jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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エウリディケ

エウリディケ

MIXZONE

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/02/04 (日) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2024/02/05 (月) 18:30

ギリシャ神話がベースの音楽劇だが、なんだか勿体ない舞台だった。(2分押し)86分(8分休んで、アフタートーク20分)。
 ギリシャ神話のオルフェの冥界下りをベースにして、軸を死んだ妻のエウリディケに置いてアメリカの劇作家サラ・ルールが舞台化した作品。若手の役者は初見だがミュージカル等で実績があり、脇を固めるベテラン勢は見慣れた人が多く、役者の力量は確か。舞台上に井戸と排水溝を作り水を流す、など、美術や照明にも力を入れているのだが、なんだか物語がスンナリ入って来ない。とてもポエジーなセリフの多い翻訳劇なので、訳が落ち着いていない感じがあるのと、役者のムービングや演技などが巧くフィットしていない印象。軸のエウリディケの衣装も彼女の何を象徴しているのか分かりにくいこともある。コロスである「石」たちが座るバウンスボールがノイジーなのも気になる。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/28 (日) 12:00

全体の千秋楽に3度目の観劇。やはり終末感が溢れるが、純愛のイメージもあるなぁ。101分。
 流れは分かっていたので、細部を気にして観ていたのだが、草彅の丁寧さや、大原の純粋さが見えた気がした。ベリーラストだからなのか、ちょっと遊びも交えた舞台で、役者に余裕があったように思う。パンフレットに書いてあったが、「シラノ・ド・ベルジュラック」よりトーマス・マンの「魔の山」をベースにしているんだと思うと、流れは分かりやすい。

カンテン「The Foundations」

カンテン「The Foundations」

カンテン事務局(Antikame?)

座・高円寺1(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/27 (土) 19:00

<Select B:閉>を観た。昨年の「視点」と同じ様な企画で、2劇団を観る。(1分押し)前説2分(つなぎ3分)50分(つなぎ4分)57分。
 こそ会『ゆうてん』はアンデルセンの「すずの兵隊」を、ある意味で丁寧に舞台化した。エンディングをどう見るかで、一種新たな視点を提示しているとは思う。
 The Stone Age ブライアント『あなたは何も悪くない』は、オウム真理教事件がベースの物語。サンモールスタジオで上演される Crime シリーズの別バージョンという位置付けだが、結構辛い物語が展開される。
 後者に出演の前有佳が目当てで見に行ったのだが、目当てとは違った芝居も観られるのがこういう企画のいい所。こういった企画はドンドンやってほしいと思う。

カカフカカRagnarøk

カカフカカRagnarøk

カカフカカ企画

王子小劇場(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/26 (金) 14:00

「混沌」バージョンを観た。長くやってる劇団だが、実は初見。ストーリー性のあるショート・コント集っぽい作品。細かいところまで丁寧に作られた「オヤジギャグ」的要素のある作品。90分(10分休み)60分。
 ある意味で突然に始まり、コントっぽいものを連続的にやる。短くオチがつくのだが、全体の流れもあるあたりは面白いのだが、とにかく笑えないものが多い。何を笑わせようとしているのかは理解できるのだが、せいぜいが苦笑。考えオチ、みたいなのが多く、時々は大笑いするものもあるが(個人的に1番は「Xp」)、笑えなくても繰り返す、ということで笑わせる/笑われる、という「オヤジギャグ」的な印象がある。役者陣は巧いし、念入りに稽古していることは良く分かるので、ある意味で、この思い切りにスガスガしい感じを持つ。
 初日後に降板した役者がいて、代役がタブレットを見ながら上演していたが、特に違和感はなかった。常連客がいるらしく、開演前に挨拶する姿が多く見られたのだが、その一部が大笑いしてて、そんなかなぁ、とは思った。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/20 (土) 17:00

2度目の観劇。終末感にあふれた舞台。100分。
 観劇後、友人と話して『寿歌』との関連を強く指摘された。それは初日に観たときにも思っていたが、北村の反戦、と言うか、終末が来ないことを祈る気持が現われてはいる。

ひとえに

ひとえに

シニフィエ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/01/13 (土) ~ 2024/01/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/15 (月) 18:30

丁寧に描かれる「理不尽」の詳細。ちょっと痛い。(3分押し)127分。
 5人の俳優が丁寧に描く現在の「理不尽」。言葉が多すぎて圧倒されるけれども、リアルはある。

ほどける双子

ほどける双子

クレネリ ZERO FACTORY

小劇場 楽園(東京都)

2024/01/10 (水) ~ 2024/01/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/14 (日) 15:00

大岩真理・脚本の本多真弓一人芝居。力あるところを見せてくれる。(3分押し)48分。
 一昨年の年末に上演された作品の再演で、初演も観てる。育児ノイローゼの妻のため、ディナーとコンサートに連れだそうとしてベビー・シッターを夫が依頼し、そのシッターの独り言で始まるが…、という物語。何人かの人物を描き分ける演技力を要求される舞台。とても興味深い。

アンネの日

アンネの日

serial number(風琴工房改め)

ザ・スズナリ(東京都)

2024/01/12 (金) ~ 2024/01/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/01/12 (金) 19:00

ノンケミカルの生理用ナプキンを作ろうとする女性8人の群像劇。再演。面白い。観るべし!観るべし!!観るべし!!!(4分押し)130分。
 2017年、「風琴工房」名の時代に三鷹で上演された作品の再演で、初演も観ている。初潮の告白などインパクトあるセリフが多いが、開発に伴う苦労を乗り越えようとする技術者ストーリーとして観たい。女性であるがゆえの苦労など、2017年の頃と変わらない(モノによって悪くなってる)状況があることは悲しいが、舞台の女性達は力強い。8人のキャラクターがしっかり描かれ、巧みな俳優陣が巧みに演じているが、理央のキャラクターが初演とはちょっと違ったテイストになっていたのが印象に残る。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/07 (日) 17:00

ワケ分かんないけど、何だかホッとする芝居。98分。
 シラノ・ド・ベルジュラックの話をベースにしたとの前評判だったけど、あんまりそういう感じじゃなくて、純愛の物語だと思った。草彅の存在感は勿論いいのだけど、鈴木浩介の活躍ぶりと段田の重みが良い。

長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/07 (日) 13:00

とてもいい芝居だったので楽前に再度の観劇。やはりいい。(5分押し)99分。
 開場前に当日券の10人ほどの列ができるくらいの評判の良さで、とにかくいい芝居だった。アゴラ劇場の特性を活かした使い方や、生と死は表裏一体というテーマとか、年越しの時期に観て良かった芝居だった。

ネズミ狩り 2024

ネズミ狩り 2024

劇団チャリT企画

ザ・スズナリ(東京都)

2024/01/06 (土) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/01/06 (土) 19:00

2008年に初演、2011年に再演された同劇団の代表作の再々演。やはりいい。観るべし!観るべし!!観るべし!!!(4分押し)109分。
 町の蕎麦屋を舞台に、善意を装った悪意の問題を扱った作品で、初演も再演も観ているのだが、同じ題材が10年以上を経ても変わらず成立するあたりに、なんだかなぁ、の感じを強く持った。

天使の群像

天使の群像

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2023/12/21 (木) ~ 2023/12/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/28 (木) 19:00

初日に観て面白かったので楽前に再度観た。やっぱり面白い。(5分押し)142分。
 気になったことや思い出したことを徐々に書いていこうと思う。
・脚本の高木は学校が嫌いだと言うが、学校のことをよく分かっている、というか、学校が社会からどう思われているのかがよく分かっていると思う。
・例えば、男性教師3人がどうしようもないこととか…。ただ、あのような人は今のマトモな学校では教頭(今は「副校長」ということが多い)になれないんじゃないか。
・カントリーマームのくだりは、学校あるある、だと思う。ああいう風に、ゲーム風と言うか、ああいった形にすることは学校ではよくあるように思う。


箱庭からの夜想曲

箱庭からの夜想曲

route.©︎

シアターバビロンの流れのほとりにて(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2023/12/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/30 (土) 14:00

「箱庭」ダークファンタジー・シリーズの第4弾。独特の世界観に浸る。(3分押し)84分。
 子どもが作るおもちゃ工場の、「箱庭」と呼ばれるおもちゃ達の住む世界での出来事…、という世界観で描かれたシリーズ。10月の『PARADE:』から始まり、王子での2作品を終えての第4弾。今回もちょっとダークなファンタジーが展開されるけれど、ちょっとハッピーな展開がダークになるというあたりで気分が落ちるが、最後に希望が見えるあたりは少し救われる。間が多い演出は好みではないのだが、独特の世界観に浸ると、それはそれで心地好い。
 タイトルの「夜想曲」は「ノクターン」と読む。

長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/29 (金) 19:30

6年ぶりの劇場公演だと言うベテラン劇団。とても面白い。いい芝居を観た。102分。
 1823年(大正12年)から今度の年越しまで、ある家族の100年にわたる年越しの様子を淡々と描く。多摩の酒屋だった木村家の居間が舞台。隣の神社の田崎家の人を交えて、短い時間で次々と年が過ぎていくのが面白い。シームレスな演技だが、ちょっとした言葉や話題で年が変わったことが分かるあたりは流石の巧さ。年末にいいものを見せてもらった。

バースデイ、レター

バースデイ、レター

route.©︎

王子小劇場(東京都)

2023/12/23 (土) ~ 2023/12/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/25 (月) 16:00

同時上演中の『ぼくの箱庭』と世界観を共有するダーク・ファンタジー。かなり切ない。(3分押し)94分。
 「箱庭」と呼ばれる、おもちゃ工場は子どもだけしか働けないのだが、子どもたちは大人たちに暴力をふるわれ管理されつくしているのだが、スピカとミラは恋をして…、という物語。『ぼくの…』がおもちゃの側をフィーチャーしているのに対し、本作は働く子どもたちに焦点を当て、キツイ物語が展開される。役者陣も世界観を共有しているのは分かるが、特に小泉日向が光る。主宰で作・演出の平安は両作品に出演していて、それはそれで大変な苦労だと思う。

紫にリボン結び

紫にリボン結び

♯Q

スタジオ空洞(東京都)

2023/12/22 (金) ~ 2023/12/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/24 (日) 14:30

特色ある会話劇のユニットだが、クリスマスにフィットした、面白い作品だった。85分。
 高級ショコラティエを舞台に、クリスマスを題材にした微妙な会話劇。表情とセリフがマッチしないという面白い作りだけれど、題材は純愛だな(^_^;)。井本初め役者陣の表情が面白い。

ぼくらの箱庭

ぼくらの箱庭

route.©︎

王子小劇場(東京都)

2023/12/22 (金) ~ 2023/12/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/22 (金) 19:30

この所気になってる劇団のファンタジー作品。独特の世界観が面白い。82分。
 2018年に初演された作品(恐らく旗揚げ)の再演だが、初演は観てない。「箱庭」と呼ばれるクリスマス向けのおもちゃを作る工場で、ドールと呼ばれるおもちゃの一人ロゼ(大屋沙季)が外の世界に行こうとするが…、の物語。統一された美意識で作られたファンタジーで、結末はちょっと切ない気もするけど、とにかく美しさを追求してる。大屋の声が素晴らしく美しい。マリアンヌ(まひたん)のヴィジュアルが、どストライク。藤真廉の凛々しさもいい。
 タイトルの「箱庭」は「リトルガーデン」と読む。

天使の群像

天使の群像

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2023/12/21 (木) ~ 2023/12/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/21 (木) 19:00

期待の劇団・鵺的の大作で確かな見応えがあった。142分。
 学校を舞台に「臨時的任用教員」の道原(堤千穂)が出会った生徒と職員が作る風景を興味深く観た。こういう人っているよな、と思わせる典型的な人物がいっぱい登場する中で、登場しない男子生徒を軸に振り回される事件が続く。リアルでもありながら、ギリギリでファンタジーとの境目を綱渡りする脚本も見事だし、それを体現する役者陣も(演出も)見事。加えて舞台美術も凄くて、上手から下手に傾斜する舞台の奥に何面かのカガミを組み合わせ広がりを作るのも巧い。
 開演5分前から客電を点けたままで役者がアクトし、客電が落ちて開演して142分の長さは、ちょっと辛い。
 生徒役の吉水と野花を入れ替えても面白いと思った。久々に観た渡辺詩子が颯爽としているのも嬉しい。

すみつくす

すみつくす

屋根裏ハイツ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/12/20 (水) 19:30

初見のユニット。現代口語演劇の静かな芝居。102分。
 シェアハウスに今クラス人々と、その建物の12年前とが、シームレスに展開される。

夜の初めの数分間

夜の初めの数分間

劇団牧羊犬

王子小劇場(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/16 (土) 18:00

初見のユニット。新劇っぽいかと思ったら、ちょっと違ったファンタジー。面白い。127分。
 ひまわり(井上薫)は大人気の女優だったが、妊娠を秘密にするために休暇に入り娘・画子(平体まひろ)を産むが、同じ時期、鏡・レンズ・画像に人が映らなくなる「現象」が起こり始める。人々は自身の状況を見るために、肖像画を書いてくれる人を求め、その達人を「カガミ」と呼ぶようになる。有名なカガミになった画子だが…、の物語。SFチックな設定の下で何か事件の展開を考えるのかと思ったら、ファンタジーとして母娘の物語が展開される。ちょっと予想したものと違った展開だったが、それでも面白く観た。作・演出の渋谷は映像系の人らしいのだが、観るのは初めてで、独特のセリフのセンスが面白いのだが、ちょっと過剰な感じがする。また、登場人物それぞれに振ったエピソードをすべては回収できず、これはどうなったんだろう、と思うところが結構あるあたりが惜しい。
 『東京原子核クラブ』から興味を持って観ていた平体だが、今までのイメージとはちょっと違ったテイストの役をしっかり演じていた。『ホテル・イミグレーション』で観た井上は確かな役者だと改めて思った。

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