LOVELOVELOVE23
劇団扉座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2020/02/09 (日) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年も初日の舞台を拝見しました。17から毎年見ているので今年で連続7年目。形式は毎年同じ、ロミオとジュリエットを軸に、研究生達の創作や実体験を基にした珠玉のショートストーリーの数々で紡がれます。
しかし!劇団の研究生の卒業公演と侮るなかれ、最高に熱く見る人の心を揺さぶる舞台…それが「LOVE LOVE LOVE 」!!という唯一無二の舞台。
個別のストーリーの面白さはもちろんのこと(笑いあり、涙あり、お色気(?)あり)、なんといってもこの舞台を単なる卒業公演ではなく「LOVE LOVE LOVE 」として輝かせているもの、それは「旗揚げ解散、再演不可能!」というシチュエーション。
ラストの「スクラム」では、何を言っているのか聞き取れない位の想いの詰まった絶叫に、毎年目頭が熱くなります。役者になりたい…でも現実には、「研究生2年目に進級できる」「扉座の準座員として残ることができる」のは毎年ほんのわずかの人数だけ。その他のメンバーは「LOVE LOVE LOVE 」が終わって大きな人生の岐路を迎えることになります。俳優への夢を諦め新たな人生を歩むことを決めこの舞台が人生最後の舞台という人もいるでしょう。また別の研究所へ入所したり、フリーでの活動を模索したり、所属する劇団を探したり、不安を抱えたまま新しい役者人生に向き合わなくてはならない人もいるでしょう。
千穐楽が終わればこの座組も即解散。きっと二度と同じメンバーが一同に集まることはないであろうという切ない別れ。この1年が濃かった分、その後やってくる空虚感はいかばかりか。そんなみんなの舞台にかける心からの想いがごちゃごちゃに詰まったきらきら輝く舞台、それがこの「LOVE LOVE LOVE 」。
今年も素晴らしい作品そろいの2時間40分でした。見終わった後、元気満タンになりました。
是非一人一人の舞台にかける想いをご自身の目で確かめて受け止めて感じて下さい。絶対に見て損のない、見ないと損な舞台です。
ThinG
ワーカーホリックブラザーズ
エビスSTARバー(東京都)
2020/03/05 (木) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
Barという空間とシチュエーションを上手く使っていて、とても面白い公演でした。
ラストは切なく少し重い展開でしたが、6人という少人数で一人ひとりの個性が十分発揮され、ゆっくりとした優しい時間が流れていました。終演後のバータイムというのもゆっくりキャストと話をしたい方には魅力的な仕掛けだと思いました。
Flip side
ZERO BEAT.
Geki地下Liberty(東京都)
2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
とにかく笑いっぱなしの2時間弱。まるで吉本新喜劇を見ているよう。Zero beat.はどこを目指しているのでしょう?(笑)
原案の幕が上がるならとは別物でしたが、いずれのハプニングを見ても舞台をうつというのは大変なんだなと実感。
Zero Beat.は旗揚げのFehdeやハンムラビの箱庭の様な救いのないハードな設定から、想咲の結の様な心温まる話を経て、スナップアウェイ辺りからは、すっかりお笑い路線に転身?かと思わせるよう。いい大人が計算ずくの悪ふざけをしている様は、見ていて清々しくさえ思えるくらい。
今回は番外編でしたので次回の本公演がどんな話になるのか期待。
あした天気になぁれ
劇団かに座
横浜関内ホール(神奈川県)
2020/11/20 (金) ~ 2020/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんと創設70周年、120回公演だとか。市民劇団っぽさが魅力の社会人劇団のかに座。途中換気のための休憩をはさんで2時間のちょっと長めの舞台でしたが、王道の人情劇で最後はほっこり、ちょっとしんみり。キャストは少人数で派手さはありませんでしたが、どの方もはまり役で素敵でした。
公演毎にいろいろなテイストの舞台が展開されますが、個人的には今回のほっこりした感じが劇団のイメージにもあっていて大好きです。
社会人劇団と侮ることなかれ、舞台もしっかりと作りこまれていて本格的、値段も前売りならなんと格安の1500円。さらに劇場も関内ホールというしっかりとした場所でゆったり、コロナ対策もばっちり。なかなか小劇場演劇は敷居が高いという方には、まずはここからとお勧めできるアットホームで親しみやすい劇団です。
時代絵巻AsH 特別公演 其ノ四『草乱~そうらん~』
時代絵巻 AsH
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
久し振りの劇場でのリアル観劇がAsHの公演。丁寧に作られたプログラムがいつもながら素晴らしい。歴史に詳しくないので、島原の乱自体の背景があやふやでしたが、それを置いても男達の想いにラストは涙、涙でした。
次回もぜひ見たいと思える素晴らしい舞台でした。
静寂に火を灯す
演劇プロデュース『螺旋階段』
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2022/05/05 (木) ~ 2022/05/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前半は面白い掛け合い中心のドタバタ劇でしたが、一人の男性が命を絶ってからの後半は一転、静かな時間がゆっくりながれていく落ち着いた舞台でした。キャストも一人一人個性があって印象深く、舞台美術もリアルで全体的にとても丁寧なつくりでした。
初めての劇団さんでしたが、GWの最後にとても良いお芝居に出会えました。
新・水滸伝
松竹
大阪新歌舞伎座(大阪府)
2015/08/08 (土) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
感動しました
最初歌舞伎なんてと思っていたところもありましたが、凄い仕掛けあり、人情あり、純愛あり、本当に楽しめました。3Fの席でも十分楽しめました。男性の扮する女形の素晴らしさに、脱帽です。
---黄離取リ線---【ご来場いただき誠にありがとうございました!】
劇団えのぐ
シアターKASSAI(東京都)
2016/09/29 (木) ~ 2016/10/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
すばらしかった
とにかく素晴らしかった。最後は心がほっこりして、全員号泣・・・。うかつにも50代のおっさんも涙してしまいました。
脚本が何より素晴らしかった。松下勇さんは、ただものではないと痛感。役者も個性が役柄にぴったり。
特に子供たちが自分の悲しい過去を回想するシーンは、涙なくしてはみられませんでした。
最後はハッピーエンド、演劇はこうでなくっちゃという、最高にホットでしっとりとした素晴らしい公演でした。
是非、DVD化をしてほしいです。
Fehdeー針の尖ー
ZERO BEAT.
Geki地下Liberty(東京都)
2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/21 (水) 19:00
残酷なシーンもありましたが、旗揚げ公演とは思えない上質で濃い内容の舞台でした。音楽も最高。ラストは意外で切なすぎます。ZERO BEAT.の今後に期待します。
NET“網”が切れたら、終わり?
劇団 枕返し
遊空間がざびぃ(東京都)
2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
SNSが人を殺す・・・そこには「土蜘蛛」という大妖怪が潜むという設定。現在社会の問題を蜘蛛の巣(Web)というキーワードで妖怪と絡めた着想は素晴らしいし、オープニングの平安時代のシーンも、おっ~と目がひきつけられました。
ちょっと見終わって残念だったのは、海賊風のコメディータッチの登場人物が出てきたかと思えば、大きな悩みを抱えるシリアスな登場人物が出てきたり、ふんどし姿のイケメン二人組が出てきたかと思えば、おどろおどろしいメイクの土蜘蛛が出てきたりと、サスペンス・ミステリー・コメディーとちょっと欲張りすぎた感じで、ぼ~っと生きている私にとっては、まとまりがなく方向性がよくわからなかったかな~という印象。(ただ、様々な要素があったおかげで、舞台にメリハリがあったとも言えますが)
個人的には、二人の警備員の方の面白い掛け合いや、新人警備員の方の迷いやさりげない優しさのようなものが、直接ストーリーには関係はありませんが、印象深いシーンでした。
この劇団の公演の運営として面白いと思ったのは、ポチ袋による投票システム。気にいったキャストの投票箱に入場時にもらったポチ袋を投票することで投票数に応じて役者のギャラがアップすると同時に、ポチ袋に直接応援の気持ちをおひねりとして入れることもできるシステムだとか。通常は集客数だけでギャラが決まる小劇場メインの劇団の舞台、舞台での演技で客を引き付けることができればギャラが自然とアップ…というのはすごく正常で自然な仕組みかと。ちょっとやり過ぎるといやらしい感じになる懸念はありますが、ポケットに入っている小銭程度をポチ袋に入れる程度であれば、だれでもちょっと気になったキャストを応援しようという気持ちになるのでは。単なるアンケートの「お気に入りのキャストは?」より、直接好きなキャストを金銭的に応援できるという意味でとても面白いなと思いました。
優しさの形
劇団かえる
スペース・オルタ(神奈川県)
2019/09/22 (日) ~ 2019/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★
今回も面白かったです。流石にプロの劇団と比べると見劣りする部分が技術的にはないとは言えませんが、キャストの方の個性も生かされていて、優しさと楽しさに溢れた舞台でした。決して社会人による無料公演と侮るなかれ、小劇場舞台の楽しさを満喫できました。
今後の活動も期待しています。
4時44分、せつなに青く。【ご来場ありがとうございました!】
劇団えのぐ
上野ストアハウス(東京都)
2015/10/01 (木) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★
重たいテーマでした
前半のテンポいい展開から一転、後半は重く辛いシーンで、見終わった後しばらく考えさせられました。
最近学生の嘱託殺人事件が話題になったばかりで、なんといっていいやら。劇場は夢の空間だと思うので、個人的には超シリアスな展開より、心が温まるような展開のほうが希望でした。しかしながら、作・演出の佐伯さんや、演者の方々の才能が感じられる、斬新な舞台であったことは確かでした。
次回来年3月の番外編に期待しています。今年5月の番外編は、最高でした。
-奇譚-地獄たられば
グワィニャオン
上野ストアハウス(東京都)
2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
コラボ・・・いい
-奇譚-地獄たられば・・・初日の舞台、見てきました。最初おどろおどろしいムードで始まったのでどんな展開になるのかちょっと心配になりましたが、笑いあり、涙あり、考えさせられるところありと、てんこ盛りの1時間45分でした。
えのぐの皆さんの若さと、グワィニャオンの皆さんのちょっと落ち着いた感じと、客演の方々のはじけた魅力が満載でした。
劇場がちょっとさびしいところにあることを除けば、大変楽しめる作品でした。
Angry12
ヒエロマネジメント
新宿眼科画廊(東京都)
2016/07/15 (金) ~ 2016/07/20 (水)公演終了
満足度★★★★
見ごたえ十分!
舞台にはテーブルとイスだけ。あとは演者のみ。2時間…俳優出っぱなし、しゃべりっぱなし。あんな人いるよな、あいつ頭にくるな…いろんな感情が見ている人にわいてきます。だんだんと自分の意見を変えていく人たち、その心の描写が絶妙。最後は・・・。
動きもほとんどなし、きれいな舞台設備無し。俳優が演じる舞台は、客席のすぐ目の前。演劇を十分堪能させてもらいました。値段もリーズナブルな2800円。大満足でした。
テレビが来るぞ!
劇潜サブマリン
千本桜ホール(東京都)
2016/12/15 (木) ~ 2016/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★
予想外の展開
タイトルや事前に公開されていたフライヤーからは全く想像のできないブラックな内容にまずびっくり。おまけにセリフの大半が東北(?)訛りで早口。よくも悪くも個性的な舞台でした。個人的にはハッピーエンドの話が好きなので、ちょっと後味が悪かったのですが、出演者の熱量も半端ないし、個性も強く魅力的でした。
三十と十五の私
神保町花月
神保町花月(東京都)
2019/09/26 (木) ~ 2019/09/30 (月)公演終了
満足度★★★★
芸人さんのお笑い要素無しの真剣モードの舞台でした。個人的には正直もう少しお笑いを期待していましたのでちょっとがっかり。カーテンコールでのおしゃべりは流石、お笑い全開でした。
今と15年前が入り混じった構成はちょっとわかりにくかったかも。途中まで人間関係が分からず、???な部分がありました。
バッファロー吾郎の竹若さん、意外にもとてもいいお父さんでした。芸人さんが出ている舞台としては少し残念でしたが、舞台としては心に訴えかけてくる良い舞台でした。
ファムファーレ
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2019/01/05 (土) ~ 2019/01/06 (日)公演終了
満足度★★★★
笑いあり、ダンスあり、アクションありと、てんこ盛りの2時間弱でした。ストーリーとしては、なかなかぶっ飛んだ内容でしたが、決してナンセンスな展開というわけではなく、物語としてもとても魅力的なものでした。
ラストの女王とのやりとりの部分は個人的には笑いのツボにはまらなかったのですが、両隣の方は大笑い・大喝采で大盛り上がりでした。
とにかく観客を楽しませようという姿勢がビシビシ伝わってくる激熱な舞台でした。初めて拝見した劇団さんの舞台でしたが、今後も期待の劇団さんになりました。
KEISOU
ラゾーナ川崎プラザソル
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/24 (月)公演終了
満足度★★★★
現在と戦時中の話が絡み合って進行するなかなか重厚なしっかりとした舞台でした。舞台上は非常にシンプルでしたが、音響や照明がしっかりとしていて2つの時代をきちんと描き出していました。
その場で全力疾走するシーンは、まるで本当に走っているようで臨場感がありました。
戦時中の話は正直分かりにくく実感できない部分もありますが、しっかりとした作りと演技で、2つの世界に引き込まれた2時間弱でした。
こちらなかまがり署特捜一係3
劇団カンタービレ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2019/01/23 (水) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
初めての劇団さんでしたが、よい意味で大人のおふざけができる劇団という印象でした。さすがに10周年だけはあるなという感じでした。
ウッディーシアター中目黒のサブステージをうまく活用したメインの舞台の早入れ替えは、さすがという感じ。幕の後ろは大変だったことと思います。
個人的にはちょっとうるさい感じはありましたが、しっかりとした脚本と演技のおかげで、ラストはしっかりとしたうるうるの人情ものに魅せられていました。
太陽にほえろの音楽になつかしさを感じつつ、個性の強い役者さん一人一人に注目ができた、笑いとばかばかしさと優しさと、謎解きの楽しさもあるよい舞台でした。
夜が摑む
オフィスコットーネ
シアター711(東京都)
2019/02/02 (土) ~ 2019/02/12 (火)公演終了
満足度★★★★
恥ずかしながら大竹野正典さんを存じ上げないで観劇させていただきました。観客の方々の平均年齢が普段よく足を運ぶ舞台よりもずっと上だったのは、きっと骨太の戯曲のコアなファンの方が多くいらっしゃったからでしょうか。
第一の印象は少人数ながらキャストの皆さんが重厚なこと・・・。テレビなどでよく拝見する俳優さんもいらしたりと、ちょっと得した気分。加えて問題となる2家族+団地の住人の生活空間を狭い舞台上で意外な方法で表現されていたのは驚きでした。
個人的には、「希望」だったり「優しさ」だったり「想い出」だったりが溢れる舞台が大好きなので、実際の事件をモチーフにした「不条理」なストーリーは正直精神的に重くつらいのですが、俳優さん方の強い個性で観客席に途中笑いが何度も起き、単に観客に考えさせるだけではなく、いろんな要素をじっくりと感じさせてくれる、心に響く良い舞台でした。