mistaの観てきた!クチコミ一覧

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俺が居ないと世界は平和

俺が居ないと世界は平和

南京豆NAMENAME

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/08/19 (水) ~ 2020/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★

この劇団の作品はいつも、希望のない未来を待つだけの彼らが
あわよくば誰かこの星を爆発させてくれねえかなって待っている
本作も何かが足りてない彼らがその穴を埋めるんじゃなくて自分の身体を削って滑らかに誤魔化そうとする
良い作品だった、楽しかった
話の構成や組み立てには他の答えが有った気がする
役者さんはそのキャラであるべきだなという置き方がされていて、特に藤本さんはこれ以上無いハマり役と言っていいウザさ、あのウザさ出せるのは本当に凄い
田久保さんのあのキャラ堪能できたのも嬉しかった

消え残る

消え残る

深夜ガタンゴトン

王子スタジオ1(東京都)

2020/08/13 (木) ~ 2020/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

行動における自慰性と自信を晒す事、夢に向かう事と現実と向き合う事について、男性の目線から女という自身を否定する他者を通して自分を殴り続けるわかりやすい構成の作品
作品の性質上この作品自体の自慰性も問われてくる
裕本さんは誰に殴られたいんだ?
ムトさんの板付姿は毒きのこちゃんのデジャヴ感…笑
ムトさん自身がとても自慰性の高い役者さんで役にハマるなあと
星さんはこんなに虚飾性が高い人なのかと、、、
段差を付けない客席構成だったので2列目以降の視界が制限されてたのが残念だった、椅子もお尻が痛過ぎ

一重まぶたでごまかせたなら

一重まぶたでごまかせたなら

GORE GORE GIRLS

駅前劇場(東京都)

2020/08/13 (木) ~ 2020/08/17 (月)公演終了

満足度★★★★

全体としては、ばーっかじゃねぇの!な良い意味で何も残らないコメディ
ズレと道理の論理的方向性のおかしさによる笑いで、井田さんが外部者としてズレの構造にツッコミ取り込まれる
笑いの方式的に爆笑は少ないが逆に時々混じるベタな部分が効果的だった

終わる

終わる

中野坂上デーモンズ

OFF OFFシアター(東京都)

2020/08/12 (水) ~ 2020/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり凄えやデーモンズ
大量の言葉があって、そこには引っかかる言い方と足りない言葉と理解があって
WEBを巡るように言葉にリンクが張ってあって
飛んで繰り返して戻ってちょっと進んで
紙の文字では起こらない感情が演出と役者の演技で引き出される
これが演劇だよ
上演されている、された演劇も
中止や延期になった演劇も
存在は同じ、演劇はただそこにあって
役者も観客もただそこにぶつかるかぶつからないか
始まりと終わりが同時に進んでいる人生
終わってはしまうけど終わらせないことはできるのだ
言葉になればいい、ただの言葉に
デーモンズっぽくない西出さんが役柄ともマッチしてとても良かった
谷田さんと比嘉さんのかけあいも最高。谷田さんの身体的な存在感はやっぱり良いよね。ケースバイケースw
難しいシアターゲームを繰り返すような芝居だけに、これがハマる役者さんたちは本当に凄いなあと

家で出来る演劇と岸田國士

家で出来る演劇と岸田國士

家で出来る演劇

健康古民家かのう(東京都)

2020/08/08 (土) ~ 2020/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

「ここに弟あり」「クロニック・モノロゲ」の回を観劇
道理の通った会話とどうしようもない人間臭さが理路整然と混ぜこぜになる岸田國士の作品
古民家のロケーション、鳴く蝉のSEと素晴らしい雰囲気
我々の感じる暑さも演劇の効果のよう
ちょうどよく面白かった

「ここに弟あり」
神山さんという役者のプリティーさときたらもう
整理整頓された道理に乗れない悲しさであり人間らしさだから微笑ましいのだ

「クロニック・モノロゲ」
佛淵さんの素晴らしいしっかりさ。そうこの男の惨めったらしさはしっかりとしていないといけないのだ

インディゴチルドレン

インディゴチルドレン

gekidanU

南千住gekidanU野外劇場(東京都)

2020/07/24 (金) ~ 2020/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

住宅地のど真ん中、空き地のような場所での野外劇
視界に入る通行人、車のライト、話し声、街の喧騒
劇場でないことの意味を考える
作品世界の広がりなのか、観客としての想像力の助けなのか
空気を楽しむ空間と時間だった
野外舞台の性質上か、登場人物が舞台上にいるということの必然性や入り方に難しさがあったかなと
世界の設定に工夫があった分、その部分を観客に浸透させる構成も必要
全体として月子、星子役の役者さんがしっかりと作品をリードしていた

ボス村松のプリズンブレイク

ボス村松のプリズンブレイク

ボス村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/07/24 (金) ~ 2020/07/25 (土)公演終了

満足度★★★★

一見短編集なんだけど縦で繋がっている、きちっとした1本の物語を見た気分
どの作品も序盤の少し「?」の混じったしょうもなさから急激に抒情溢れる荒波に飲み込まれる展開
ロマンチックの照れ隠しが癖のある演出なのかもしれない
役者さんみんな素晴らしかった
全世界100億人の宝保さんファンは必見だと思う
下手なコントチックな役柄を纏ったかと思えば、表情一変様々な笑顔の表現に打ちのめされるし
レジネッタの役柄などは真骨頂
とにかく感情の段差を前にぼんやり立っている観客を力づくで引きずり回せる役者さん
あと、お久しぶりに拝見した田中渚さんの舞台での美しい存在感
そろそろ人間の領域を超えているんじゃないかと思うくらいの筋の通った美しい佇まい
子持ちの役なんだけど年齢重ねて、役の幅も凄みも増してくる素晴らしさ

「キズツクキカイ」「お湯で流して」

「キズツクキカイ」「お湯で流して」

たすいち

シアターKASSAI(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

キズツクキカイ
たすいち作品の面白さとして舞台上に立つ役者の位置というのがあると思っていて
様々な登場人物が出てはハケて行くのだけれど、役者の移動自体がエンタメであり、ドールハウスでの人形遊びのような役者を使った物語遊びのようにも感じられる楽しさがある
本作やノンタイトルなど、この頃の目崎さん作品はどこか想像して創造することの限界や苦しみが感じられる
小説や演劇ってものは嘘であって、その嘘の力を信じるのか持て余すのか葛藤を共有させられる
そして嘘の味を知った観客は作品を乗り越えられるのか問われている

お湯で流して
まず大森さん、動作ごとのポージングと言うか所作の見せ方が良くて、表情も含めて印象強かった
漫画っぽいとも言われるたすいちの作品に非常にハマっていた
そして佛淵さん、たすいち作品には今まであまりいなかったタイプで
作品に幅を持たせられていた良い配役
キズツクキカイとも共通点のあるテーマなんだけど
きちんと令和に作られた作品として、心の傷に対する干渉の仕方がバージョンアップされていたのが良かった
今までより世界は許容されるものになってきていて、誰かの傷と向き合う時はそれこそ仏のような寛容さと受容が必要

『シン・デレラ』×『デレラ~クイーン・オブ・モンスターズ~』

『シン・デレラ』×『デレラ~クイーン・オブ・モンスターズ~』

藤一色

OFF OFFシアター(東京都)

2020/07/02 (木) ~ 2020/07/05 (日)公演終了

満足度★★★

いやほんとくっだらねえwww
シン・ゴジラとエヴァのパロディをメインに往年のひょうきん族やおかげでしたのドラマコントのような味わいの作品だった
ほんと男子の考えるおバカってのがド直球な感じだし
各役者のキャラクターもモテなさそうさ含めていい感じだった

アレルギー2020

アレルギー2020

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/06/27 (土) ~ 2020/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★

3年前に沙羅さん✕黒澤多生さんVerを観たことが有ったけど
高村さん特有のクドさでもって、これまた面白い方向の仕上がりになっていた
距離と間というもの、生の舞台だからこそのリアクションがそこにあって
いやあ本当に楽しかった

石井智子さん✕坂本七秋さんVer
山本✕高村Verがキャラを生かした演技だとすれば
こちらはキャラを纏った演技
作品に物語を強く乗せてみせてくれた
特に智子さんは普段とは真逆のキャラで、演技を厚く巻きつけた印象
七秋さんは1段深いところへ言葉を持っていける良さ

両Verみたけど、役者の違いが作品にどう影響を与えるかというのが
よく分かる組合せでとても面白かった
作中のキャラを役者にまぶすのか
役者のキャラを登場人物にまぶすのか
コメディっぽくするなら、物語性を持たすならとやり方も色々あるのだなあと

謁見

謁見

やみ・あがりシアター

スタジオ空洞(東京都)

2020/06/18 (木) ~ 2020/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

マスクや距離や取り戻しつつある日常と現実からのメタファーやオマージュが投影され、しかしそれはあくまで要素に過ぎず、謁見者たちの会話で背景の炙り出されていく世界
何もかもがただ物語の道具として当たり前にある世界
物語世界の面白さを味わった

権威というのは鏡で、その前で人は自分を語ってしまう
知らなくても足りなくても周りが勝手に肉付けをしてくれる
権威自身が知ったり足りたりする事は本当は誰も望んでないのかもしれない
知って足りて、そして王となる

回る

回る

中野坂上デーモンズ

live space anima【2020年4月をもって閉店】(東京都)

2020/03/28 (土) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

その時やるということに意味があった
それこそ演劇そのものだった

世界で一番頼りにならないスーパースター

世界で一番頼りにならないスーパースター

劇団ボンボヤージュ!

APOCシアター(東京都)

2020/03/20 (金) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★

毎回感心するのはここのモニターの使い方
開演前は上演中の注意事項や物販情報を
上演中はシーンの場所がどこなのかを
ミュージカルパート時には字幕を表示してて
さらにその字幕もフォントとかデザインが抜群で素晴らしい
本作はちょっと真面目なミュージカル部分を多くしすぎたかな
真面目にやったら本家のミュージカルには敵わない
演ってる方は気持ちよくても本質はパロディであって
スピンオフと言っていたようなパートを軸に据えた方が良い
「ミュージカルではない」と劇団自らが言っているのだから、それをきちっと差別化しないといけない
ミュージカルナンバーに乗せて上手い役者が替え歌を歌うだけではそれはやはりミュージカルなのだ
これまでの面白さというのは状況の異常さであって既視感のあるドラマじゃなかったはず

Q学【3/28-29公演中止】

Q学【3/28-29公演中止】

田上パル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/31 (火)公演終了

満足度★★★★

ありのままの今がまず見えて
それだけじゃない明日がちょっと見えて
過去が有って、それが変わってできた今と明日だったとわかって
そうしたら今も明日も特別に見えてきて
何かしなければいけないように思えてきて
何かが特別になったらそれは劇なんだと
劇だからだれかと分かち合いたい
話の筋もキャラの配分も言ってしまえばよくあるもの
でも飽きずにしかもわからないまま魅せられてしまう
演出の大切さがよくわかる作品
ありえない虚構がリアルな表現で覆い尽くされている
役者の配置が素晴らしいしわかりやすい
とにかく面白くて好きだったこれは

愛する母、マリの肖像

愛する母、マリの肖像

T-works

赤坂RED/THEATER(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

チョコレートケーキ古川さんの脚本ということでゴリゴリに厚い、人と歴史を感じる作品
強い意志、強い信念、強い執念
その強さを支えるものは科学者としての業
生み出したものへの責任と人としての情にもがき立ち向かう姿
ちなみに長女イレーヌはツンデレ

桜の森の満開のあとで(2020)

桜の森の満開のあとで(2020)

Ammo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/03/12 (木) ~ 2020/03/18 (水)公演終了

満足度★★★★

feblabo版は再演、再々演と見てるのでこれで3回目の桜の森
見るたびに腑に落ちるものが増えていく
これまでの版よりマツカゼのくだりなど増えて全体的に笑いが多めの印象でそれぞれのキャラにハマる役者を上手く当てている
とても完成度の高い激論劇
歳を重ねると生活保守主義となっていく
動けなくなった自身の存在は安定と他者への負担をもたらす
そこにはこの劇のように答えは無い
演劇というものだって現実を生きる僕たちの地続きとなる瞬間がある
議論の声が自らの声と重なる瞬間
客席と舞台に仕切りが無いことの意味を知る

バロック

バロック

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

タワーオブテラーのような
ホラーっぽくはあるけど基本的に楽しかった
音響とか照明とか美術も役者も舞台を形作るもの全てが素晴らしくて
後半の超能力バトルのような展開も一時も飽きることなく
とにかく楽しかった

優しい顔ぶれ

優しい顔ぶれ

らまのだ

OFF OFFシアター(東京都)

2020/03/06 (金) ~ 2020/03/11 (水)公演終了

満足度★★★★

「あたらしいニュース」が秀作だった
竹井亮介さんが演じていることもあって、とても軽いタッチのコメディとして笑えた
また、それぞれの矜持を侵されることへの憤り
持たざることもまた選んだ道で、誰もが詭弁を使って矜持を保つのだ
高見役の宮原さんがそこを上手く演じてた

第二回目「よにん」

第二回目「よにん」

嶋谷佳恵(劇団肋骨蜜柑同好会)×髙橋紗綾企画ふたり

rusu(ルス)(東京都)

2020/03/03 (火) ~ 2020/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

それぞれ自らの理が強い4人が語り合えば
正しさが不明となる空間と化す
それぞれのおぼろげな動機に正体を無くす
こんなにも近くで明瞭な言葉なのに舞台上に靄がかかる
ぼくらに見えているのは長いフィルムの短い一コマ
その一コマにどこまでも思案を巡らせる

嶋谷さんは訝しい、ただひとりこのフィルムを回す人
高橋さんは可愛らしい、届きそうな夢や願望に踊らされる人
五十里さんは生々しい、真夜中にふと目覚めて書いた文章のような人
森口さんは空々しい、誰よりも明日を夢見ている人
そんな、よにん

そらごとVer
台本も配役も一緒だが演出が異なる2バージョンで
主にそれぞれの役作りが大きく変わっていた
物語はより日常的思考を持った人に感情移入してしまうもので
Verによりその軸となる人物が変わって見えるのが面白い
嶋谷さんは脆い、打ち返す壁となる人
高橋さんはエロい、地面から浮いて誘う人
五十里さんは変わりない、ただ生きている人
森口さんは軽い、誰かの持つ風船

観客はそんなよにんを繋ぐ集合的無意識
観客の目を通して姿の変わるよにん

朝焼けの向こうのトランジスタ

朝焼けの向こうのトランジスタ

南京豆NAMENAME

王子スタジオ1(東京都)

2020/02/27 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

若くもなく終わりきってもいない谷間の世代の先の見えないモヤモヤや吹き溜まり感を描かせると上手い
密度の高い台詞にスピード感が伴っていて、その世代を映し出すリアルさが物語に厚みを持たせていた
反面、心象的な終盤の場面は冗長だったかなと
あて書きに近いキャラクターが多くて、赤猫座さんのメンタル戦国武将は恐ろしいほど納得してしまった
池田さんもそのままで面白い
加藤さんは台詞の言い方に癖はあるけど色気がある
それぞれの声の質が掛け合いの会話劇には向いている
不幸を傷を舐め合うというのは本当に駄目なことなんだろうか
若く未来のある人には毒だとしても、何もない同士にとっては蜜なのだ
お互いのことなんか考えなくて、お互いに蜜を舐め合えばいいじゃないか
誰かのためにだけ出す蜜は美しいじゃないか

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