僕はキヨシ。名前だけはある。
演劇ユニットちょもらんま
北池袋 新生館シアター(東京都)
2019/09/26 (木) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
ギャグチックなフライヤーに比べて、中身はかなりしっかりした作品!なによりキヨシくんがイイ!オヤジがイイ!。事なかれ主義の役所職員、何事も決まり通りの裁判所職員、観ていてジリジリするくらいムカつく!“戸籍を作る”言葉は簡単だけど、実行は難しい。うんざりして後ろ向きになりそうなキヨシくんの気持ちもわからないでもない。最後の母の愛情がしっかり見えた時はホッとしました。(つっこみどころがないわけではないけれど)観て良かったと思える作品でした。
カチナシ!
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
再演である。だが、寝不足に疲れがたまっていたにもかかわらず、がっつり引き込まれて観ていた。いろいろ初演とは変化があったが、一番の変化は“婆さんず”(勝手に名付けました。センスなくてすいません)。あそこまでしっかりしたダンスシーンが観れるとは!数年前のラビット番長には考えられなかった!またそれだけでなく”お茶目度”がガンと上がった!なんとも賑々しく愉快なお婆たちが良かった(それだけじゃないけどね)。この劇団は付き合っていけば付き合った分だけ、お得意ネタの楽しみ方の味が上がる。ずっとずっと観劇のホームとして、付き合っていきたい劇団である。
わたしは…
ソラミミ
北池袋 新生館シアター(東京都)
2019/09/13 (金) ~ 2019/09/16 (月)公演終了
満足度★★★
歌が物語るような舞台だった。テーマとしては目新しさはないが、宇佐美さんの演技力が光った。娘役も少女らしさが感じられて好感が持てる。ただ父親役は、頑張ってはいたが年齢的に難しいのではないかと、親を亡くして兄が妹の面倒をみている、その程度ならなんとか演じる方も出来たのではないかと思うが・・・。なんにしろ、自分たちが今できるものを背伸びをせずに作っていくことが必要ではないかと思うのだが。
トリスケリオンの靴音
エヌオーフォー No.4
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了
満足度★★★
初演に比べて、出演者の印象が薄い気がする。セットがほぼ同じだけに、嫌でも比べてしまう。この作品としてみると味のある話なのだが、もっともっと遊んで頂きたかった。
人生のおまけ~Collateral Beauty~
演劇企画イロトリドリノハナ
シアターKASSAI(東京都)
2019/09/05 (木) ~ 2019/09/09 (月)公演終了
満足度★★★★
森下さんらしい作品だなと、人の想いを大事にする作品だなと感じた。
まず劇場入って最初に目についたのがセット(同然ですが)、なぜか上手の客席寄りの方だけが床の仕様が違う?首をかしげて?始まってから驚かされた!部屋の上手壁が喫茶店のカウンターに変わっている!うーーん実に上手く考えられている!ただ家の造りがなんだか不自然に感じられた。人が普通に暮らしている家として感じられない。そう思うのは私だけかもしれないが・・・
さてストーリー、森下さんの脚本の良さが感じられる。以前観た作品の中にもあったが、高齢者が高齢者だからと周りからの保護位置に小さくなるのではなく、高齢者ゆえの経験や知識が活かされる。これがとても素敵なところだと思う。出来れば父親の定年からの過程や別れた妻とのいきさつなども少し丁寧に描くともっと心情が理解できるのでは?
キャストについて、その役だけで観ると皆さん達者だし何の問題もないように思えるが
あの綺麗なお母さんに二人の娘はちと違うような気がする。姉妹だけでみてもどうにも繋がらいない。芝居がどうのという事ではなくあくまで見た目とか同じ空気感の問題なのだが・・・(前作が見事に家族と感じる配役とその空気がそこに感じられたので)
また、はるみさんと幼馴染、この二人が結婚するというラストは思いもしなかった
その気配がまったく見えなかったのは私だけなのかなぁ?団体で父親に近づいた女の子。これはちょっと行きすぎな気がするここまで押しが強い子無作法な娘を“良い子”と言う感覚が校長をしていた父親にあるとは思えない。もう少し抑えても良かったんでは?
私が拝見した時はあまりうまく廻っていなかったようで
台詞のトチリやらドンと抜けてしまうというアクシデントが目が付いてしまった
これはとても残念だった。
我が事であるが、人生のおまけのチラチラし始めた我が旦那、彼のその時を想像してただただ不安にもなったりした妻である。
サイバーリベリオン
ジョーカーハウス
シアターKASSAI(東京都)
2019/08/31 (土) ~ 2019/09/02 (月)公演終了
満足度★★★
大変面白いシナリオであったが、演出・演技共に練り込みが足りない気がしてならない。場の転換など観客の想像力任せでは?もう少しじっくりと作品に向き合う時間をかけて欲しかったと思う。それでもロードランナーの七味まゆ味さん、絶品でした!
夏休みの友たち
ハグハグ共和国
萬劇場(東京都)
2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
開演前の観客への丁寧な気配り、さすがハグハグさんでした。
劇場に入ってセットを見た瞬間にとても強い違和感を感じた。山小屋や見晴らし台の後ろの黒い背景。今までハグハグさんの作品を観ていて、こんなことは初めてだった。
自然自然というセリフがやたらと出てくる。それなのに緑がない。これは忘れた記憶の拒否なのか?幼い心に恐ろしすぎる、悲しすぎる出来事。自然への恐怖。それを背景の中にしっかりと表現しているのは流石だ。また演技も生粋万鈴さん、月野原りんの演技には相変わらず圧倒される。他の者にしても嫌味のない素直な演技に心地良さを感じた。登場人物が多すぎるという感想を持った方もいたようだが、キイキとした無邪気な子供のいる賑やかさを感じさせるなら、れくらいの方がイイ。小道具等で誰が誰だか、過去と現在がはっきりわかる細やかさ、技的にもしっかり繋がっていた。
あえて言うなら、照明が弱いなと感じた部分がいくつか。これはあえてぼけた印象にしたのだろうか?おぼろな記憶の表れだろうか?
多少いろいろな部分で説明不足を感じる部分がなかったわけではないけれど、子供の頃の自分に会ってみたい気持ちにさせてくれる、そんな懐かしさを感じさせる作品でありました。
「Tip」
円盤ライダー
山野美容学院マイタワー27(東京都)
2019/08/23 (金) ~ 2019/08/30 (金)公演終了
満足度★★★★
男同士って、こんな感じなのかと、そのおバカ感と優しさにたっぷり浸ってきました。すぐ目の前というか、舞台と客席の仕切りのないスペースでの演技には圧倒されます。(近過ぎるとついつい目のやり場に困りもしますが)また、客演の石坂さんの今までとは違う演技にも驚かされました。
生前葬(so)ng♪
吉本興業
あうるすぽっと(東京都)
2019/08/21 (水) ~ 2019/08/25 (日)公演終了
満足度★★★★
突っ込みに“間の悪さ”の上手さ、絶えず笑いが客席から起こる。生前葬に絡んだ人間模様のドタバタ。わかり易くて楽しい舞台だったが、“笑かそ”が少ししつこい気がした。やっぱり肝心のところは肝心のところの締めというか、全体にもう少しメリハリが欲しい。
DNA
劇団青年座
シアタートラム(東京都)
2019/08/16 (金) ~ 2019/08/25 (日)公演終了
満足度★★★★
見せるセットに、しっかりした演技。さすが青年座さんと唸ったが、事を起こさずに終わらせてしまったあたり、ちと残念過ぎる。確かに継続というそれも一つの結末かもしれないが、やはりはっきりした出来事や意思と行動を貫く姿も観たかったと思う。とはいえ、最後まで“どうなる?”と引きずられたのは間違いない。
第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』
DULL-COLORED POP
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了
満足度★★★★
かなり昔の話だが、柏崎の原発の見学に行ったことがある。一番感じたことはこの町は原発で成り立っているという事。そして、それを失うことは町が停止しかねないという事。危険なのは十分わかっていても、その必要性はあまりにも大きく・・・このストーリーの中で語られた部分に改めて、どうにも出来ない現実を感じた。可能性より切実な現実。言葉をすり替えて生きることになってしまった町長。その苦しみの大きさとやがて来る悲劇。福島出身者としてはあまりにも痛みを感じる内容でした。出演者の演技も素晴らしかった。しかし、残念乍ら、この舞台の上に土の匂いは感じられなかった。聞き慣れた方言がいくつか出てきたが、なじんでいないことに違和感を感じてしまった。
二度目の夏
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2019/07/20 (土) ~ 2019/08/12 (月)公演終了
満足度★★★
こんな結末・・・どこかはぐらかされたような、勝手に自然消滅してしまったような、どろどろしたものがオリのように湖の底に渦巻いたままの様な、なんとも不思議な終わりに戸惑った。自分の考えに支配され、なくてよかったはずのものに囚われた人々。その会話が一つ一つ突っかかってくる。片桐はいりさんらの味付けが重いだけの作品にはしなかったが、歪み始まった想いは元に戻らないものだという事は痛く感じた。人の弱さを感じさせる作品でもありました。
古~inishie~
エヌオーフォー No.4
シアターサンモール(東京都)
2019/07/24 (水) ~ 2019/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
共通の体験と目的、そんな仲間の繋がりと、表と裏の複雑な人間関係と思惑、まぁ有りそうな話ではあるのだが、出演者たちのチームワークがとてもいいので、思った以上に楽しめたように思える。
怪談 牡丹燈籠
アーティストジャパン
三越劇場(東京都)
2019/07/19 (金) ~ 2019/07/24 (水)公演終了
満足度★★
出演者眺めて、これは!と思い、観に行ったのだが、残念ながらその出演者のこれはという美味しい部分はあまり感じられなかった。なんというか演出さんのお仕事の冴えが感じられない。ただストーリーに沿って、話が流れて行ったような・・・このメンバーで・・・と思うと残念だった。
Pickaroon!【クチコミ待ってます!次回東京公演は10月!】
壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/07/26 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
この劇団を初めて観たのが約四年前。
そして三年前の感想
「無機質で淡々と感情よりも構成力が強い。場面場面の動きが良い分、観ている側の気持ちを引っ張る芝居が足りない。それが惜しい!前半は単調。しかしラスト、最終列車からのラッシュは見事だった!迫力があり、構成も見事!あれだけのものをこなす力があるのであれば、もう少し演技にも観客を引っ張る彩が欲しい。」
今回この足りなかった部分が見事に満たされたように思えた。
話の流れが見えてきても、どんどん引き込まれていく。これでもかという大量の殺陣のシーンも飽きさせない!
小劇団としてはハイレベルな衣装がキャラの個性を良く表していた、
音使いも選曲も場面を引き立てていた。
観劇仲間の中には「あの劇団はパス」という方たちもいる。そういう方たちにこの作品はぜひ観て欲しい!
演劇というよりパフォーマンス的に受け止めているらしい方たちにがっちり芝居のこの舞台を観て欲しい!
(個人的には動きの構成の見事な、十八番的な公演もそれはそれで好きなのだが・・・・。)
誰もが楽しめる舞台!
ぜひぜひ観て欲しい!
群盗=滅罪
クリム=カルム
シアター711(東京都)
2019/07/24 (水) ~ 2019/07/28 (日)公演終了
満足度★★
二月に宝塚が上演していたとか・・・どんな出来上がりだったか、気になる所。
今作は設定が一部男女変わっていたようで、それがニュアンスの違うものになっていたかもしれない。みなみさんがおっしゃる通り「パパ」はあまりに若過ぎてどうにもしっくりこないし、勢いのあるお姉さん方(実はなかなかできる方たちではないかと思う)が本来の作品とニュアンスとは違う物を匂わせてしまっていたし、今時ではない情緒的な説明台詞、しかも熱が入っているにもかかわらず、リズムを踏んで単調になってしまっている。いくら大声でも同じリズムでは話が盛り上がらない。話の流れに緩急が感じられない。ベースを完全に現代にするなり、セリフをもっと砕いて作るなり、もう少し手を入れてベースを作るべきではなかったかと思うのだが・・・。
出演者の実力が良い意味で活かされなかったように思えた舞台だった。
舞台「大悲」
BS-TBS/オデッセー
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2019/07/19 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了
満足度★★★
大量殺人の犯人に玉城君、捉えどころのない捕まえられないその感覚、こういう役にはぴったりなキャスティングと思ったのだが・・・。
個人の感覚で申し訳ないが、彼の綺麗に切り揃えられている髪を観た時に“違う”と感じてしまった。佐久間がいかに周りに不快な行動を起こしていたか、その話が全然つながらない。見た目で感じてしまうのは彼の演技力に対して、大変申し訳ないのだが、どうにも可愛らしく見えてしまって、佐久間の人間像が語られるたびに違和感が感じられてしまった。ストーリーも特にこの話だからこそ!というものが感じられず・・・最後まで気持ちが引っ張られずに終わってしまった。
ブアメード
Pave the Way
ブディストホール(東京都)
2019/07/04 (木) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
元ネタにそそられて、観に行ったのだが、結局個人の被害妄想レベルで終わってしまったように感じた。それですら、これがと言うきっかけ、重なる要因があまり見えてこない。脚本に細かな心理描写が感じられなかった。タイトルの持つ雰囲気とはかなり違うものになってしまっていたのは、残念。
若手が頑張っているのが、感じられるだけにもったいない。
舞台「アンフェアな月」第2弾 ~刑事 雪平夏見シリーズ~ 殺してもいい命
刑事・雪平夏見シリーズ製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2019/06/21 (金) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
緊迫感のある雰囲気がステージ全体に広がっていた。中日を過ぎたせいか、出演者にイイ馴染み感と気迫が強く感じられた。主演の篠田さん、“出来る女”の身のこなしが見事だった。こんな風に成長しているとは思いもしなかった。
ただ残念ながら、後半どうもまとめに走ったというか、後半から登場するキャラが端的ではなく、もっと細かくかかわってくるともっと面白かったのかも?展開があっという間で、前半に比べ、慌ただしい終わりだったような気がする。もっとじっくり仕上げて欲しかったなと個人的には思う。
Rock Opera『R&J』
ネルケプランニング
日本青年館ホール(東京都)
2019/06/14 (金) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
歌良し、ダンス良し、芝居も熟年組の安定感と若手の熱気のある舞台だった。でも、なんというか話に深みが感じられない。人間関係も随分と簡略化されてしまっているような・・・。もう少し複雑味が欲しかった。