なかおみっちーの観てきた!クチコミ一覧

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好き

好き

劇団5454

赤坂RED/THEATER(東京都)

2017/04/21 (金) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/04/21 (金) 19:30

初日、観てきました!素晴らしい作品!
「好き」という言葉の持つ意味、感情、その言葉を発する意義をこれでもかと掘り下げる知的探求の2時間。本編には甘い恋愛ドラマ感は漂わず、むしろ大いに茶化して笑いにも変えていく。
「好き」は人それぞれに感じる意味が大きく違う。誰が誰に好きって言うのか、あるいは言いたくても言えずにいるのか、これは日常に潜む大きな事件だ。
誰にとっても特別で、誰にとっても身近な「好き」をじっくり観察し、大いに笑い、ラストシーンへとつながっていく。ああ、なんてラストシーンだろうか。なんと幸福な気持ちになる作品だろうか。
是非とも劇場で観劇することをお勧めします。

凡骨タウン

凡骨タウン

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/02/05 (金) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

八鴉、怖い。
夜行ホテルの続編となる作品。
前作の世界観を引き継ぎつつ、どんな結末が待っているのか?上演予定を知った半年ほど前から楽しみにしていた作品。いやはや、楽しかった。

ネタバレBOX

日暮里では名の知れた愚連隊『八鴉(ハチガラス)』。リーダーのケンは時の流れとともに自分の愚かさに気づき、カラスを抜けると言い出した、というストーリー。
前作観劇以来、日暮里の街を歩く度、八鴉にボコボコにされるのではないかときょろきょろしてしまうほど、カラスの強烈な存在感がこの作品の大骨格。
前作では名前だけだった人物が実際に登場したり、八鴉の結成?秘話やケンの抱えるトラウマを読み解くなど、非常に細かな掘り下げが光る作品。回想シーンと現在シーンを複雑に絡めた構成なのに観客にはしっかりストーリーが伝わってくる見事な展開でした。
ただ、前作を見ていない人にはどう映ったんだろうか?前作に強烈な印象を受け、よく覚えていた僕にとっては非常に楽しめる作品だったけど、単体で観たとすると八鴉の凶暴性やカラスの中での力関係などがちょっと説明不足だったかも。
オチは好みの問題ですが、シリーズとしてもう一本くらい観たかった僕としてはまだ先に希望か絶望があるようなオチもあったのかな、とか思います。完全に好みの問題ですが。。。
銀幕心中

銀幕心中

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2010/02/03 (水) ~ 2010/02/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

超高速しゃべり倒し!
いやはや、面白かったです。
超高速しゃべり倒しの2時間、じっくり魅せるとみせかけてやっぱりしゃべり倒し!な展開が爽快でした。一本の映画に携わる各自の思いやスタンスがしっかり描かれてて、葬式だというのになんとも罰当たりな連中の人情味も見え隠れする面白い芝居でした。笑った笑った。

アンチクロックワイズ・ワンダーランド

アンチクロックワイズ・ワンダーランド

阿佐ヶ谷スパイダース

本多劇場(東京都)

2010/01/21 (木) ~ 2010/02/14 (日)公演終了

満足度★★★

ちょっと疲れました。
うーん、ちょっと疲れました。
緻密な構成力、巧みな展開力、大胆な飛躍、どれもすごかったんですが、綿密な作品であるがゆえに、観客側にも綱渡りしながら針の穴に糸を通すような集中力が要求され、見終わった後に「疲れた」という第一声をつぶやいてしまいました。
阿佐ヶ谷スパイダース作品は映像を含め、2,3回観ていますが、以前の作品のほうが、シンプルで迫力のある芝居だったように思います。

みんないいひと。

みんないいひと。

ガラス玉遊戯

「劇」小劇場(東京都)

2010/01/13 (水) ~ 2010/01/18 (月)公演終了

満足度★★

本年、三本目の観劇。
全体的に重たい空気の芝居でした。
印刷所を営むとある一家の風景を描いた作品。登場人物一人ずつの心理描写を丁寧に描いていた感じがしましたが、落とし所の決め手にかけている印象です。

ネタバレBOX

同僚の子供を不倫の末に身ごもりながら内緒にしている長女に、何も知らない母は結婚の話や出産の話をするシーンが印象的だった。母としては、なにげない会話のつもりなのに、タイミングの悪さから娘にとっては残酷な言葉になってしまう。人は知らず知らずのうちに誰かを傷つけているのかも知れないと思い知らされた気がする。

ただ、気になったのは一家の両親の人物設定。どうも二人が幼く見えてしまった。3人の子供を育て上げ、二代目とはいえ30年にも渡って一つの事業を営んできた大黒柱の父の発する「それが、わからんのだ」の一言に、年相応の重さが感じられなかった。誰も彼もが人生の賢者ではないだろうが、それにしても線が細すぎたように思う。母も同じく、天然キャラでかわいらしいという狙いは分かるが、それでもどこか肝が据わっていないと、親子に見えない印象を受けた。
光る河

光る河

てがみ座

「劇」小劇場(東京都)

2010/01/06 (水) ~ 2010/01/11 (月)公演終了

満足度★★

テーマは分かるけど...
大胆な舞台美術、出演者の確かな技術と好演が光っていました。
ただ、脚本が描き出したいテーマと物語の進行がちぐはぐな感じがして、違和感を感じました。物語の進行を優先するあまりに、個々のキャラクター設定や心理描写が手薄に感じられ、結果として物語全体の存在意義が薄まってしまったように感じられます。
上演時間2時間強もやはり長いと感じました。

ネタバレBOX

【ストーリー】
ある台風の夜、妻が夫にひき逃げをしてしまった事実を伝える。妻はひき逃げを隠し通す道を選ぶ。マスコミ社員でもある夫は事件現場を独自に調査するという道を選ぶ。浮かび上がってくるのは、ホームレスの少女を行き当たりばったりに殺してしまった福祉局の男。

【感想】
まず、ミステリーとして読み解いた場合、二つの事件の犯行動機はあまりにも行き当たりばったりだ。犯人側の悪意に満ちた完全犯罪への隠匿行為は見受けられず、日本の誇る警察力であれば95%以上は検挙されるであろう犯罪ではないだろうか。
となれば、この作品の主軸は犯罪の真相解明ではなく、ひき逃げ犯の妻と、殺人犯の福祉局の男、それを取り巻く家族たちの心理描写に終始したヒューマンドラマではないだろうか。
しかし、物語の進行を優先したのか、登場人物個々人の行動動機や心境変化が強引で、結果的にキャラクターの存在感が立ち上がってこなかったように感じられた。役者陣の好演でそれぞれのシーンの進行そのものはうまくいっているように見えるが、実際のところ、作者が苦しい思いをして描き出したかったテーマの奥行きが見えてこない。
また、垣間見える事実から事件の真相が観客に伝わった後の謎解きシーンや断罪のシーンが長く感じた。手前の真相究明を短くするか、究明後のシーンを短くするかは作者のさじ加減によると思うが、なんにせよ全編2時間強は長かった。書き上げた脚本を削るのは苦しいだろうが物語のスケールとつりあいの取れた上演時間も大事な要素ではないだろうか。

描き出したいテーマやホームレスという切り口、キャストの好演、大胆な舞台美術など、素晴らしい点も多く感じられたので、今後に期待したい。
シャドーランズ

シャドーランズ

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2010/01/06 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

新年、観劇初め。素敵な滑り出し。
2010年、観劇初めに素敵なお芝居を観劇できました。
加藤健一事務所得意の感動的で心がほっこりする翻訳劇でした。

ネタバレBOX

1950年代の英国での実話がベースとのこと。
ファンタジー作者でもある大学教授とその友人たち、そして兄。ちょっと偏屈に写る英国紳士たちの下にやってきたのは、米国の少しミステリアスな女史・・・、といった導入。

主人公は学生への講義にて繰り返しこう語る。
「神は、ただの石ころである私たちを、悲しみによって人間にしてくれる。ノミの一打ち一打ちは痛いけれども」
しかし、物語が進むうち、主人公に訪れた悲しみによって、同じセリフの色合いが深く色濃く変化していく。

人を愛することの尊さと儚さが見事にかみ合った感動作でした。

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