あきゅの観てきた!クチコミ一覧

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埋もれて、白い

埋もれて、白い

三角フラスコ

仙台市宮城野区文化センター・パトナシアター(宮城県)

2015/01/23 (金) ~ 2015/01/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

全体的にレベルが高い作品。戯曲の力がすごい!
劇作家、生田恵さんの新作書き下ろし、ということで非常に期待してみに行きました。震災後の海辺の町が舞台だろうと思います。生田さんの震災後の作品として、「はなして」「あと少し待って」からの・・・という文脈も気にしつつ拝見しました。
会場に入ると、中央に四角い舞台、手前と奥に客席がある二面舞台になっていました。この小屋でこの使い方をしている作品は私は初めてでした。舞台と客席が適度に近く、後ろの客席は高さを上げてあったので非常にどの席からも見やすい環境でした。
私は奥の席を選びました。四角い舞台の中央には、人一人がすっぽり収まるくらいの丸い穴が空いていて、なんだか前にも似たような舞台があったなぁと思ったらそれは「みかん」でした。それよりもアクティングエリアは広くとってあります。

オープニングは、前作「あと少し待って」のイメージを引き継いでいたように感じます。もしかしたら登場人物たちも、前作との関連が強かったのかもしれませんが、手元に資料もなく、記憶もおぼろげで定かではありません。暗く、静謐な空間に風が遠くで渦巻いているような音、東北の闇の深さ、そして冬の厳しさと美しさを感じました。

演出家の手腕なのか、出演者の集中力なのか、多分両方なのだと思いますが、私には非常にテンポが良く感じられ、よく精度を高めてあるだけでなく、その場の空気によって微調整をするような余裕を感じられる、優れた仕上がりだったと思います。スタッフワークとの呼吸も見事でした。本当にグッと作品の世界に引き込まれました。

終演後のアンケートにも書きましたが、今のタイミングで、彼らだからこそ出来上がった作品に仕上がっていると思います。ぜひ多くの方々に見て頂きたい、仙台、東北から発信する優れた作品だと思います。

ネタバレBOX

冬の厳しい世界、暗い。降り積む雪はあらゆるものを白く覆い、穴を見えなくする。登場人物たちのそれぞれの悩み、葛藤はとても深く、お互いを引っ張り合う中で、瀧原さんが演じる役は中立的で、ある安定をもたらす、というのは、「はなして」のときと大同小異に感じた。劇構造の点でこれまでと共通する部分が感じられた分、その後の展開が大きくこれまでとは違うな、と感心した。
冬から春へ、雪解けと新たな命の息吹が感じられる結末へと向かうのだけれど、ここの描き方がとても力強く、地に足が付いていて、これまでの作品のなかで最も未来への希望を抱かせる作品だったと感じる。
ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★

咀嚼に時間がかかります。
原作を読まずに観劇しました。前回の「星屑とボタン」のようなオリジナル台本の作品と違い、原作があるためか、いつもの「三角フラスコ」とは一味違った肌触りの作品だと感じました。原作の時代背景から紡ぎだされたであろう言葉と、現代の感覚から紡ぎだされた言葉の間のギャップのためか、いつも以上にセリフとセリフの間に隠れた事柄を想像するのに時間がかかりました。
観劇後まず思ったのは、三角フラスコの作品はどんどん咀嚼するのに時間がかかるなぁということでした。

照明はぜいたくにささやかだなぁと思いました。公演期間中、2度の地震が起こったので、シビアな当たりを修正するのは神経質な作業だったと思います。
舞台美術と融合したきれいな明かりでした。

気合いの入った良い作品でした。ただ、やはりこの作品はナンバリングタイトルではなく、三角フラスコのアナザーサイドストーリーであって欲しいとも思いました。

ネタバレBOX

オープニング、咲子の右腕がゆっくりと持ち上がり、掌を開いて始まる。たっぷりと時間をかけ、空間の重さを感じる動きが秀逸でした。第一声の空間を切り開くような圧力も見事でした。

星屑とボタン

星屑とボタン

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2009/10/20 (火) ~ 2009/10/22 (木)公演終了

満足度★★★★

金字塔的な作品
今年のマイベストです。

初期の代表作が「ミカン」だとしたら、これはフラスコの金字塔的(あるいは現段階での代表作)な作品だと思います。もちろん個人的な位置づけですが。

初演から引き続きの役者たちのレベルアップもさることながら、若くもしっかりとしたスキルとセンスを持ったスタッフの支え、強力な客演、何より、作品が深く練り上げられていました。感動しました。

ウイングフィールドは舞台空間の広さがエル・パークよりも小さいため、仙台公演とは違った雰囲気になると思いますが、より繊細な役者の仕草や息遣いを感じられると思います。

手放しで賞賛するとためにならないと思うので敢えて注文をつけるとすれば、字幕表示の処理にもう少し工夫の余地があった気がすることと、前説のアナウンスの機械音が個人的に少し耳障りだったことかな。

ネタバレBOX

七海さんの夫としての、男としての内面の処理が見事でした。


二幕目の夫を藤原さんにするのなら、妻ももっと設定と実年齢が近いほうが良かったのではないか。役者同士の年齢のギャップに少々違和感を感じました。

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