なども背もたれ部分が高い物だとイギリスらしさが出たと思うし、イギリスのインテリアというのはもっと色を多用するのが普通です。せめてクッションだけでも渋い赤などにすると舞台全体が引き締まったような気がする。でもそんなことを差し引いても拍手が鳴りやまない舞台でした。ブラボー!

ネタバレBOX

イギリスに4年半住んでいたので、イギリス人男性の姿勢と姿の良さ、倨傲で不遜、人間嫌い、そのくせ寂しがり屋で妙におしゃべり、不思議なバカ正直さなど、(英国のBBCなど自国に不利な情報も平気で流し、そのため高い信頼性を得ている)あまりイギリス人らしさが出ていない所がちょっと残念。というか、日本人がイギリス人を演じることの難しさみたいなものを感じた。もうね、彼らの姿勢の良さというのは、はっきりと筋肉、特に背筋力から来るもので、これは歳をとってもあまり変わらないものです。主人公は心臓病を患っているので仕方無いにしても、他の男性陣はもう少しイギリス人っぽさが欲しかったかな。割と近かったのは妻ミリーですが、残念なことにイギリス女にこんな美人はいない(笑)でもまあ、これらはしょっちゅうイギリス人の矛盾した性格に悩まされていた私だけが感じるものだと思います。でも、主人公の人間不信、絶望、饒舌、優しさ、我慢強さからくる底力などまさにイギリス人そのもの。人間を演じる事の面白さと難しさを見せてくれた舞台でした。
REizeNT~霊前って...~

REizeNT~霊前って...~

junkiesista×junkiebros.

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

役者度が上がった!
ダンサーの方たちによるミュージカルですが、以前に比べて格段に役者度がアップしたなぁという感じです。敢えてダンスシーンは少なくして、「コントがやりたい~」というのが伝わってくる舞台でした。平日のマチネで満員の入り。これはキレキレのダンスを期待しての入りなのか、役者、ミュージカルを期待しての入りなのかは判然としませんが、明らかに役者を期待してのファンも増えてきていると思います!

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