小太郎の観てきた!クチコミ一覧

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死人にクチナシ?

死人にクチナシ?

あの子どこの子おかざきさと子

明石スタジオ(東京都)

2012/11/02 (金) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

くすぐってぇよ!笑
くすぐり連発で、キモチイイ!そして、オモシロイ!!

明石スタジオ超満席で、キツキツだったのに・・・「もっともっともっと観ていたい!」って思っちゃうほど気持ちよかったなー。テンポも良かったし。

プロフィールを見ると、脚本・演出のおかざきさとこサンは、映像畑の方のようで。

言われてみれば、セットもそんな感じだった気がしないこともない(←もちろん、自信は相当に無い見解さ)。 でも、「明石スタジオってこんなに広かったんだ・・・」って感じたのは事実。よくあるセットといえばそうなんだけど、なんか新鮮。

脚本は、徹底的にベタ。でも、くすぐりのパンチが効いてるんだよね。スル~っと流れちゃうようなくすぐりじゃなくて、グリップが効いてる感じ。内村航平くんの鉄棒のフィニッシュくらい決まってる。

ま、基本くだらねー くすぐりなんだけどね!笑

きっと、おかざきさんて引き出しの多い女性なんだろうなあ。なんかすごく好きなタイプの脚本だった。どこかしら、洗練されてるというか・・・清潔感すら感じたよ。

ま、繰り返し言うけど、くだらねーくすぐりから成ってるといっても過言ではない作品なんだけどさ! ラストも、腰が粉々に砕け散るような代物だしね(←でも好き 笑)

そして、役者がイイ! 全員抜群!!

おかざきサンの脚本・演出を褒めた後に言うのもなんだけど、この役者陣あってこそ、高いクオリティのコメディに仕上がったと言っても過言ではないかも。

7%竹の武藤心平さん。カンペキ。使えないエリートの「かりあげ」にボクは涙した(笑)

次回作が今から超楽しみ!!!!!

WAR Revolution

WAR Revolution

劇団EOE

池袋GEKIBA(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

次第に快感。
初めての劇団EOE。客席に行くと、役者さんたちがアップとくすぐりを兼ねたパフォーマンス(?)。「あっ、スポーツものなんだな」って。

そしてその100分後(公演は90分)。

「スポーツもののドラマじゃない・・・ライブだったんだ・・・!」。

現在は絶滅危惧種になりつつあるメタルバンドのライブに始めて行った高校1年の頃を思い出したわ。「この声、どこから出てくんだ?」「大声量を受けるって気持ちいい!」。そして「やっぱライブはかぶりつき」。

独特の発声&セリフ回し。
ラーメン二郎のように、観劇後は「しばらくはイイかな」、でもその3日後には「また観たいな」って感じかな。

一見、一本調子の発声&心理表現。

ボクは、北区つかこうへい劇団第14期生として参加した経験を持つポップンマッシュルームチキン野郎のサイショモンドダスト★さんの大ファンなんだけど・・・カレは、けれんで良い意味での軽さが特徴。モウムリポ公演『熱海殺人事件』での超デカ声&一本調子&クドさは、芝居が進むにつれ洗練されていった。

劇団EOE『WAR Revolution』は、さらにクセがあって、そして単調な感じ。観てるボクは、完全受け身態勢。でも、じわじわと体が暖まってくる。EOEの雰囲気に身体が馴染んでいくという感じかな。ポリネシアンセックスみたい。

最初は「昔NHKでやってた人形劇みたい(←ホメ言葉でもあります)」と思ってたけど、だんだん血の通った人間の肉体を感じてはきたもんなあ。 ま、文楽人形にも感情や血肉の熱さを感じるんだけどさ(笑)

あと、よく登場する語尾「なんだよねー」(だっけ?)は、口癖になっちまいそうだ(もちろん、心中での口癖だけどね)笑。

そうそう。

平澤有彩さんの表情、発声、身体表現は、超抜クラス。すごい。
歌舞伎役者のような洗練された芸。 彼女のいろんなステージを見たい、と強く思った。 ひとり芝居でも、それこそ紙芝居でもいいから(笑)

ネタバレBOX

前説。

なぜ、ピカチュウなのか。

やっぱ浜口京子を極めるべきだと思う(笑)
リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!

リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!

演劇ソリッドアトラクションLINX’S

上野ストアハウス(東京都)

2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

鶯谷のネオンが涙でにじむ
Bチームを。

会場のボルテージの高さ&6団体の多種多様な舞台&熱くて実直で劇バカな主催の石田さん&的確な進行の司会陣・・・充実した3時間!楽しかった!!最高!!!

でもさ、「また次も!いや・・・いっそのこと東京開催を待たずに、大阪遠征しちまうか!」って感じるのは当然のことなんだけどもさ・・・なぜか胸にぽっかり穴が開いちまったんだよね、鴬谷の駅に向かう間に。美空ひばりかっての。そういや、心から楽しんだ後って、いつもこんな気持ちになってたなあ。。。

6団体とも20分作品とは思えぬクオリティの高さ。誤解を恐れずに言えば、20分だからこその濃厚さだったのかもしれない。でも、どの団体も「本公演を観たいなあ」と思ったのは事実。ホント良かったよ。

フィナーレは、ド派手に。
私服に着替えたりのユルさ満点の役者さんたち(←これはこれでウレシイところだ)が、歌う歌う歌う!!!

そんな中、犬と串メンバーのみが芝居のキャラを引きずっていたのには笑った。特に、藤尾姦太郎さん。「役者馬鹿」じゃなくて「馬鹿役者」の雰囲気がばっちり出ていて最高!

この藤尾さん、実は開演前にも見かけてたんだよね。

上野ストアハウスで観る時には必ず寄る「3Bタコス」。チリビーンズとテキーラ流し込んで、ホテり顔で劇場へ向かっていたら、あの土地柄には全く似つかわしくない「ジョギングする男」とすれ違う。ボクは、犬と串友情カードを常に携帯する馬鹿なので、すぐに「あっ藤姦だ!」を気づく。「芝居前に気合入れてるのか?」と思ってたんだけど・・・違ったね。役作りなんだよ。スゴイネ!

ま、役作りといやぁその通りなんだけど、芝居中に汗を流し続ける為のものなんだよね(笑) その「アップ」をモラルが強制的にやらせてるところを想像すると、なんとも可笑しくって。

明日、6団体のお芝居をネタバレで書きます。

とりあえず、おやすみなさい(笑)
 

こい!ここぞというとき!(2012年サンモールスタジオ最優秀演出賞、受賞)

こい!ここぞというとき!(2012年サンモールスタジオ最優秀演出賞、受賞)

ポップンマッシュルームチキン野郎

サンモールスタジオ(東京都)

2012/10/18 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

あっというま。
楽しかったなあ。。。

ポップンマッシュルームチキン野郎の公演って、ボクの中じゃ芝居の域を超えちゃったよ。ラスベガスのショーを観る時のわくわく感・・・そんな感じ(行ったことねーけど)。

苦み走ったツラ構えのアメリカ人あたりにタキシード着させて、「Ladies and gentlemen!It's showtime!!」って言わせたいもの。

ま、前説の登場曲がそんな感じではあるんだけどさ(笑)


『こい!ここぞというとき!』。

すっごくすっごく練られてたなあ。

吹原さんのてのひらで転がされてる気持ち良さったらなかったよ。

きっと、吹原さんの「狙い」の9割以上、ボクはハマっちまってたよね。笑いも泣きも。
まったく反応しなかったのは・・・場内かなりウケてたけど・・・ま、ボクは『Dr.スランプ』世代なんでね(笑)

それにしても、役者のうまさは抜群だよなあ。。。

「演技が巧み」って感じとはチト違うかなぁ・・・「どんな役もこなしちゃうプロの技」・・・「技」は違うか。うまく表現できないけど、ダラダラ~とした場面や下ネタ盛り盛りの場面でも、キチんと演技をしてのものだからなのか、ボクは息を抜いて観ることはまずないんだよね。いつもの「CR企画」の時くらいかな、ストーリーを脳から完全に払しょくできるのは(笑)。

役者さんみんな良かったんだけど、特に括目に値するのは、橘麦さん&青山雅士さん。

橘さんと小岩崎さんとのシーンは、抜群のデキ。

黒髪、ロング、痩身、美人。にじみ出るかわいさ、愛おしさ。。。

青山さんは、グングン伸びてるよねえ。イイ顔になってきたよ。

そういや、サイショモンドダスト★さんは、完璧な変装。

あれ女装子界なら、「美人」で通るわ(笑) ムダ毛の処理も完璧。でも鼻下の青みだけは消しきれないあたりもリアル(笑)

吹原さんの変装は・・・てか、まんまでもおばちゃんで通るよ!笑

それはそうと、下ネタ多かったっけ?終演後には、下ネタすっかり忘れちゃって、ちょっとばかりイイ話を観たような気分になっちまってた(笑)
信じたくねーけど、ボクはズブくなってきちまったのかなあ。。。


終演後は、『陛下に届け』のDVDと、モウムリポ公演から売り出し始めた「1枚100円」「10枚200円」のブロマイド(笑)を購入。

劇団印象『空白』以来の超大大大好きな人の写真が入ってた・・・生きてりゃイイコトあるもんですな!

ネタバレBOX

下僕2名の身体のゆるみっぷり・・・ドMはこうじゃなくっちゃな。

あと、ジャガイモと玉ねぎが、きちんと消えていたのには泣いた。

あと、照明がイイなあ。冒頭のオレンジ色、あれ凄いね。

あと、いつものことながら映像がイイね。心躍るよ。

あと、音楽がイイ。多種多様な楽曲を知っている人が担当してるんだろうな、って感じ。

あと・・・あと・・・あと・・・

ってキリがないや。



昇天。

昇天。

Tricobo

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2012/10/19 (金) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

旗揚げ試演会
芝居としてはおもしろかった。観やすい筋立てだったし。

いろんなテーマが登場するんだけど、それぞれをもっと深く掘り下げたものを見たい欲求が生じたかな。あっさりしてた。

でも、ボクにとっては、4名の役者さんに興味を抱いた構成になっていたし、作演の絶食三平さんの次作も観ようという気持ちになったのも事実。

そういう意味では、「顔見世公演」としては充分だったのかな、と。

Tricobo旗揚げ、おめでとう!!!

ネタバレBOX

異母姉妹の姉(谷田部美咲さん)と妹(松浦志帆さん)の対比が興味深かったなあ。

バカな姉と、愚かな妹。

先天的な要素もあるんだろうけど、人間関係などの後天的な要素で、意図しているか否かはわからないけど、愚かな道へと突き進んじまう妹の生き様・・・これ深いよね。もっと深く切り込んでほしかったテーマだった。

それにしても、近親相姦って学生演劇では、ときたま観るテーマなんだけど。

実際に、己の感情(欲望)にあるからこそのテーマの提示なんだろうか。。。

ボクは、近親相姦に関わるシーンが出てくると思考停止しちまうんだよなあ。芝居が浅薄なものに感じちまうことすらあるし。

近親相姦を出すなら、もっと倫理感⇔肉欲の葛藤やら、愚か&哀しい人間の内面を掘り下げて欲しい気もするんだけど。誤解を恐れずに言えば、「ま、近親相姦しちゃうのも仕方ないかな」くらいに思わせて欲しいわ。


話は変わって。

池村匡紀さん。

カレ、凄いよ。
第三楽章

第三楽章

劇団霞座

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2012/10/04 (木) ~ 2012/10/08 (月)公演終了

満足度★★★

男としての格の違いに涙する。
なんか観ながら、15歳の時に訪れた薬師寺での説法を思い出してた。

「ありがてぇんだろうが、よくわからねぇ」。

ボクの耳には、複数の観客による「鼻ズルズル音」が届いていた。

でも、ボクはよくわからなかった。


「現実と妄想、現在と過去とが入り混じってる話なのかな?」

「この少女は人形なの?・・・まさか、ねぇ」

「坂の見え方が、置かれている心理状況や、坂上坂下なんかの今いる位置、そして朝、昼、夕方、夜とで違ってくるってのは、なんとなくわかるなあ」

「・・・つかさ、って何者?」

「すごく稽古したんだろうな」

「ん・・・?つかさ、死んでるの?」

「ロリコンの話では、たぶんないんだろうね」

「・・・あと何回”つかさーっ!”って言うんだろ?」


瞬間を切り取ると美しい場面がたくさんあったのと、猿楽町アートスタジオの雰囲気が好きなのもあって、終演後、男坂を上る足取りは軽かった。

「よくわかんなかったけど、ラストシーンは良かったなあ」なんて思いながら。

で、丸ノ内線に乗ってから当日パンフを開いてみた。

作演の大貫隼さんの文章、すてきだった。

彼が高校生(だったっけ?)の頃の、輪行中の出来事が書いてあった。

道に迷う少女との、時間にしたらほんの少しの間の交流。


「あっ・・・そういうことだったのか。。。」

丸ノ内線の茗荷谷あたりで一人合点(←抽象的な芝居を、自分の価値観や思い出、日常etc.に強引にはめこむ術は、得意なのだ。そういう術を使うということは、人間の底の浅さを露呈することにも繋がっちまうのだが 泣笑)。


「そういや鹿児島赴任時代の金曜の夜、気ままなドライブで訪れた鹿屋で・・・たしか”ムッシュゼン”って店だったっけ・・・隣り合った赤ブチ眼鏡の女の子と話が盛り上がるでもなかったのに、養豚場の香り漂う田舎道にポツンと建つ小奇麗なモーテルに流れて・・・翌朝、彼女を送る時に”また会おうよ”なんて言われてイイ気になって・・・彼女をおろして、ふと助手席のシートを見たら、折りたたんだ1万円が置いてあって・・・”1万円?昨日、奢ったのを遠慮したのかな?”なんて思って、そのまま財布に放り込んで・・・しばらくの間、不思議な気分とチョット良い気分、そして ”ま、もう会うことは無いだろうけどね” なんて思っちまってることに対するチクチク感を味わったりしてたなあ。。。」


そんなことを思い出してた(その間に池袋に着いて、副都心線ホームへの通路を早歩き)。

刹那な出会いを、このような荘厳な作品に昇華させた大貫さん(大学生)・・・対して、都合の良い妄想を膨らませた上に、妄想の中においても”赤ぶち眼鏡の女の子”をもてあそんでいたボク(当時、大学を出て5年目の社会人)。

人間としての格が違うよね(泣)

ふきげんなマリアのきげん

ふきげんなマリアのきげん

green flowers

シアター風姿花伝(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

世界を広げてくれる芝居
green flowers の舞台は雰囲気が良いなあ。

小劇場界では比較的観客の年齢層が高いというのもあるんだろうけど、人間を見る目があたたかいからなのかも。 なのに、あたたかさの裏に哀しみもあることを想起させられるんだよね。目に見える風景や台詞は、基本あたたかなのに・・・なんか不思議。

この芝居は、文豪森鴎外の子供たちの生活を描いている(主役は、長女の茉莉)。

長男於菟を演じたのは、小泉康介さん。
この小泉さん。以前、自己紹介の欄で 「経歴 : 演劇研究所を3つ位卒業しました」「好きなもの : “ウラ”と名の付くもの全て」というのを読んじまって、もう喰いついちゃったよね(笑)。 で、演技なんだけど、その棒読みのようなセリフ&妙な間・・・「下手だな」って思う。でも、クセになる魅力を持ってるんだよなあ。そんな訳で、小泉さんが登壇すると、見事なまでの心地良い不協和音を舞台上に浸透させてくれる。芝居への集中力が、さらに1ランク上がるというか・・・のめり込ませてくれるんだよね(笑)

ま、「下手な感じ」であることは、間違いないんだけどね!笑

漫画や芝居における蛭子能収さんのような感じ。それが小泉さん。


芝居に話を戻すと・・・今回の『ふきげんなマリアのきげん』も、雰囲気の良いお芝居でした。終演後、森茉莉の小説とエッセイを買っちゃったくらいに。そして、エッセイを読みながら想像する「パッパに溺愛されて」「美しいものが大好きで」「生活力のない」 森茉莉の姿は、さとうゆいサンそのものなんだ。

やっぱ芝居の持つチカラって凄いね。

4人の子供たちのキャラもたってたなあ。

末弟(?)の天然のしたたかさを持ちながらも、押しが弱いところ。

それに対して、次女の押しが強いところ(笑)
この次女の存在感は、凄いものがあったなあ。ちょっとウザいんだけど、いなきゃ寂しいみたいな(笑)

でも、それぞれがちょっとずつ弱いところを持ってるのが良かったなあ。

あの母親をして、この子供たちの体たらく。父親のオーラで飯を食う哀しさ・・・でも、そんな彼女ら彼らが何故だか愛おしい。

そういう意味では、あの後妻に育てられなかった長男於菟の生きっぷりってのは興味が湧くなあ。

ま、医者として立身出世するのも、鴎外の威光があってのものだったのかもしれないけどさ。それにやっぱり、パッパのこと随筆に書いちゃってるし(笑)

あとは、お隣のオバチャン。

彼女がいなかったら、この芝居は重~い雰囲気に包まれたかも。

生活力と明るさにあふれる良いオバチャンだったなー。

ま、「女」としての魅力は欠けちゃいるし(演じた松本舞さんは美人です)、洗濯物の畳み方は雑だったけどな!笑

ネタバレBOX

とても良い芝居だったんだけど、ちょっとだけ物足りなかったところも。

登場する4人の子供達それぞれが、魅力的だっただけに、「もっとじっくりと紹介してほしい」という気持ちがあること(時間が制約されているから仕方ないんだけどね)。

あとは、森茉莉の生活の描き方。

彼女の哀しくて、だらしなくて、でも愛おしい性格は、描き切れていたと言っても良いと思う。エッセイを読んでも、さとうサンの顔が浮かぶくらいだし。

ただ、当日パンフレットに「夢見ることが私の人生。そう言い切った彼女の作品に描かれるのは、ときかく大好きだった父親の話と、大好きな食べ物の話ばかりです。」というステキで、興味を引き立ててくれる文章があるだけに・・・茉莉が食べる、というかむさぼり食べるシーンが観たかった(ま、氷を買うにも事欠く時代の茉莉を描いていたから、食べてる方がおかしいんだけどね)。

哀しい状況ながらも食べる茉莉。「お前、しっかりしろよ!」な状況なのに、食べることだけは一人前の「甘えたな茉莉」。

そんな茉莉も観たかったな。
CAT'S EYE

CAT'S EYE

劇団ゲキハロ

サンシャイン劇場(東京都)

2012/09/23 (日) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

・・・楽しかった。
ハロプロの舞台って、彼女とはもちろん友達とも一緒に行くことはなく・・・てか「観にいく」とすら恥ずかしくて言えない年齢なんだよね、ボクは。

でも、行く!

脚が向いちまうんだから仕方ない(マイッタネ)。

正味の話、今回の出演者で顔と名前が一致するのは、散歩道楽の鉄炮塚雅よサンだけなんだけどね(笑)

かわいい女の子が出てるからじゃなく、ましてや抜群の演技力&歌唱力があるってわけでもない・・・でもさぁ、「気楽に」「手堅く」楽しむことができるんだよねー(ま、ときたま真顔で「何じゃこりゃ?」な時もあるけどな 笑)。

「じーちゃんばーちゃんが大衆演劇を楽しみにしてる」って感じに似てるのかなあ・・・劇場に向かう時のワクワク感や、老若男女が確実に「それなりに楽しめる」って脚本にしているあたりもね。

あと、会場の雰囲気がイイんだよ。とにかく前10列くらいは、熱烈なファンが陣取ってるもんだから、小劇場なら「・・・シーン・・・」なギャグでも、拾ってあげるんだ、ちゃんと。小劇場にありがちな「気合入った身内客笑い」ってんじゃなくて・・・なんかあたたかいんだよなあ。ま、本当におもしろくて笑ってんのかもしれないけどさ(笑)

『CAT'S EYE』。

オンタイムで開演(←遅刻客に容赦ないところも好感。ま、会場が広いからってのもあるんだろうけどさ)。

このBバージョンは、北条司の『CAT'S EYE』の番外編のような話。3姉妹は出てくるものの、これは脇役。主役は、「絵画を守る側」。このあたり、ヨカッタよね。

ドジで間抜けな新人探偵2人とクライアント家族とキャッツアイ3人の交流・・・そこに怪しげな2人組やキャッツアイを追う刑事が絡んできて・・・って感じ。

とにかくベタ。徹底的にベタ。

というかマンガ。 コレ、褒めてるよ!笑

友情、涙、スリル、家族愛、ズッコケ、拗ね、ツンデレ、実は○○、突拍子もない展開の連発etc.・・・気楽に見られないわけないよ(笑) 

ま、熱く語るような舞台じゃないんだけど、銭湯の帰りのようなほんわかした気分で将棋を指しに千駄ヶ谷に向かったのでありました。

負けたことのなかった小学3年生に2戦2敗。しかも2戦目は完敗。

来年、奨励会受験受かってもらわんと立つ瀬が無いな、こりゃ(冷汗&驚)

おっと、おもわず将棋の話をしてしまった。。。


とりあえず・・・漫画『キャッツ・アイ』の作者である北条司さん、そして表題曲『CAT'S EYE』を作詞した三浦徳子さん&作曲をした小田裕一郎さんの功績に拍手!!!ですな。

シェイク!!

シェイク!!

ゲキバカ

王子小劇場(東京都)

2012/09/20 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

これ、じんわりクルわ。
きっとこの舞台は、記憶に残るだろうなあ。

ま、いわゆる名作ってわけでも、身体震わすほど笑ったり泣いたりする芝居じゃないんだけど・・・その情景が記憶に刷り込まれるんだろうな、って気がした。

上質なエンタメ・・・は言い過ぎだけど(笑)、とにかく仕掛けが細かいんだよね。劇中の仕掛けもなかなかなもんだけど、実は開演前からも仕掛けはあって・・・王子小劇場の階段にパンフレットが貼ってあるんだけど、このパンフは、『シェイク!!』の劇中に出てくる劇団が打つ公演のパンフなんだわ。演出家・原作者から役者に至るまで人のふんどしで相撲をとる系の名前を配していて・・・このあたりも好み。そういや、たけし軍団に負古太郎ってのがいたな(笑)。このパンフレットは、階段のみならず折り込みパンフにもありますので・・・観劇前には読んでおこう!でも、くだらないからね!笑

そのどうでもイイ細かさは、かつてのロフトプラスワンの匂いがしたなぁ。ゆるいんだけど、細かな一言を逃さないために、すっげく集中して観てたもの。「そこまで締めるか!笑」ってくらい喰い込んだまわしでバカやってるシーンですら、ボク集中を途切れさせなかったからね(笑)

芝居の方も、冒頭はおもしろいんだけど、人のふんどし系の笑いもそこかしこに。

でも、途中からグンと良くなるんだよなあ。役者の人にとっては「あるある」なのかもしれないけど・・・ひきこまれたわ。とにかく舞台上で繰り広げられる世界が楽しくってしょうがなかった。

ダンサブルでかっこいいゲキバカって感じは、今公演はものすごくデフォルメされた形で。スローモーション。イイネ。

圧巻は、名作『RENT』を学生時代の彼らが演ってるシーン。このダメっぷりが・・・すごいよ。ものすごく巧い。

ま、『Seasons Of Love』聞いて笑ったのは初めてだけどな(笑)
二度目の『Seasons Of Love』なんて、あの素晴らしすぎるイントロのピアノソロを聞いた瞬間から笑いがこみあげてきちゃったもの。


もりだくさんなステージ。堪能いたしやした!!!


ネタバレBOX

役者が食中毒になっちゃって・・・なんだかんだあった結果、衣裳やら制作スタッフが芝居に出るってくだりがイイんだよなあ。

このスタッフたちは、かつては役者だったんだよね。どのような経緯でスタッフとして携わっているのかは分かんないんだけど・・・「よしっ!俺たちで芝居をやろう!」って演出家が言った時の彼ら彼女らのうれしそうなこと!このはちきれんばかりの笑顔。ホント良かった。

そんな「あー芝居ってイイナア」ってシーンがそこかしこに。

さらに、そんな彼らがやる『ロミジュリ』を最初から最後までやってのけるという・・・このあたりのサービス精神の良さ、というか「気合」が伝わったよね。ようここまで盛り込むわ。

楽しませてくれた「細かな笑い」の中で最もグッときたのは、「元彌チョップ」と「私も産みたい」。元彌チョップなんて・・・よく思い出したもんだよなあ。オカマちゃんの「産みたい」は、泣かせるよね。あの二人、仲よさそうなだけにさ(笑)

ひみつのアッコちゃん

ひみつのアッコちゃん

不消者(けされず)

シアターブラッツ(東京都)

2012/09/19 (水) ~ 2012/09/23 (日)公演終了

満足度★★★★

「綾瀬はるか」観ちゃうんだろうなあ。
よかったなあ。。。

上演時間全てノメリ込みって感じじゃなかったんだけど・・・だって「5人分」のオーディションが続くんだよ!笑

もちろん「5人」の面接それぞれのエピソードは魅力なんだけど、当日3㎞泳いでからのシアターブラッツだったので、「ここは聞くに徹するか」と目をつむったとこはあったよね(笑) 

朝倉えりかさん演じる新進女性映画監督のラストシーンがすてき。涙でそう。

想像でモノ申せば、「ただただ、このラストシーンを描きたいが為にアッコちゃんオーディションを題材にしたんだなあ・・・気づくの遅いけど。アッコちゃん、深いなあ。赤塚先生、深いなあ。」と思っちゃうくらいにすてきなシーン。

ま、ラストシーンに至るまでのシーンでは、監督の煮え切らなさに軽くイラっとしどおしだったからね。でも、この「イラッ」が、ラストで効くんだよなあ。あのシーン一発で、イラっとしてたはずの女に惚れちまうくらいなんだよ、節操ないこと言っちゃってるけど(笑)

ホント、救われるような芝居だったなあ。上映中の映画のアッコちゃん、観ちまうな、きっと。

誰と観に行きゃいいんだい?笑

ネタバレBOX

オーディションの結果は、口パク(?)でわからないようになってるだけど・・・誰もがわかるようにはなってる。それまでのフリが凄いからね(笑)

あと、「号泣するアッコちゃん」は、なんかイイナア。ベタな変身を連発した後に、「友達」に変身されちゃったりなんかしたら・・・たまらんよ。

あと、『アニー』のエピソード。台詞にもあったけど、アッコちゃんがあのひととき吹っ飛んだよね。『アニー』の引力すごいね。観たことないけど。

あと、夫婦漫才も良かったよね。不思議ちゃんのエピソードが全部ネタだったからがっかりするけどね(笑)

あと・・・

ってキリがないなあ。ま、それくらい充実感たっぷりの芝居だったということで。

サラバ

サラバ

こちらスーパーうさぎ帝国

テアトルBONBON(東京都)

2012/09/19 (水) ~ 2012/09/23 (日)公演終了

満足度★★★★

追うに値する劇団、のような。
冒頭のダンスシーン・・・快感!

ベタな振りだし、ダンステクニックも中堅なんだけど、音楽&照明とバッチリ合っててカッコイイし、これから起きるワクワクするような展開を想像させるに充分なダンスに仕上がってるんだよなあ。

ダンスにしても脚本にしても、なんとなく大学演劇っぽいテイストなんだわ。
でも、間違いなくその1ランク上のステージにいる劇団だな、と。紙一重の差のようにみせるんだけど、持ってるポテンシャルの差は相当大きいような気がする(← 入れ替えのある大学演劇と比較すること自体が間違っているんだろーけどさ)。ホスピタリティの意識の高さも充分。これからさらに高みにのぼっていくんじゃないかなあ。


『サラバ』に話を戻すと・・・


アンドロイド。

ベラボーにクオリティ高いんだよ。「おー!アンドロイドー!」なんだわ。

演じる女優さん、かわいいんだ、スゴク。
でも、かわいい「お人形さん」が、メイクと衣裳とで見事にアンドロイドに。
ヴァニラ画廊で催された『オリエント工業展』を思い出しちゃったよ(←ま、『サラバ』に出てくるのは、あくまでもアンドロイドなんだけどさ 笑)。

それにしても、主役(←アンドロイドではない)のカネコサチエさんが凄くイイ!演技力がトップクラスだからってのじゃなくて、ものすごく引力のある女優さんだな、と。彼女から目が離れないんだもの。

ま、見た目や声が好みというのもあるけどさ(笑)

そんなこんなで、ダンスに熱狂して、ギャグ(苦笑一歩手前のモノを含む)を一々拾っちまってケラケラ笑ってたのに・・・アンドロイドが○○に行くシーンで、目が潤んじまったんだわ。

ボクも、いろいろ弱くなっちまったよ。

あっそうそう。

メイキングDVDはオススメです!

ネタバレBOX

頭の良い大学の教授(笑)が、ボクの尊敬するY氏に風貌も性格も、そしてあたたかさ&器のデカさもクリソツで・・・ちょっとビックリした。あの手の顔の人間は、それだけで信用して良い気がしてきたよ(笑)

あっそうそう。

エリート層の悩みも描きたかったとのことだけど・・・微妙。

「人のうらやむ職に就く人も、それなりに苦労し悩んでる」なのか「人のうらやむ職に就く人も、そうでない人も、しょせん同じ」なのか・・・。

ま、基本コメディだから、そのあたりのことはどーでもいいんだけど、白柳さんがそのようなことを書いていらっしゃったのでとりあえず。

でも、ホントそんなことはどーでも良いくらい、ステキな作品でした!!!
Weekly2【静かな午前 狂った午後】

Weekly2【静かな午前 狂った午後】

アヴァンセ プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2012/09/04 (火) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

静か→「怖い」 狂った→「哀しい」
『ダメ出し』が超抜だったので、期待を胸に楽園へ。はたして上質の作品だった。

もともと坂上作品は、役者の外れはほとんど無い。コリッチでは酷評の連発だった『或る、致し方ない罪に対する やるせない復讐のはじまり』に出演してた お宮の松の演技は今でも克明に覚えてる。観てた時は「!?」だったのに。

今回の『静かな午前 狂った午後』の4人の役者さんも、良かったなあ。

吉井怜さんは、グラビアのイメージが強かったんだけど・・・狂気、バッチリ出てました。なんてことない会話なのに(場所が喫茶店なら、どこにでもあるような女子トークなのに)、ちょっとだけホンのちょっとだけ目をむくだけで、「うわぁ・・・この女ヤベェよ。。。」ってなったもん。ヤバイ匂いがプンプン漂ってきたよ。

あとはやっぱり古山憲太郎さんだよなあ。。。

『セコ』という作品で、はじめて古山さんの芝居を観たんだけど(ま、映像出演だったけど)・・・存在感がものすごいんだわ。怪しい、まじめ、不気味、キモい、フェロモン、汚れ、知的・・・相反するような要素が混在しまくってる魅力がある。その存在が謎すぎて、古山さんが物静かに立っていると可笑しみが湧いてきちゃうほど(笑)

脚本も良かった。

「ま、そうなるしかないな」って結末なんだけど(これがものすごく哀しいんだ)、あのラストで、作品が更に濃厚になったような気がする。4人の登場人物それぞれの視線・感情を想像しやすくなったんだよね、あのラスト5分で。古典文学を読んだ後のような味わいがあったなあ。

今回の『静かな午前 狂った午後』は佳作だったし堪能もしたんだけど、「坂上さん、ストレスたまってないかな?」なんて思っちゃったのも事実。

今までの作品は、狂気を暴力というカタチで表現することが多かったように思うんだけど、この作品では、狂気をかなり潜在化させたカタチで表現してた。

でも、暴力シーンだからこそ表現しうる「哀しさ」ってあると思う(ま、現実で殴られたり刺されたりしちゃ、たまったもんじゃないけど)・・・坂上さんの中で、そういう作品を作りたいという気持ちと、「でも暴力シーンは引かれるしなあ。」という気持ちがバトルしてるんじゃないかな?って(←もちろん妄想)。

で、案の定。

次回作は『SHINOBU's BRAIN in the Soup BOMB!』。 

「BOMB!」が付いたよ(笑)

こりゃ、コリッチの評価が真っ二つに割れるな。

楽しみ。すっげー楽しみ。




UndergroundStates

UndergroundStates

EgofiLter

シアター711(東京都)

2012/09/13 (木) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

驚愕のラスト。
誤解を恐れずに言うなら、そして不遜な物言いであることを承知で言うと「(脚本の)関大輔さんの気持ち、よくわかるわあ」。登場人物に深い愛をおぼえてしまうと、こういう筆の進み方をするだろうな、って。

『UndergroundStates』の舞台は横浜寿町。でもドヤ街特有の香ばしさはさほど無い。もっとも、この芝居の主題のひとつを語るには、街の香ばしさは必要なく、ドヤが舞台でなくてもよくて・・・この手の話は、そこかしこにあるんだ、今は (かつては京都府・大阪府・東京都某区に色濃く伝わる「伝統」だったわけだけど)。

それにしても釜にしても山谷にしても、年寄りが多くなったよなあ。労働者の街じゃなくて福祉の街だよ、皮肉じゃなく。そういう意味では、『UndergroundStates』にも登場する「他人の」福祉制度を利用して私腹を肥やさんとする人達にとってドヤ街は、「商売繁盛」のヒントが転がってる宝の街なのかもしれないよね。

ネタバレBOX

ゴリゴリのハードボイルドのような冒頭。

「ヒロインは、こいつらにマワされるんだろうな」という感じの重い空気が劇場を覆う。後ろチョンマゲ(例えが古いが松波健四郎のような髪型)のスーツ男の笑顔、腰の低さが怖い。すごく怖い。この後ろチョンマゲ男を演じるのは、坂中久志さん。いったい他の舞台では、どんな役を演じていらっしゃるのだろうか?追ってみたい役者さんだわ。

芝居は、冒頭の重い空気をキープしながら進む。

ドヤ街が、「日雇い労働者の街」から「ドヤ街というシステム」に移行しつつあることを実感させられる。舞台上では、欲望・願い・諦念が渦巻く。ドヤシステムを利用する人間、ドヤでしか生きられない(と思い込んでいる)人間に、横浜市中区職員やケースワーカーが絡む。この人物設定が興味深い。好き勝手に芝居を料理して、観劇後に想像・妄想するのが好きなボクにとっては、想像のネタにあふれる登場人物たちだったなあ。

こんな雰囲気が中盤の後半(←説明の仕方が下手ダネ)まで続き、どっぷりひたる。
主役倉田を演じる豊田記央さんに白竜が、ヒロイン香奈枝を演じる まじまあゆみサンに荻野目慶子が憑依したように感じたくらい、どっぷりだった(ま、豊田さんは豊原功補に似ているイケメンだし、荻野目慶子は出てきた瞬間に「コイツが犯人や」な女優だから、まじまサンに荻野目慶子が憑依したというのは間違った観方なんだけどね)。

そんな『UndergroundStates』の様子がちょっとずつではあるんだけど変わってくるんだ。暖かな空気が流れだす。セリフに対して、場内にほのかな笑いが生じる位、空気が緩みだすんだわ。「あれ?もしかすると良い方向に向くこともあるんじゃない?」って感じ。少なくとも、真綿で首を絞められ続けてるような感じじゃなくなるんだな。

で、ラスト。

食堂にかかわる皆、それなりに幸せになっちゃったよ。

ドヤ街の現実や、生活保護の不正(的)受給、福祉制度に巣食う悪行者、そして何と言ってもこれからの彼女ら彼らの行く末は、なんとなく端に置いといて、みたいな。

それでイイと思う。このラストは、腐りかけてる現実に背を向けてるわけじゃなくて、脚本の関さんの思いを提示しながらも、観客それぞれに「これから」を考えさせるつくりになってるように思うから。

それに、ボクがこの脚本を書いていたならば、登場人物に幸せになってもらいたいしね(笑)

白痴の天使や、精神を病む女、濃すぎる愛情が歪んでしまった男、正義感に燃える男、ヤクザ、ヤクザっぽい男、気のイイおばちゃんetc.と、登場人物はVシネ感が濃かったけど・・・生で観ることで、さらに思いが深まったのは確か。

それにしても、後ろチョンマゲヤクザ(彼は予想通りヤクザなのだった)。

組織を守らんとする為だけに、倉田に近づくヤクザ。

ターゲット外の人間には危害を加えず、目的を遂行する為に善行すら施す&自分の手は絶対に汚さない本物のヤクザ。

怖いよ。やっぱこの人、怖かったよ。
Grease

Grease

Seiren Musical Project

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/09/12 (水) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しい!おもしろい!きもちいい!
最高!!!

楽しくて楽しくて・・・ベタな展開なのに、この後どうなるのか気になって気になって仕方なくて。

Seirenは、ホント「観せ方」がわかってるよなあ。ツボを外さず確実に押さえてくる。そして、いつの間にか、その「狙い」に確実にはまっていっちまう(笑)
開演1時間前受付開始の5分前に到着したのに、整理番号24番。その人気に違わぬクール&パワフル、そしてブラボーな舞台だったなあ。

アメリカを舞台にした学園モノ。
はちゃめちゃ!バカ!パワフル!おしゃれ!苦悩!ジェラシー!そして恋愛!・・・どれもこれもカワイイよ!君らカワイイよ!笑

衣装も、翻訳調のセリフ&セリフ回しも心地良いったらありゃしない。ホント、ヨカッタなあ。

ずば抜けて巧みな役者はいない。でも、調和がとても良くとれていて、舞台として完成してた。帝劇のオペラやミュージカルでもそうだけど、どんなに巧みな看板がいても、ダメな匂いが漂う舞台ってあるんだよね。その点、この『Grease』の舞台から放たれる匂い&明るさは、すばらしいものだった。このオーラのようなものって、看板役者がいるから出るってもんじゃないんだよね。青臭い言葉だけど、情熱とチームワークの良さ、だろうな。

若者たちによるミュージカル団体Seiren Musical Project。これから色んな努力精進を重ねて、苦労もするんだろう・・・そんなことも含めて羨ましいと思うし、なんと言っても、これからの彼女ら彼らの舞台での活躍がとても楽しみ。

次回公演は、12月。高田馬場ラビネストで3本立てとのこと。もう今からスッゲー楽しみ! 惜しむらくは、まだSeirenを観てない彼女が、この時期、大一番に臨んでいて、またもや観ることができないということか(泣)

ネタバレBOX

「良い子をキープすること」を思い切りよく放り投げたサンディの羽化っぷりに、のけぞったわ!笑 軽くイラっとしてたのに、惚れてもうたからね(笑)

あと、個性あふれるファッションのフレンチーが、学園を中退してファッション系の専門校に行くも挫折してウロウロするシーン。ここで涙が溢れそうになった自分にビックリした。

最後に。

リーゼントしたくなった。
ハイカラ狂イ

ハイカラ狂イ

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2012/09/07 (金) ~ 2012/09/08 (土)公演終了

満足度★★★★

新人公演ならではの魅力!
久方ぶりに「原石」という言葉が脳に浮かんだわ。

すっごく良かった。キミらがまぶしかったし、うらやましかったよ。

ま、これからガンガン苦労もするんだろうし、きっと進んで苦労の道を突き進むんだろうけどな!笑

この『ハイカラ狂イ』は、コメディになるのかなあ。とにかく熱い!!!

ものすごくチープな芝居になりそうな危うさを感じるシーンがあるにはあった。「あっ、なんかヤバそう」って。

でも、力技なのかセンスなのかわからないけど、「芝居に夢中になる」ほうにピーンって針が振れるんだよね。熱演ってだけじゃ針が振れることなんてない。やっぱ努力精進の賜物なんだろうなあ。同じ脚本・演出でも、はらってきた努力って、絶対に客に通じるから。マジな奴だけが持つ雰囲気、誤解を恐れずに言えば「狂気」ってあるからね。

それにしても、この熱くて、下品で、ちょっと知的で、くすぐり満載(浅くて薄くて残念な感じのくすぐりもあったけど 笑) の脚本を女性が書いたってのが、最高だよね(脚本は、出演もしている伊藤彩奈さんが担当)。
粗いし、荒いんだけど(褒めてもいます)、時々「おぉっ・・・!」っという鋭い感性が垣間見える「間」や場転をみせてくれるんだからタマラナイ。

この伊藤彩奈さん。パワーある。演技力も、既に小劇場界では中堅上位はあるんじゃないかな。でも、そのステージにいる人じゃないと思うけどね。ふとした表情は、かなり綺麗・・・というか美しい。毎日、鏡で自分の表情や全身の動きなんかを観察するだけで、相当な役者になるんじゃないかなあ。ま、脚本家としての伊藤さんもすっごく楽しみだけど。

牧野純也くん。不思議なオーラがあるね。唐十郎芝居の匂いがするよ(笑)。
この雰囲気や調子が、この後どう変化していくのか・・・かなり楽しみ!近道をしようとして、ハウス加賀谷の芸風を選んで欲しくはないなあ・・・ま、ハウス加賀谷、ボク大好きなんだけどさ(笑)

平倉春香さん。声の潰れっぷりが、中日以降の梅舟惟永さんみたいだった・・・なんとなく顔も似てるし(笑) 芝居が進むにつれ、ぐんぐん魅力が増していった! ボーイッシュ、というかジャリッパゲがありそうな女の子の役なんだけど、メイクや髪型で雰囲気がガラッと変わりそう。

見尾田歩くん。男前だねえ。一番地味な役どころだけに(途中で「また新しい役者の登場か?」ってくらい化けるシーンがあるんだけど)、これからの舞台が楽しみ。とりあえず、男前なのでスキンケアを極めて欲しいね(笑)

そして、中丸友里花さん。冒頭のシーンでは彼女をずっと見てたくらい「原石感」が半端じゃないくらいある役者さんだな、と。 ビジュアルや雰囲気は間違いなく高いレベルのものを持ってると思うので・・・声楽やダンスのトレーニングでリズム感を、多種多様な芸術・スポーツに触れることで「間」を体得したら、凄い女優になると思う。


まだまだ粗削りだけど・・・これからの5人がとっても楽しみです。

ボクも頑張るよ。

芝居内容とは関係ないけど、そんな思いを抱いた舞台。

Weekly1【ダメ出し】

Weekly1【ダメ出し】

アヴァンセ プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2012/08/29 (水) ~ 2012/09/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

毒愛。
いろんな作品と出会ったけど、坂上忍作品を追っかけてきて良かったなと。

脚本&演出、ノリにノッてる・・・でも、今作品の見どころは役者だね。

このメンバーを集めた坂上忍さんの辣腕に拍手!

ロスリスバーガーの森口美樹さんファンは、入って右側の客席がオススメ。彼女の至極の表情を浴びることができます・・・コレ感動ものです。誤解を恐れずに言えば、菩薩のような笑顔や凍るような冷たい表情よりも、こんな顔の森口さんを最も見たかったのかもしれない(笑)

登場人物同士のダメ出しもさることながら、坂上さんによる役者陣へのダメ出しも連発されてるんじゃないかと思わせる脚本になっていて。

観る人によっちゃ「単なる容姿に対する悪口じゃん」なんだけど・・・この「晒し」「晒され」が、この芝居のキモのような気がしたなあ。なんか、役者の矜持をズシリと感じたもの。

この『ダメ出し』。役者への愛、演劇への愛があふれてます。

業界裏話として観るもよし、ダメ出し連発の小気味良さを堪能するもよし、カタルシスを味わうもよし、とにかく笑いに行くもよし、登場人物の生き様にうなづきながらそっと無くもよし・・・。

観る人によって、いろんな表情を見せる・・・そんな芝居。

ネタバレBOX

内容は「説明」にある通り。

ちょいと付け足すと、「名だたる俳優」ではなく「再現VTRにでてくる俳優(金剛地武志さん)・女優(今藤洋子さん)&芝居に興味を持つミュージシャン(櫻井貴之さん)」。
ガングロの女の子(みぽちサン)は、読モで主役。しかし、芝居経験皆無。
そんな「役者陣」に、チョイ辛&チョイ冷めのAD(森口美樹さん)とサラリーマン的仕事に徹する、ミュージシャンのマネージャー(加藤凛太郎さん)が絡んで・・・って感じかな。

冒頭の自己紹介のシーンからクスクス笑える。この時点で、心の中では前のめり状態。

そこから、いろんなとこに飛び散りまくるダメ出しの熱量が高高高&キレキレ&ダメ出しのダメ出しの連発!

言ってることは、わりあい濃厚なんだけど・・・軽さも帯びてて、心地良い。

ガングロ読モ(みぽちサン)の存在感・・・濃いのか薄いのかよくわかんないんだけど、かなり気になるんだよなあ。登場するまでに、タメにタメるから、そのあたりも巧いな、と。

みぽちサンは、モノホンの読モ。本物だけが持つ、オーラがある。ラスト5分の彼女・・・イイです。かなりイイです。

金剛地武志さん。完璧です。45歳の売れない役者の熱さ、悩みあふれる姿がたまらない。「正しいこと」が哀しいくらいに身に染みついちまって、読モにダメ出ししまくる姿が・・・笑いながらもグッと来て、そしてチョット鬱陶しい(笑)

今藤洋子さん。抜群です。売れない女優の内に秘めた必死さが、哀しいんだけど笑えて・・・そして愛おしくなる。『ダメ出し』では、一番おもしろい存在。ギャクを言ってるわけじゃないのに、発する言葉&表情が、ほぼ外れなくクスクス笑いを引き起こす。冒頭の尻割れ目カキカキ・・・もう笑うしかないシーンなんだけど、芝居が進むにつれ、泣けてきます。尻を掻いてた松坂聖子(今藤洋子さんの役名)に泣くんじゃなくて、今藤洋子という役者の心意気に思いをはせることで、泣けてくるんだよな。役者ってイイなあ、、、ホント。

櫻井貴之さん。出オチかと思わせる登場だったけど・・・芝居が進むにつれ、目が離せない存在になってくる(ま、目を離しても、問題はないんだけどさ 笑)。
混雑してる電車の隣にいたら警戒しちゃうような目力をもつ櫻井さん。そんな彼に、生マジメな役を振るんだから・・・坂上さん、凄いっす。



終幕までの5分間くらいだったかな・・・みぽちサンの腰が砕けるような、笑うしかないようなシーンからラストまでが、すばらしい出来です。

ものすごく心地良い余韻、カタルシスを味わったなあ。

よくある風景なのに・・・不思議だね。


ホント、良い芝居でした。


常夏の星

常夏の星

とくお組

駅前劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★

満足満足。
おもしろかった!

とくお組の舞台には概ね言えることなんだけど、セットの完成度が凄く高いんだよなあ。

『常夏の星』では、潜水艦に車が突っ込んでるセット。モノホンの車を使用しているところも唸りどころだけど、なんと言っても細かなところの凝り方が半端じゃないところがね、最高。配管の具合・・・イイねー!(←しかもストーリー上、そこまで凝る必要が無いというのもイイ!笑) 

最も唸ったのは、地下都市に通ずる管の内部。なんか内臓のようなもので飾られてるんだけど・・・これ、本当に凝る必要のないところなんだよね。てか、ステージに向かって左側の端の方の観客からは見切れてるんじゃないか?笑

なんか学ランの裏地に虎や龍を仕込む中高生みたいだよ(今時そんな奴いねーか!)。 セットを構想する時、組み立てる時・・・さぞかし楽しいんだろうなあ(笑)

脚本もいい具合に凝ってる。2つのストーリーから成ってるんだけど、その片方は劇中劇のような雰囲気を漂わせてるんだよね。でも実際は、同時系列の話で・・・。ま、この2つをくっつかせる為に、ものすごい力技でねじ伏せるんだけどさ(笑)

役者もイイ!配役もイイ!ほぼ完璧だと思います。

とくお組のコメディって(特に、エチュードに言えるんだけど)、頭の良さがにじみ出ちゃって鼻に付くところがあるにはあった(しかも瞬発力では、バカという名の天才に負けちゃうんだ)。松本人志の雰囲気をマネていた、かつての千原ジュニアのように。でも、今回は良い塩梅だったなあ。「センスを潜ませたい感」が表立ってなかったのが、凄くヨカッタ。

大満足の舞台。

レイラの手紙

レイラの手紙

メガバックスコレクション

ART THEATER かもめ座(東京都)

2012/08/19 (日) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

好きじゃないのに、
橋下徹大阪市長の顔が浮かんできちゃった。こんな、すてきな舞台を観ていたのにさ。。。

いつも良質な・・・「芝居を観たなあ!」という充足感がドドーっとくる舞台を披露してくれるメガバックスコレクション。今回の『レイラの手紙』も期待に違わぬ舞台。大満足!!!

主役レイラ役の吉原怜奈さん。シーンが進むにつれグイグイ良くなっていく。

「目芸」ともいうべき目ヂカラも相当なものだけど(小学生時代の里見香奈女流四段のような目だった。ボクが小学生の女の子に負けたのは、彼女が初めてだったんだよなあ・・・。)、小学生だからこそ出せるオーラを放ちまくってた。なんか凄い存在感だった。

ラストのレイラの決断のシーン。8ヶ月ぶりに芝居で涙があふれてしまった。いつもなら、目に涙がたまるくらいで済むのに・・・ホント、参りました!

『レイラの手紙』は色んなテーマで語ることができるんだろうなあ(一人で観に行ったから、語れなかったけどさ)。

「家族じゃなければできないことってあるの?」「教育とは?」「生きていくということ」「愛」「人間らしい生き方ってなに?」etc. 

それらの問いに対して、いろんな解答が出てくるような伏線がいっぱい貼られていて・・・ボクも、多種多様な解答、いっぱい出てきたもの(単に、咀嚼しきれてないだけのような気もするけどさ 笑)。

ま、そんなに堅苦しい芝居じゃなくて、この『レイラの手紙』は絵本のような面も持ち合わせておりまして・・・素直にその世界に浸るもよし。深読みするもよし。若い役者の青田買いをするもよし(笑)。

本当に、すてきな舞台でした。

ありがとうございました。

ネタバレBOX

舞台となっているのは近未来。

核戦争を経て人口が大きく減った為、確実かつ効率的な復興・発展が急務とされている。そこで、子供を親元から離し、国家による育成・教育プログラムに組み入れるというスキームが確立された。違反すると(子供を自分の手で育てると)、厳しい罰が待っている。国家による密告も推奨されている状況・・・不公平なく政策を実行するための密告。なんか北欧みたい。

そんなプログラムの中で、IQがずば抜けて高い子供が受けるプログラムに組み入れられたのがレイラ(妹のライナスは手先は器用だが、平凡)。彼女は、優秀な機械を生産しているかのようなプログラムに対して、絶望に似た感情を抱き、施設を脱走する。

知能が高く、それゆえ警戒心も強いレイラが、ラストで「人間らしい生き方をしたい!」という秘める思いを皆に告白し、いわゆる「子供らしい」心を取り戻すんだけど・・・このラストは、けっして「エリート教育」「管理教育」の否定に、そのまま繋がらないストーリー展開になってるんだよなあ。いや、「繋がってる」のかもしれないけど(笑)

レイラは「こういう子が、国を引っ張っていくんだろうなあ」「こういう子に、将来を任せたいな」と感じちゃうような女の子なんだよね。
この芝居で言うなら、世話になった家族の娘(レイラと同い年)の家庭教師役を既に仰せつかってるし、「故障したバスを修理するのに、レイラの知識や知能は役に立つんだろうな(で、工具を持つのはライナスなんだろうな)」って思うし(笑)

レイラの「優秀さ」が、生まれ持っての気質によるものなのか、エリート教育のたまものなのかはわからない。でも・・・親元から離して、寮生活をして英才教育を施すってのは、よくある話で。灘やラ・サールなどの進学校もそう、甲子園で活躍する地方高校もそう。ゴルフ。囲碁、将棋。役者の世界は・・・どうなんだろう?笑

ただ、幼少の頃からの英才教育が、大人になってからの生活を潤すことに繋がるってのは、よくある話。橋下徹大阪市長の教育論には違和感を覚えるけど・・・「じゃ、どうするの?」となると難しい話で。

「親が思う子の幸せ」「子が思う自分の幸せ」。

それぞれなんだろうね。そして「幸せな生活」って、その時その時で変わっていくんだろう。

「自由」ってのは難しいね。


シュガー×ペッパー

シュガー×ペッパー

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

ほっこり。ちょっぴりセツナク。
小・中・高校生の頃よくあった、そして今でもたまにある「蝉しぐれを聞いてたら感傷的になって、ちょっとチクチクってなっちゃうような」・・・そんな夏がいっぱいの芝居でした。

子供なりのヒエラルキーが、卒業とともに塵と消えて社会に放たれる・・・同級生たちの卒業してから数年後の夏。

シリアスな悩みは、コミカルに。ドロドロなドラマになりそうなところは、あっさり解決(?)。そのあたりは、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』のよう。安心して観ていられたな(笑)

月野原りんさんがイイ。

久しぶりなんだけど・・・さらにすてきな「イイ女」になったなあ。

エンディング近くの歌も月野原さんによるものだと思うんだけど・・・見た目と声とのギャップが、ナンカイイ(笑)

笑いのシーンもなかなか。言葉で笑わせるって感じじゃないんだけど。
でも、軽めのジャブがピチパチヒットするような小気味良さがあったなあ。

場転の時は、過去の夏をテーマにした名曲をカラオケで。やっぱ夏歌はイイ!

個人的には『栄冠は君に輝く』『君よ、八月に熱くなれ』も入れてほしかった!笑

観劇後は、中野までの道すがら『真夏の果実』『LOVE AFFAIR ~秘密のデート~』を。

すてきな舞台でした。

ネタバレBOX

エンディング近くの行進のシーンは、とっても良かったなあ。

行進の一番後ろに嬉しそうに付いていく女の子・・・そして一人立ち止まり、またもと来た場所に戻っていく。。。

ただ生きるんじゃなくて、良く生きなきゃ・・・ね。

やっぱハグハグ共和国の舞台は、ホッコリセツナクなるなあ。。。
レジスタンス

レジスタンス

サウザンドワークス

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

弱冷房車のような。
悪くない。ちょっとおもしろかった。声を出して&手を思わず叩いちゃうような笑いじゃないけど、口の端をクイっと上げる感じの笑いを結構してたなあ。

でも、ちょっとヌルい。

三ツ矢サイダー オールゼロの1.5リットルボトルを開けて、飲んで、翌日開けて、飲んで、またその翌日開けて、飲んで、その夜の風呂上りに飲むサイダーくらい炭酸のキックが弱まっちゃってるんだよなあ。

プロットも若干ヌルめなんだけど、この程度のヌルさなら勢いと熱さで何とかなると思うんだよね。熱量はあるにはあるんだけど、思い切りが悪いかな。学生ユニットだから言うんじゃなくて、老若男女、ここ一番の勝負は、思いきらないとさ。

「愛とか不満とか言い訳とかいろいろ叫ぶ物語である」とのことなんだけど・・・愛は叫んでたけど、不満も叫んでたっちゃあ叫んでた気もするけど・・・やっぱ、言い訳を聞きたいよなあ。言い訳叫ぶって、おもしろいじゃん!ガンガン言い訳カマして欲しかったよね。

でも、このヌルさも「東工大・一橋大・東京外大・東京医科歯科大を母体とするユニット」の看板を前にすると、「なにか思惑めいた狙いがあるのか?」と思っちゃう自分・・・ま、悪くないんじゃない?笑

当日パンフレットが、とても良かった。一番気になったのは、舞監の翡翠さんだけど(笑)

それにしても、小林未奈さんはかわいい!

・・・以上です。

ネタバレBOX

全日本すっぽんぽん教。

教祖様と信者たちのキャラはとってもいい。でも、衣装がなぁ・・・。

教祖様&男性信者は、ふんどしスタイルなんだけど、ふんどしの下に肌色のパンツはいてるんだよね・・・このパンツが、ギャグをかなりヌルくしちゃってる。 体臭ネタも、教祖様がパンツはいちゃってるもんだから、清潔感すら感じちゃってさ、「臭っさー」って感じが弱いんだよね。キャラが抜群なだけに、もったいないよ。

女性信者は、私服の上に教祖様の汗が染み込んだ弥生人みたいな白布を重ねるスタイルなんだけど・・・やっぱ私服が見えちゃうとおもしろくない。あの汗臭い白布を、直に肌に触れさせることで、気持ち悪さと笑いが生まれるような気がするなあ。

早稲田の芝居を観すぎたから、こんな風に感じちゃうのかな・・・ま、犬と串だけなんだけどさ(笑)

ラストも、何というか・・・大人しい。お上品。

いっそのこと、隕石ガツーんと突っ込んできた方が、色々と広がると思うけど。

とまあ、ド素人が長々と書いちゃったけど・・・それだけ、この『レジスタンス』という芝居が発する雰囲気を満喫していた、ということで。

次回作、楽しみです。

で、翡翠さんはどんな演技をするの?笑



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