FIGの観てきた!クチコミ一覧

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エアスイミング

エアスイミング

ZASSOBU

小劇場 楽園(東京都)

2024/05/08 (水) ~ 2024/05/12 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

この作品を初めて観た。もっとわかりやすい話かと思っていたが、なかなか理解の難しい混沌としたストーリーだ。不条理劇のようで観やすい作品ではない。事前に話の前提や登場人物たちの振る舞いの理由をよく把握してから観るのがよいのだろう。そんな作品だから、演ずる者への要求と負担は大きいと思うが、今回の2女優は見事にそれを果たしている。

絶望という名のカナリア

絶望という名のカナリア

甲斐ファクトリー

小劇場 楽園(東京都)

2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなか良くできた台本で面白かった。出だしこそ映画「幸せなひとりぼっち」のパターンかと思わせたが、その後は孤独と虚無感に苛まれた初老の男の物語を軸に新興宗教とヘッジファンドと風俗業と推し活という一見無関係なストーリーが巧みに絡みながら群像劇風に展開し、すべて丸く収まってめでたしめでたしの結末を避けながらもカタルシスと心地良い余韻を心に残してくれる作劇は見事。俳優たちもしっかりした演技で活き活きと演じていて好感が持てる。

デカローグ1~4

デカローグ1~4

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/04/13 (土) ~ 2024/05/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

10の短編から構成される長編映画を台本にして舞台化したものらしいが、観る側としては、オリジナルの映画監督の意図だとか制作者の思いだとかは考えずに、単なる連作の短編ものとして捉えて差し支えないと思う。1日で4つの短編を見たがいずれも人の心の機微を感じさせる佳作。淡々とした味わいの外国の短編小説の世界を思わせる。小劇場と言っても新国立のそれは巨大で、建物のセットを舞台上に組んでしまうあたり、贅沢な公演だなと感じさせる。

GOOD  -善き人-

GOOD -善き人-

フジテレビジョン/サンライズプロモーション東京

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/04/06 (土) ~ 2024/04/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

今ひとつ面白くなかった。台本がそんなに悪いとは思えないし、では演出か?バンドの使い方など興味深いのだが、とにかくあんまり伝わってこなかった。佐藤氏萩原氏の演技が無駄になっている印象。

東京の恋

東京の恋

劇団道学先生

新宿シアタートップス(東京都)

2024/04/09 (火) ~ 2024/04/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

公演名の東京・恋云々は中身にあまり関係ないように思われるが何か意図があったのだろうか。
3本それぞれ面白い。3本目の深井作は、突っ込み処には目をつぶったとして公演名に反してなかなかロマンチック。2本目の別役作品は、こんな手法で不条理な心の闇を表すとは・・・

三人姉妹

三人姉妹

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2024/04/02 (火) ~ 2024/04/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

暗めの照明、出番でない俳優が舞台奥の壁際のベンチシートに座って劇を見ている趣向。台詞はかなりカットされているようだがエッセンスは失われておらず、むしろシンプルでわかりやすくなっている。反面、すんなり流れすぎていて、例えば「わたし、わかっていた」の有名な台詞が意味を与えられずにあっさり通り過ぎてしまったような印象がある。
それにしても、3人はうまくいかない人生に終始イライラしていてほぼその姿しかない。

繭の家

繭の家

タテヨコ企画

シアター風姿花伝(東京都)

2024/03/27 (水) ~ 2024/03/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前半はわざとらしい芝居感があったが、舘智子氏が出てくる後半になると見応えが出てくる。この俳優は役を自分に引き付けて自分自身にしてしまうという印象で、凄く存在感がある。

田園に死す

田園に死す

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハイテンションで繰り広げられる同じ台詞パターンの繰り返しをよく噛まずに言えるものだし、ユニゾンでの同時発声もよくピタリと合うし、一瞬で行われる頻繁な場面転換でよく出番を間違わずに出てこられるものだし、とにかく俳優陣の頑張りが凄い。
寺山監督映画の「田園に死す」を舞台化したというには雰囲気が違いすぎていて、これは別の作品世界。

トリスタンとイゾルデ

トリスタンとイゾルデ

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「トリスタン・・・」は休憩を含まない音楽の部分だけで約4時間のオペラ史上屈指の長いオペラで実演にお目にかかれる機会は多くないが、このプロダクションはすべてが最高に素晴らしい上演だったと感じる。ストーリー自体はオペラ史上屈指の陳腐さだがワーグナーの音楽が凄まじく濃密で、うねるような官能と情熱の波が何度も押し寄せてくる。今回の上演の歌手たちはいずれも一流の水準で、ブランゲーネ役の藤村氏が一番大きな拍手を受けていたが、他の歌手たちも文句なしに素晴らしく聴きごたえがあった。イゾルデ役のキンチャ氏は太く美しい声で、最後の「愛の死」の歌唱は抜群(コンサートでこの部分だけ抜粋して歌うのとはわけが違う)。今回は指揮の大野氏の手兵、都響がピットに入ったが、これまた高水準の演奏でワーグナーにふさわしいねっとりとした精妙かつ濃厚な響きで休憩挟んで5時間半の公演を支える。演出も(10年以上前の再演らしい)、漆黒の空に月のような太陽が浮かぶ背景が美しく、エンディングで深紅の太陽が暗闇の地平に沈み赤い衣装のイゾルデの後ろ姿のみが赤く浮かび上がって暗転する終演の迎え方も印象深い。

メディア/イアソン

メディア/イアソン

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/03/12 (火) ~ 2024/03/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

基本的に2つのギリシャ劇をつなげた脚本でずいぶん駆け足の感はあるが、業とか巡る因果といったギリシャ劇の雰囲気は保たれている。実力ある若い5人の俳優で舞台上を廻しきってしまうのには感嘆させられるし、影絵のような背景演出が印象的。子守歌もなかなか聴き惚れる。

オセロの横顔

オセロの横顔

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

普通に面白いが、ちょっと説明過多な気もする。とことん説明したいという作家なのだろう。
ところで、「私の口から言っていいかどうか・・・」それは言っちゃいけないでしょう。

諜報員

諜報員

パラドックス定数

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/03/07 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

少々難解な作品。一度観ただけで全部の場面を理解できる人は少ないだろう。
この作家らしく、歴史上の実在人物や出来事から自由にイマジネーションを飛翔させて独自の舞台設定が作り出されている。特に今回は複雑で手の込んだ設定や人物キャラクターだった。そのへんが把握しにくく台詞もほのめかしに満ちていて、話が見えてきそうで見えてこず戸惑わされる。後半では、過去シーンで同じ俳優が同じ格好のまま二役やる上、誰と誰の会話なのかがなかなかわからず、混乱させられる(台本には話者の名前が書いてあるのでわかるのだが)。観る側に前知識(ゾルゲとか尾崎秀実とかコミンテルンとか)とかなりの注意力が求められる作品なのではないか。
一度観て、台本を買って読んで細かいところを確認してからもう一度観たら、なるほどと思わされる複雑で技巧的な作劇や俳優陣の細かい演技などを楽しめた(そういう余裕ができた)。ただ、二度観る人は少ないだろう。

アンドーラ

アンドーラ

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2024/03/11 (月) ~ 2024/03/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

よくこんなすごい作品を見つけてきたものだ。ずいぶん前に書かれた作品のようだが、緊張が張り詰めた重く悲劇的な物語であるとともに普遍的な内容で、今の日本や私たち自身を見せられている気分になる。自分は何なのかのアイデンティティーがどのように形成されるかの問題や「白く塗る」「世界から愛される平和な国の人々」など興味深いメタファーも盛り込まれ、内容が濃い。主役の若者を女優が演じているのも見事に当てはまっている。

タンホイザー

タンホイザー

東京二期会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

3月2日(土)公演を鑑賞。
歌は、正直どうかな?と微妙なところもあったが、何と言ってもキース・ウォーナーの演出がとても優れていた。とくにエンディングには驚かされた。あれはスタントマン?まさか歌手本人?

「5seconds」「Nf3Nf6」

「5seconds」「Nf3Nf6」

ウォーキング・スタッフ

シアター711(東京都)

2024/02/24 (土) ~ 2024/02/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「5seconds」を鑑賞
パラドックス定数で観た時と比べて数段落ちるように感じた。弁護士がバカっぽく、まるで法律事務所に来たインターンの学生のような描かれ方で(あのペンの持ち方はまさしく学生だろう)、そのため弁護士vs機長の対峙が安っぽいというか闇の深さに欠けるものになった気がして興ざめ感が否めない。しかし、こう思うのはオリジナルのパラドックス定数と比べてしまうからであって、この上演を最初に観ればそれなりに良いと思っただろう。機長役の演技が秀逸。

509号室−迷宮の設計者

509号室−迷宮の設計者

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

独裁政権に不承不承でも協力して利益を得た者にスポットを当てていて興味深いが、ドキュメンタリー的なメッセージ性が強すぎて演劇とか芝居という感じが薄くなってしまったきらいはある。またそのメッセージも、現在の視点から過去を裁くというところに人によって賛否はあるかもしれない。ところで、この作品で描かれたような拷問は、この国の隣や少なくない国々で今も起こり続けていることに戦慄を覚える。

夜は昼の母

夜は昼の母

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2024/02/02 (金) ~ 2024/02/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かなりヘビーで難解と感じた。各登場人物のキャラクターが時折把握できなくなるというか、はぐらかされる感がある(16歳なのにずっと家にいるのは高校に行かなかったということ?その歳で働けよ!という話になるのか?)。不条理劇のようにストーリーが迷走するようなところもあり、とにかく素直に流れることがない。そういう作品を書いている作家なのだろう。俳優陣の演技は迫力があり、父親役の山崎氏は凄まじいとすら思えるし弟役の岡本氏はリチャード二世を思わせるような振れ幅の大きい演技で魅せる。

スターリン

スターリン

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2024/02/09 (金) ~ 2024/02/16 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

徹底した会話劇で引き込まれ興味が尽きないが、いっぽうで難解と感じられる箇所が随所にあった。おそらく何度観ても完全に理解できないだろう。セリフ量が多く、演じる者の負担も多そう。
村雲演出と中村演出を鑑賞。両者でセリフに少なからず違いがあり、オリジナルのどの部分をどう使うかの演出家の考えが異なるからだろうか。村雲演出版では長髪のスターリンが面白い。ところどころスターリンの仕草を真似ているようだ。中村演出版ではサーゲリに女優を起用しているが、役自体を女性に置き換えているわけではなく、その意図はよくわからなかった。演出の都合により降板というのもどういうことだろう?

兵卒タナカ

兵卒タナカ

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

興味深い3部構成。第1部で何とも言い難い妙な違和感が漂うが、それは後半の展開につながる。ただ、複雑なストーリーではないのにちょっと流れが悪くて時間がかかる。原典はドイツ語だろうか。

龍昇企画 エレジー

龍昇企画 エレジー

ストアハウス

上野ストアハウス(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

さすがに作品が素晴らしい。俳優陣もどれも秀逸で、特にお父さん(お兄ちゃん)が本当にそのままという感じで抜群。

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