どらおじさんぷんかんキッチングが投票した舞台芸術アワード!

2023年度 1-10位と総評
静流、白むまで行け

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静流、白むまで行け

かるがも団地

実演鑑賞

ひたすらに良い。善意を浴びる。善意に身を預ける。人の優しさ、風景の可能性を観た。あったかい。テーマ、物語も然ることながらいわゆる演出もまた素晴らしいのだと感じた。1時間40分ほどだから『長いとは言わんけど凄く短い訳でもない』尺の中をみっちりみちみち、無駄なく隙間なく、でも詰め込み過ぎに感じないバランス配置でとにかく満たされた時間を過ごせた。登場人物もモブが居なくて、細部に至るまで個性を濃淡程よく描けていて嬉しい。三輪さんが素敵なのです。三輪さんが。そこにわぉってなりました。
言葉にすれば平易ですが傑作と感じました。配信も買って何度も観てます。泣き笑い自分をも奮い立ちます。等身大演劇の大傑作。

キキ

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キキ

凜×天歩企画

実演鑑賞

素晴らしい!!!!!
今年一番強く熱く心から拍手
ああ!!落ち着きましょう
しおコショウ

まず踊ってる会話劇だ!
それもこれも!踊っている!
踊っている会話だし独白だし
全部が踊っていて素晴らしい

川合凜さんと細谷天歩さん
美しいです。そして可愛らしく
そこがまず分かりやすく強みで
そして何も演技云々知らんけど
断言します二人が抜群に
演ずる事がうめぇ
ものすげぇから
かわいいねじゃなくて
くっそ最高の雰囲気が味わえるの
くっそ最高の表情、雰囲気
二人を作る演ずる力があるから
美しく可愛らしい女性の二人芝居
という正直なところ現実
安易にも出来得る要素を
全く違う次元で
生来のモノを利用して
演ずる力を使えてるの

何を言っているのか
自分でもよくわかりません(!?)

若く美しい女性二人が
セーラー服を着てるんですわ
そして百合みのある雰囲気
それがね、それが安易じゃ無く
ゴリゴリに『舐めんなよ!』
ってモノを見せてくれるの

だからこう背水の陣みたいな
そんなガチな本気のマジがあった

あのねそのね
川合凜さんは改めて
より凄く素晴らしいなと感じ

で、あーなるほど
川合凜さんが惚れ込んだという
細谷天歩さん、大納得
己の表す能力の欠落が憎いほど
本当に良い雰囲気、目つき
仕草をまとっていて
本当に本当に素晴らしいです
企画の馴れ初めが本気で
しっかりと腑に落ちた

そして

マツモトタクロウさんの話がね
ええんじゃあ
マツモトさんの戯曲の公演は
初めて、しかしとある機会で
即興的に作ったものを観て
読んでさ、素晴らしく面白くて
それでもうだから
公演で初めて今回観てさ
あー!いいねぇ!!いい!!
あの機会に感じた要素がドバ!!

あのなんか、なんだろうね
さっき言った二人のすげぇさに
ジャストフィットなんですマジで
伝えたいこの想い

なんだろうこう
企画への当て書きみたいな
ビジュアルとそして役者ヂカラと
根性に対してそっちがそれなら!
これだー!!みたいな!!

田中さんのドーナツも
正直よーーわからんけど
よーわからんけど分からなくても
すげぇ気持ちいい
何で卑弥呼なのだろう
何で何ではなんだかわかんねぇ
けど気持ちいい。良い
分かる人は理屈込みで
良いんじゃないのかな
金環日蝕!
台本PDF買ったし
じっくり分析してみよう

はー あの、マジ最高
正直、人は選ぶと思うけど
俺にはぶっ刺さっさり過ぎた
今年屈指。2本詰めてるから
つまり3本のひとつ!(!?)

これで!!これでね!!
面会っちゅーのか!この興奮を
外部出力サイズには流石に整えて
でも最大限伝えられた事で
もう私は最高の幸福です
グレイト。オーサム
アンドマーベラス

冗談もお世辞も
クソみたいな配慮も無しに
マジで素晴らしかったです
今年最高かもしれない。かも

ペーパーバックスタジオもまた
なんだろう客観的に見たら
難点もあるとこなんだけど
なんだろなそれも踏まえて
ぶっ飛ばしてる素晴らしさが
より映えるっていうか

すっげー最高でした
サンキュー!!!!

燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】

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燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】

かまどキッチン

実演鑑賞

超大量・超高速消費、高速廃棄。ドンドンガラガラドンガラガラ。
激しい都市再開発。喪われて二度と戻らない風景。
駆け足過ぎる正しさ、便利の進歩。正しさについていけない生き難さ。

それでも四の五の言わずに這いつくばって生きるものたち。
転生したら○○でした。

と言うと重たそうだけど
実におもしろかった
凄くおもしろかった
楽しかった、笑った
身体能力に驚いた

こんなにも《気持ちが良い!》と感じた劇は初めてかも。
大好きです。

舞台美術、セット、劇場の造りの活かし方が凄く良かった。
かっこいい、言えばオシャレ。そこに散っていく紙紙紙紙
(333-3333 紙=し 444-4444🤔❓)

効果的に使われる電子機器。ふと思えばこの舞台上とて
と言うような事も思ったり。

藤家矢麻刀さんが好きで、彼をキッカケに今回訪れた感じですが
存じ上げなかった皆々様方もとてもとても魅力的で
中でもフランネルスタンドカラーシャツさん(⁉️)は
瞬間的な視覚の楽しさもモリモリで、身体と十分な能力がある動きは
こんなにも良いアクセントになるのかと感じたりもして。

それで、光がめっちゃ良かった。照明!めっちゃ良かった。
こういう照明大好きです。

あたらしい朝

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あたらしい朝

うさぎストライプ

実演鑑賞

ただただ素晴らしかったです
その日求めていた快適もそこにあり
その日の私には完璧な演劇時間でした

入り組んで混ざって遷移して
ここは?あなたは?いつ?なに?と
一見して難解になりそうなのに
包み込みような滑らかな流れ

健気でラブリーな夫婦が愛おしい
ラブリーなひとびとが流れてゆく

最初の歌唱シーンからなんか
泣きそうになっちゃったよ
なんだろこれ

多幸感に包まれて
余韻が心地良かったです

心が洗われた感じ
良い洗濯機でした

素晴らしい演劇をありがとう

リビング・ダイニング・キッチン

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リビング・ダイニング・キッチン

ウンゲツィーファ

実演鑑賞

【1回目】
【当日】
モノリスみというか、あの感じも再び感じた!子育て演劇、正に
ふたつ、いやウンゲとしてはひとつしか見たことないけど
ウンゲツィーファっぽさがしみしみ!発想がいちいち面白く
劇場でもゆるくしっかり跳んで飛び過ぎてしみしみ
遍在する赤ちゃん、LDK、赤ちゃんの鳴き声についてずっと考えたね
考えたというか感じたね、ところどころ、子としてグッときたね

想像上の親としてもまたヒリヒリほろり
ちょっとしたハプニングもまた、包みこまれる

【翌日1】
なんかこう昨日の事を反芻すればするほど、スルメのように良い時間だったな
こまけぇこたぁいいから幸せに感じたなって優しい時間になれたなって思えたら
それは豊かな作品だよねって感じするんだよね
全部ひっくるめて幸せだったね先ずニャンコに会えたし。
【翌日2】
ウンゲツィーファを反芻している朝
やはり確かにとても居心地が良かったよね
お部屋の壁みたいな感じだったね、L字の席配置
側面席で見たけど、結構また正面席では見えるものが違いそうね
そう思うと正面席は窓越し、外から、側面席こそ壁かしらん
あ、80年後のアイランドキッチン、うるる

【2回目】
L字席の別の面から。凄くいい。凄くしあわせ、そしてとても想った
なんだろね、小さなとこでやる演劇の素晴らしさが詰まってるね
あらゆる本日の要素が幸せの塊、これがいいんだよ演劇
音やフラッシュ無しなら劇中のお写真もよし

いや、走ってよメロス

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いや、走ってよメロス

ユトサトリ。

実演鑑賞

めちゃくちゃ良かったね
モチーフの両作品よく知らずに観たけども十三分に面白かった
うるうる、ふるふる、わふふふ

ノナカモヱリさんをあてにして観に行って良かった
彼女演ずる峰さんは核のふんわり外殻の役だけど、抜かりなく大事な役割
総じて登場人物から笑いから何からすべて物語にとって意味の塊達
緩急がちょうど良くて心地良いな
丁寧に作られた演劇は本当に良いもんだなぁ

メロス演じた利佳さん、凄いですね。その。ね。他の人より30分ぐらい🤫

開場から終演、帰路につくまで含めて完璧な公演だと思う
貰うものは読むがよし。読め。読もう。読みましょう

時に想像しあった人たち

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時に想像しあった人たち

排気口

実演鑑賞

観てきた!圧倒的なナニイッテンダコノヒトタチの狂気で満ち溢れるオカシイ笑いがとてもとても楽しくてでもしんみりせつなく、割と心寄り添う今日この頃を生きているゆえ響いちゃったりもして。

メモちゃんいい事言うなぁ。

排気口は二度目なんだけど人足寄場からは想像外のやさしく時に綺麗な演劇。それにしてもやっぱり中村ボリさんは一挙手一投足が笑いのショートカットですげぇな。そして狂ってないガーリーマシマシな倉里晴さんを観る事は果たしてあるのか。なんて思った。おもしろかったなぁ。

観られてよかった。世に出てよかった。面白くて良かった(ココ大事)。

人足寄場

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人足寄場

排気口

実演鑑賞

新世紀の猫型ロボットポええもんとディベート霊能力者めん次郎のおもしろバディものかと思ったら、ちゃんと怪談だった👁️ 👁️

サブカル、ネットミームの畳み掛けも合わせて実に面白くてケッケッケッ。あれをあそこで歌い出す発想よ

おもしろかった👍

『オウムノウシス』『カナリアイロニカル』

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『オウムノウシス』『カナリアイロニカル』

ぐりむの法則

実演鑑賞

【オウムノウシス】
『1回目』意外だぁ。えのもとぐりむ作品をいくつか観てきたけれど
意外な設定、シーン、演出が眩しかった...
ガチャガチャとさせては居るけれど
軸は普遍的な感じでさわやかに切なさ
沢山笑いもして振り返って良い味がする
いい役者が映えると言うか、映える役者がそこに居て
活き活きしてるのはいいよねぇ

様々演出も、意外な部分も含めてシンプルに
綺麗、楽しい、刺激的であって眺めているだけでも楽しく感じる

『2回目』
初回は意外性に圧倒されたもので、2回目にして千秋楽
楽しいよぉ。面白い。笑える。きれいだ。美しい。可笑しい。祭りの後
満たされるけど惜しまれる。終わっちゃった
涙。言葉よ。言葉。繊細に。言葉。意義を感じるカーテンコールもまた
劇中から飛び出た言葉で。ありがとう。

楽しかったなぁ。ありがとう。

(´;ω;`)

【カナリアイロニカル】
人生の段階、状況次第で対峙する事になる倫理観や死生観を題材とした作品で
正に近頃に軽く対峙の機会を経ていた自分にはなかなかツライ内容でもあった

想う事は全て人それぞれであるし、そして幸か不幸か
この演劇は演劇作品であるので「そう思う事も分かる」として
自分の中で腑に落ちてくれた
腑に落ちた上で、個人的倫理・死生観では絶対にそれを選ばず生きてゆきたい
寄り添いながら生きてゆきたいと改めて思った次第

観る者の状況次第では重すぎる、生々しすぎる話ではあるものの
えのもとぐりむ作品らしく
「ここはわら、笑って、笑って?、、、いいんだよ!笑」
という独特な笑いのちりばめがふんだんにあり
暗くあり続けず巡る考えと共に楽しく観劇をすることができ
そして笑いだけでなく、共感はしなくとも実に優しい物語だとも感じた

黒須じょうじ、妻のみさ、娘のなおみ
どのような改変すら受け付けない
受け付けてしまったら損なわれてしまう3人の強固な家族愛の像は
哀しさもありながら、黄色く優しく暖かかった

佐藤弘樹さん、加藤あやのさんは正しく夫婦じょうじとみさでしかなくて
武藤志織さんはその娘であって3人は家族であって、見事なお芝居でした

ちょっと余談として、かつてないほど加藤あやのさん/みさが美しかった
なんだろう、めっちゃ美しかった
そもそも綺麗な方なのだけども今回ハっとするほどに美しかった

ある種ファンタジィを帯びる家族と、それを追う記者と助手の目線
繋がれる刑務官達の応酬の模様が現実的な光景で
終始ファンタジィな家族模様にならず観ていて良い按配
彼らは彼らでまた抱える事や信条、事情に苦しんでもいて
事柄がすらすらっと繋がって良し
刑務官達の力関係から来る少しおかしなやり取りも重い話に少しの晴れ間

キューちゃんは僕を探さない

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キューちゃんは僕を探さない

projecttiyo / 藤井ちより

実演鑑賞

ゲネプロ回を拝見

今作は個人的にかなり珍しいケースで
序盤から中盤あたりまではややピンと来なくて
悪くは無いと感じるのだけど…だったのだけども

中盤からグワングワンと面白くなった!

大抵が入りでピンと来ないと自分の心も閉鎖して
サヨウナラコースになるのに、戻ってきたよ!

話が面白く興味深く在って幻想的でありつつ
現実的な様でもあるし、ふんわりお伽話なようで
不穏な面も顔を出したりと変遷も面白いですね

極めて部分的に映画ミストを連想したりも 笑

あとねあとね塚井を演じる春日紗矢子さんの
素晴しい歌声にほわわわんですほわわわん

自然に歌が馴染んで良かったなぁ

流石に声楽科卒なんだろうかって調べましたら
流石にそうだった流石です、素晴らしい👏

登場人物の出方の按排も良いなぁ
あとあと照明凄く良いですね
ああいう照明初めて観たような

元映画館そのものを
気持ちよく使っていて
とても好印象でもありました

帰り道、にんまり笑顔
最初はうーんだったキューちゃん
終盤はとても愛おしかった

良い演劇でした👏👏👏

総評

今年も沢山の演劇を観る事が出来て嬉しかったです。
全てがクリアになったわけではないにしても、例のアレにひとまず
区切りがひとつ付いた事でココカラでしょうか。

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