りぶらりうすの観てきた!クチコミ一覧

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「会いたくて会えなさすぎるあなたたちへ」

「会いたくて会えなさすぎるあなたたちへ」

baghdad cafe’

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2015/12/25 (金) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇をどこまで愛せるか
破天荒すぎる登場人物たちの動きは,現実なのかそれとも心の動きが見せる幻なのかと迷うくらい,非日常的な空間が展開されていました。観ている側にもあなたは演劇をどこまで愛せるかと迫ってくる作品だった思います。ぜひ今後映像で見る方は台本を横に置きながら,1回は台本なしで2回目は台本をたどりながら見ると,色々見え方が変わってくる作品です。

ツキノヒカリ

ツキノヒカリ

満月動物園

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2015/12/18 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

「誰か」ではなく「全員」の物語
観覧車シリーズの最終話。連続シリーズなので,これまでの作品を観た方も楽しめるようになっていますし,もちろんこの作品だけを観ても楽しめるように作られています。過去4作は再演なのですが,この作品だけ完全新作とのこと。それまでのシリーズの情報を補完しながら,バラバラに見えていた物語が1つの線につながっていきます。そう,この5作品は「誰か」の物語ではなく「全員」の物語でした。
温かい雰囲気として展開されながらも,その物語の重さを感じられる公演。その重さと役者さんの熱演によって,感情がここまで揺さぶられるとはと驚きながら,最終話を見届けて参りました。

ネタバレBOX

架空の事故である観覧車倒壊事故が,まるで現実に起こった事故であるかのような錯覚を覚えるほどのディティールの細かさ。残された被害者の家族,そしてその周辺,それだけでなく残された加害者の家族と,その周辺。10年の時を経てようやく事故の話を語り,お互いを思いやりながらも,取り戻すことのできない時間や人に思いを馳せて,やっと悲しむことの出来た人たちの言葉に,涙を止めることが出来ませんでした。例えば,新米神様の「お父さん」という台詞は,例え分かっていたとしても泣いてしまいそうです。
ラストシーンの白幕から暗幕へと切り替わる瞬間は,このシリーズ初めての暗幕使用ということもあって,非常に印象的なシーンでした。取り戻すことの出来ない絶望から,例え暗闇であっても前へ進もうとする登場人物の心の切り替わりが明らかになっていました。第一話の澳がなぜ天寿を全うできたかがハッキリと分かりました。こうして,最終話からまた第一話へとつながっていくのでしょう。
照明の効果も大変美しく,手に持ったライトで人物を照らす演出,暗闇の中の舞踊,薄明かりの中の独白,そのどれもが記憶に残るシーンでした。特に澳の眼前を死神が遮るシーンで,背景に映った死神の影は,凜々しく象徴的で,見届けて良かったと感じる場面でした。
ドナドナによろしく

ドナドナによろしく

劇団しようよ

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2015/11/21 (土) ~ 2015/11/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

平成27年の今だからこその同時代性を持った演目です
細かい断片が積み重なって、文脈や物語が築き上げられていき、気がついたら目頭が熱くなってました。平成27年の今だから意味を持つ内容で、色々な方の感想が読みたくなりました。お勧めです。

天邪鬼

天邪鬼

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2015/09/16 (水) ~ 2015/09/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

演劇が楽しいと再認識しました。
「演劇」という会社の新作展示会を観ているのではと考えてしまうほどに、言葉も動きも新鮮で印象的でした。演劇とはこれまで楽しいものだと改めて教えてもらえる新発見ばかりで充実した楽しい90分間でした。お勧めです。

パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

重厚な本格ファンタジー
1月のマナナンマクリルの羅針盤以来、劇団ショウダウンさんは二回目の観劇です。
自分の中でこんな感じかなと、ボーダーラインを勝手に決めて見に行ったのですが、それを軽々と超えるどころか、予想をひっくり返すほどの本気を見せていただいた気がします。
次回作が常に最高傑作と演出のナツメクニオさんは仰ってますが、それは冗談でも何でもなく、それこそ本気で仰っているのだと感じました。油断して見に行くとただただ圧倒される本格ファンタジー。公演期間が短いので多くの方に見ていただきたいです。

サンプリングデイ

サンプリングデイ

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2015/08/21 (金) ~ 2015/08/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

断片を構築する楽しさ
公演前に舞台写真や冒頭10分を公開するなど、出血大サービスな壱劇屋さん。こんなに情報を得てしまって楽しめるか不安でした。でも
そんなことは杞憂であって、これこそ壱劇屋さんの細かい段取りがいきる題材なのだと確信しました。

ネタバレBOX

チュンソフトの428や街が大好きな人なら、ぐっとくること間違いなし。終盤の断片がリプレイするあたりは、MASHUPプロジェクトのエピローグのようにも見え、これからの壱劇屋さんは、こんなにも引き出しをたくさん持って戦っていくのだというアピールにも見えました。気のせいかもしれませんが。
悪い芝居 vol.17『キスインヘル』

悪い芝居 vol.17『キスインヘル』

悪い芝居

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/06/26 (金) ~ 2015/06/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

爆音と言葉の応酬
荒唐無稽な感じがしながらも、きちんと筋の通った純愛。重低音が響く中、ひと癖もふた癖もある登場人物が、縦横無尽に暴れ回ります。歌も芝居も全部炸裂させる唯一無二なパフォーマンスでした。山崎さんがこれ以上になくエンディングで暴れ回っていて、それだけでも痛快で楽しい時間でした。
もしかすると、パンクロックで歌われる歌詞を戯曲化するとあんな感じになるのかなと思って眺めていました。もちろんただの妄想ですが、そう考えると荒唐無稽さも、頷ける気がします。

ツキノオト

ツキノオト

満月動物園

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

優しくて,悲しい物語
観覧車シリーズの3本目。全員が悪人でなく優しい人のはずなのに,すれ違ってしまう感じが胸を打ちます。緻密に計算されていて,でもきちんと力を抜けるところはあって,いつまでもこの瞬間をとどめておきたいような美しいシーンがあって,要するにこの作品は大のお気に入りです。

ネタバレBOX

2回見ると,何気ない台詞がきちんと次への伏線になっていて,凄く緻密に作られているなと思います。おそらく3作品の中で,一番泣いてしまったかもです。
Windows5000

Windows5000

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

不思議な魅力
初見です。あらすじにあるようにツッコミどころ満載な住民を覗き見しているかのように観ながら、細かいツッコミを入れていくお話で、こんなおもしろいモノが世の中にあったのかーと今まで未見だったことが悔しくなるレベル。
たぶんここが脚色なんだろうなという箇所は、まさに壱劇屋さんらしく4月から引き続いて拝見して良かったと思う箇所もあり。大満足でした。

ネタバレBOX

ちょうどGAORAとかでやってそうな、インディープロレスの爆笑実況と解説を観てるかのような笑いがちりばめられている印象。それが舞台で展開するのだから、私にとって面白くないはずがありません。
逆回転のシーンは、絶対これ脚色だと分かるようになっています。あれは相当難しいでしょうが、やりきる壱劇屋さんはステキ。
銀幕心中

銀幕心中

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当にありそうな感じの人間模様。
初見です。とはいえ前に映像で拝見していて、かなり練り込んでくる劇団さんなので、期待たっぷりで見に伺いました。結果、スッキリしていて(無駄なところがなくて)、かつ味わい深く(見せ所たっぷり)大満足でした。
実際あの時代、どこかであんな言い争いあったかもなーと錯覚するほどすっかり世界に入り込んでいました。

ネタバレBOX

あの荒唐無稽な脚本がああつながるとは。メタファーと言い切ることが大事。ラストはそれまでのドタバタぶりが嘘のような、印象的な美しいシーンでした。
カレッジ・オブ・ザ・ウィンド

カレッジ・オブ・ザ・ウィンド

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2015/05/30 (土) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

胸に迫る熱演
四回目の再演ですが、初見でした。周到な複線が巧みに回収されていくのはとても心地よく、主演の原田樹里さんをはじめとして、キャストの皆さんの熱演が強く胸に迫りました。演劇初心者の方にもお勧めです。

【ご来場ありがとうございました】In Touch

【ご来場ありがとうございました】In Touch

Queen of Quirky Quails (3Q)

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

肉声と生演奏を間近で見られるミュージカル
事前知識ゼロで観に行きましたが,シンプルなセットながら,肉声と生演奏,かつ間近で見られるミュージカルでとても楽しめました。あの距離で本格的なミュージカルを観られるのはとても貴重だと思います。また第二弾があれば是非伺いたいと思います。おそらくミュージカル好きな方なら気に入るシーンはどこかにあると思います。

ネタバレBOX

イギリスの台本を(おそらくほぼ忠実に)翻訳したとあって,アイルランドのおとぎ話とか,日本と外国でのSNSの微妙なニュアンスの違いとか,あと日本の作家だったらアバターは最初から人格を持っているだろうなーとかの違いを意識しないわけではないのですが,物語を楽しむところではそういった所は些細な違いだと思います。それよりも日本で初めてこの物語を楽しめるのが何よりの幸運だと思います。
GOLD BANGBANG!!

GOLD BANGBANG!!

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

「伝説」の始まり。
関西小劇場の伝説の作品をただ再演するだけでなく,壱劇屋さんのテイストを混ぜて再演するMASHUP PROJECTの第一弾。周到に準備されたエンターテイメントで開始から最後まで終始,笑顔でいられる楽しい作品です。この倍の値段を払ってもみたい,今だから観ておきたい舞台です。まだ間に合う方は是非駆けつけることをお勧めします。
この後は,なんとヨーロッパ企画,sundayと関西小劇場を観たことがある人なら,一度は聞いた劇団さんが続きます。後で観ておけば良かったと後悔する前に,まずは一度観てみることを強くお勧めします。

ネタバレBOX

「周到に準備された」と書いたのは,終盤の逆回転シーンでして,これは相当の稽古と,役者さん一人一人の体力が無ければあのシーンはただのみっともない受け狙いのシーンになってしまうと思いました。普段の作品から身体表現を組み合わせている壱劇屋さんだからこそ,できたお芝居だと思います。

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