ぱるぷんての観てきた!クチコミ一覧

1-1件 / 1件中
おいしいディストピアの作り方

おいしいディストピアの作り方

MEMELT

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2026/07/10 (金)

価格4,000円

話の骨組みや着地点はとてもいいと思った。
AIというテーマを物語に組み込むのもとても良かったと思う。
ただ演出と演技のバランスが悪く、正直なとことかなり後半にならないと話に乗り切れない。
その上やりたいことを優先しすぎて観客側の集中力を欠く瞬間が多かった。
話の内容としても役者陣としてももっとできるはずだろうに、ここで終わっているのがとても歯がゆく見ていてフラストレーションがたまった。
星2は少なすぎるのかもしれない。だが、秀逸な宣伝美術とSNS等での積極的な宣伝による上がった期待値を下回る結果になり個人的な感情も含めて今回はこのような評価にしたい。

ネタバレBOX

言いたいことが2点ある。

1つ目が「いくつかの演出が観客側の集中力を欠くものになっていた」という点だ。
この芝居は観客席側中央に通路があり、後ろからその通路を通って役者が出てくるシーンがいくつかある。
この使い方は別に嫌ではない。こちらの空間の一部を役者側が使うことで没入感も出るし面白い。ただ、ステージ側から客席後ろに移動する際に頻繁にキャストが右上の通路を歩いている姿がチラチラと見える。おそらくあの劇場だとあそこからしか後ろに行けないのだろう。
座った席の関係もあるだろう。しかし、複数回チラチラ動く人影が見えるのは単純にとても気が散る。序盤で慣れたとしても、他のお客様がたまに人影に気を取られて通路側に対して振り向くことがある。そういうことがあると本当に頻繁にそちらに気持ちがむいてしまい劇の内容に集中することができない。こういうことが複数ありとても疲れた。
また、将棋盤を出すときになぜ釣ったのがわからない。
釣った将棋盤を下ろしていってキャストが受け取るというものだったが、あれはいるのだろうか?
将棋盤を下ろすためのスタッフが早い段階で上の通路に待機しており、それももちろんこちら側から見える。
かなり目立つしそのうえでその後ろをキャストも通るのでとにかく視界の片隅が騒がしい。その上将棋盤を下ろしたらそのスタッフは引っ込んでいく。あの演出は特に効果的だとも感じず集中力を欠くものでしかなかったと感じる。
個人的には、このようなあまり効果的に感じない上に気がそれるような演出を好意的に受け止めることができなかった。

2つ目が「シーンごとの演出と役者側全体の芝居のテンションが見合っていないのではないか」という点だ。
わかりやすくいうなら「声がでてほしいシーンで全然声量がでていない」「スピード感があってほしいシーンにスピード感がない」ということだ。
これに関してはもちろん個人的な趣味もあるだろう。
ただ。「音楽や映像・照明などから感じる演出はこういうテンションのシーンを作りたいのではないかという空気感と、実際に演技によって作られているシーンのテンションにギャップがありすぎるのではないか?
インパクトがあってほしいシーンの大半にそこまでインパクトがなく、全体的なメリハリが足りないように感じた。音楽と映像と照明でここまで煽っているのに、演出的な面でここまで煽っているのに、実際に出てくる演技のテンションが圧倒的にそこよりも低いと肩透かしをくらった気分になる。
これは演技の問題ではなく演技と演出のバランス面が悪いということだと感じた。
稽古期間などそういう事情はあるのかもしれないが、必要な部分のすりあわせが行われていない印象がある。
必要なものが少なく必要ではないものが多く、ブラッシュアップの余地がかなりあったのではないだろうか?

改名後の最初の公演ということもあって関係者全員が熱量をもっていたのはもちろん感じる。
ただ、見せ方のバランスなど雑な部分が多く、設定とかだって面白くなるだろう設定を使っているのにそんなに面白くなっていない。
そういう「もっといけるはずなのに、ここで終わっているのがもったいない」という感情がひたすら湧いてくる公演だった。

この評価を見て嫌な気持ちになる人もいるかもしれないが、提示されたものに対して嘘をついて耳障りのいいことばかりをいうのは不誠実だと感じる。そのためこちらでは正直にかかせていただきます。

このページのQRコードです。

拡大