mistaの観てきた!クチコミ一覧

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〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』

〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

とにかく普通に面白い会議物コメディ+怒濤の伏線回収部という構成であり、コメディの観劇経験や好きな芝居の趣向によって感じ方は色々あると思うが、これだけの熱量を感じられる舞台はそうそう観られるものではないと思う
何かを考えたくても、こちらの脳味噌や身体に無理やりでも台詞や情報を詰め込まれてくる感じで、一種の洗脳行為じゃないかと思うくらい
これはやっぱり破壊行為がメインの作品であって、保守的な自分と野次馬的に「壊せ!壊せ!」と叫ぶ自分をくすぐり、囁き、そそのかす悪魔的作品。その悪魔の誘惑に身を委ねるのも悪くない

15 Minutes Made Anniversary

15 Minutes Made Anniversary

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

10周年ということでキャラメルボックスや柿喰う客から地蔵中毒まで、フーコーの振り子的な振り幅の豪華なラインナップ。
・柿喰う客「フランダースの負け犬」。膨大なテキストを独特のリズム・話し方でギュッと握り固めて塊にして投げかけてくる感じ。流石の観せ方だし流石の力量。モニター映えする場面場面と陰影が印象的だった
・吉祥寺シアター演劇部「ハルマチスミレ」。我々大人が懐かしむエモい時代をまさに今生きている高校生たちの中にも有る、過ぎていった時間。彼らの時代の跳び方を今ならわかる気がするけど、彼らにその跳び方は教えられないんだろうと感じた。直情的な面白さだった
・梅棒「BBW」。踊りと音楽と演劇と、って絶対自分の好みだけど、底のない沼にハマるのが怖すぎてあえて避けていたのに、ついについに観てしまった、、、やっぱり凄まじく好きなタイプの激楽しい作品だった、、
距離を置いてお付き合いしないと地獄まで落ちるタイプの面白さ
・劇団「地蔵中毒」。いつもの地蔵中毒だった。吉祥寺シアターという場所に、インスタ映えする舞台装置の中に置かれて観る地蔵中毒は、なんか超高級ホテルで観るペイチャンネルのような感じだった。まぁでもラジオリスナー同士の妙な連帯感的なノリのいつもの雰囲気もやっぱり好き

翼とクチバシもください

翼とクチバシもください

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

観劇から時間が経っても、いや経つほど残像が消えない
クロムモリブデンは初観劇
観終わった後はやや圧倒された部分もあってかそこまで心が動かされた感があったわけではなかった
しかし、時間が経てば経つほど、脳が整理して言語化というか感覚化していっているのか、場面や台詞、登場人物の表情などが薄れるどころかくっきりと思い出せ、リズムを刻むように頭のなかで踊りだしている状況

役者さんが全員存在感が半端無くて技量も素晴らしかった
荒涼とした心象風景をステージに、心地良いテンポとリズムの中で暴風のように過ぎ去っていく場面場面が非常に楽しかった
DVDが早く欲しい

Maria

Maria

牡丹茶房

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

僕たちが過ごす日常でさえ、こんなにも面倒くさくて複雑で時々面白かったりするのに、
虚構の世界で作品で自らを投影したり、面白さを追い求め内なる世界を表現しようとしたりする、
作家という生き物の強欲で罪深くて哀しい物語。それが汚くて綺麗で、嫌悪して愛おしかった
登場人物それぞれのエゴでラッピングされた物語で、純粋に好きだけじゃ満たされない、与えるだけでも満たされない、
誰かに自分自身の生存証明をしてもらいたい物語
「特別」が身に降り掛かって、特別な景色を見られる場所に立てたとしても、光がなければそこから何も見えない
悲しいとかじゃなく、自分自身にもあるエゴや立場や人に対する感情を揺さぶられて、久々に涙腺を刺激された作品
もう一度観たいと思わされたし、登場人物の感情や台詞を反芻して、しばらく口の中でもぐもぐしたい作品だった

浅見さんの使い方がわかってるなぁという配役だった

無情

無情

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2016/08/24 (水) ~ 2016/08/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

愛の表し方
MCRは初見だったが、笑えて、泣けて、感情を揺さぶられて、帰り道でベッドの中で思い出し、考えさせられる良いお芝居だった。
ちょっとずれた会話で笑わされて、嫌悪感を受ける登場人物でこころをささくれ立たされて、とにかく感情を引き起こして揺さぶって放り投げてくる素晴らしい構成
本当にどうしようもなく絶望的な時って、笑ってしまったり、傍から見たら笑えるような行動をとってしまうもので、泣いても笑っても構わないとボールを預けられたような気分になった
そして想像した。僕が飴玉を贈ったら、あの娘はどんな顔をするんだろうと

ネタバレBOX

そうなんだよ、そういうことなんだよと思ったのは、櫻井さんが演じる男性がたなか沙織さん演ずる女性を好きな理由として、芸能人とかよりもとにかくすごくかわいくて綺麗だと言うところ。
たなか沙織さんは確かに綺麗なんだけど、客観的立場からすると絶妙に誰よりも何よりも綺麗で可愛いかというと。。。。となるわけで
でも自分に置き換えて考えてみても、人を好きな理由なんて、その時点でその瞬間でその時の脳内で、総じて自分の人生で一番可愛くて綺麗だと、何らかの脳内物質のせいだとしても思い込みだとしても思うところが少なくとも有るからで、それが全てでそれが全てなんだと思った
君がくれたラブストーリー

君がくれたラブストーリー

シベリア少女鉄道

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

とにかく面白くて、すごく面白い(語彙力)
シベリア少女鉄道の舞台は基本的に、ネタバレ無しでは説明できないのですが、今回の作品はシベリア少女鉄道の中でもかなりの破壊力
3回観に行ったが、全て終盤の畳み掛けのところで会場が大爆笑となっていた。上演時間は75分くらいの長さだったが、笑い疲れて上演後の虚脱感が半端無かった

ネタバレBOX

序盤、カードゲームに興じながらギャング風な台詞とそれっぽい芝居が展開されるが、どんな場面でもカードを場に出すのを止めなかったり、ちょっとした間とか違和感を紡ぎ出していった上で、芝居そのものがカードに書かれた台詞を使ってそれっぽい芝居をするゲームだということが中盤で判明する。
シベリア少女鉄道の劇は、序盤の伏線を仕込む部分が唯一の難点だと言われるが、今回の舞台は上演時間自体も短く伏線部分もすんなり消化できた。
中盤のネタバラシの時点で驚きや笑いがあるのだが、この劇の肝はここからで、同じカードを使って再戦されたところ同じカード(台詞)でも全然違った意味になっていくところで爆笑に次ぐ爆笑となる
そこからはシベ少お得意の伏線回収やアニメ・マンガ・映画等のネタなども織り交ぜて舞台上は荒れに荒れて見事なオチまで一直線だった
世の中には頭のおかしい天才と馬鹿を併せ持った現人神が存在することがよくわかる舞台だった
ホテル・ミラクル5

ホテル・ミラクル5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/12/01 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラブホテルを舞台にした4つの短編集
今回の4人の脚本家さんは、全員過去に作品を観たこと有る人達だったんだけど、いかにもな味を出していたり、ちょっと変化球で来たりと全体としてのしたり感。小劇場界指折りの実力者の脚本と魅力的な役者が揃った公演

「ミラクル戦隊」
価値観の相違や理論と行動など、思考という盤上で踊る男と女という構図なんだけど、非日常な設定や矮小なリアルさと相まって、なんか笑える会話と男のどうしようもなさで溢れる板の上。目の前の感触に思考はぶっ飛ぶし、隠したままでは経験にならないという当たり前のような結果もつながってみなければわからない
「クロースチーム」
劇中の脚本家設定とかホテルを舞台にした作品とかしりとりの話とかホテミラファンとしてくすぐられるし、そういった構造も含めて狐につままれるような作品。熊子さんの印象付けしづらい雰囲気が作品の展開に上手く作用していてやられた感じ
「やっちゃん×チャーコ+ミズオ」
いやもうね無茶苦茶なんだけど面白い。関係性が絡んだ心理劇かと思えば、ストレートの殴り合いだったり、触れ合いのリアルだったり痛みの虚構だったりふっ飛ばされた。久保さんってこんな面白い演技ができる人なんだと知った
「きゅうじっぷんさんまんえん」
今回の4本の中でも特にお気に入り。可愛い女の子2人にこんな不器用な人格対話をさせるなんて屋代さんは本当に変態だと思う
屋代さんの脚本では何故か風俗嬢を演ることになる大田さんはキョドってるネガティブキャラが異様にしっくりきていて素晴らしかった

残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!

残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!

シベリア少女鉄道

サンシャイン劇場(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

サンシャイン劇場という大舞台に持ってきたのはシベ少得意の鉄板パターン
前半の普通なコメディ部分も安本さんのアクトで笑いが増し増しのまま、後半の頭のイカれてるパートへ突入する隙の無い展開
土屋さんは本当に頭のおかしい天才

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

シチュエーションコメディとはなんなのか?
アガリスクエンターテイメントは「屁理屈シチュエーションコメディ劇団」と自ら名乗っている
今回の公演は、その劇団のアイデンティティを遺憾なく発揮した公演だった
シチュエーションコメディに対する愛を恥ずかしげもなくさらけだした「七人の語らい」
三谷幸喜に対する愛憎を屁理屈で綴ったラブレター「笑の太字」
シチュエーションコメディとはなんなのか?
アガリスクエンターテイメントがその答えに一番近い劇団なのは間違いない

ネタバレBOX

「七人の語らい」の終盤、斉藤コータさんが顎をしゃくれさせる顔芸で客席+俳優陣たちも爆笑に巻き込む場面が有る。これだけシチュエーションや屁理屈などで笑いを取っている劇団の公演なのに、たった1つの「顔芸」がその劇での一番の爆笑をとってしまう。これはシチュエーションコメディの敗北なのだろうか?
この場面について、自分なりに考えてみた
問題の場面に至るまでのこの劇の仕組みには階層があるように感じる

1段目
矢吹ジャンプという登場するだけでシチュエーションコメディの空気になる舞台装置を活用して、シチュエーションコメディの世界観を構築
ソファや絵画の小道具や、演者のシチュエーションコメディらしい台詞回しで世界観を完成させる

2段目
シチュエーションコメディとして演じていた部分に無理が生じると演者自らが指摘。是正して演技を続ける。是正されたルール(法案)には誰も逆らえない強制力を持つ。また、この部分が基本となって行く部分で、我々観客は1段目と2段目を行き来することになる。
2.5段目
演技を止めて是正する際も役者は素に戻るのではなく、それぞれギャグ系のお笑いが好きな役者、スタイリッシュなコントをしたい役者、小道具などで心情を作っていく役者など設定を持っており、ここも更にシチュエーションコメディに文句をつける人間という役という入れ子構造になっている

→こういった世界観の中で、多数決という正当な手続きを経てジョン(斉藤コータさん)は顔芸で笑いを取ることになる
つまり、顎をしゃくれさせて笑いを取ろうとする人物が舞台上にいるというのは、ヘッドフォンを使うことや、舞台装置のスタイリッシュ化等と同様にこの舞台上の世界での真理となっている。これはシチュエーションコメディを守ろうとする矢吹ジャンプでさえ守らなければいけない真理だ。というよりも、ここで決められた事を守るという事自体が一つのシチュエーションとなっている。そして登場人物はそのシチュエーションの世界で(本来のシチュエーションコメディからみたら破壊された世界だが)真面目に役割をこなしていく

つまり、あの終盤で斉藤コータさんの顔芸があんなに面白いのは、劇が進むに連れて作られ、観客が受け入れてきた世界観とそれによって作られたシチュエーションの中で、そのルールに従って真面目に顎をしゃくれさせているという状況が面白く、役者も観客もルールを守るために変顔に対してツッコミや演技を止めたり感情にブレーキをかけられないという状況が面白さを倍増させているのではないかと思う。
そしてそれは、そこに出来上がった状況・シチュエーション・設定に従い、真面目に演じれば演じるほど笑いになるという、まさにシチュエーションコメディの世界の掌の中でのできごとでしかないということではないかと思う
シチュエーションコメディは負けておらず、むしろ懐の深さを見せつけている場面なのではないかと感じた

※ただ、斉藤コータさんの顔芸自体が面白いのも間違いない事実
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◆ついでにもったいないなと思った部分
 笑の太字で、生徒と指導教官がどうやったら笑の大学じゃなくなるか、いろいろ案を出すくだりで、最初は上司と部下ときて、次に生徒と教師となった時に、会場の空気が、「それはこの劇(笑の太字)のことじゃん」という雰囲気になって笑いが起きた
 →劇中ではすぐ「志望理由書」のことだという流れになるのだが、観客としては肩透かしを食らったような変な空気が残ってしまった。このもやもやはもったいないなと思った
オーラルメソッド4

オーラルメソッド4

シンクロ少女

駅前劇場(東京都)

2017/12/12 (火) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

40歳の童貞男:
とにかく笑えて感情を揺さぶられて馬鹿馬鹿しくて、ただ面白いんじゃなくて凄く面白い
こういう作品が存在することを知ってしまっているから僕は小劇場に通っている
声出してツッコミそうになったり、頭抱えたり、一緒に変な顔になったり、没頭感が半端なかった
未経験のことや未体験の感情ってのは何歳になってもきっと有って、そういう時に自分の気持ちとか正しい行動ってのは本当にわからなくって、だから誰かにいて欲しいし、だから自分を嘘にする
オーソドックスで直球なんだけどまともにくらうと根こそぎ感情持ってかれる作品

This is 30:
この先に見えるものもそこへの向かい方も三者三様の三兄弟。けして同調できない有り様なのに共感を呼び起こされる不思議
コントチックな演出とパワーでねじ伏せられる展開、何故か憎めない愛おしさに三人まるごと抱きしめてあげたくなった

LOVE Chapter1:
あぁ男ってやつぁ、あぁ女ってやつぁって感じで
こんなに笑えんのに素敵なのに、観ている自分自身へと降ってきて痛めつけてくる作品で、どんな瞬間より表情豊かに舞台に見入る自分がいた
僕は自分に不向きな人生に気付くのに後何年かかるんだろう
色々思わされたり、色々感じたことはあるんだけど
とにかく作品としてめちゃめちゃ面白かったし、大好きで愛してる
櫻井さんも名嘉さんも横手さんもおがわさんも最高で、本当に再演してくれて感謝しか無い

ナイゲン(2016年版)

ナイゲン(2016年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

何度観ても面白い
違う角度で2回観ました
アガリスクエンターテイメント版も含めて、もう10回以上観てるのに、まだまだ面白い。キャラクターの作り方や役割、会話や関係性に散りばめられた伏線。とにかく台本が素晴らしく、それに負けず演じる役者さんたちのパワーも素晴らしかった。今後も夏の恒例公演となってほしい

ネタバレBOX

本家アガリスクエンターテイメントとの違いについて
まず、オープニングアクトとしてペットボトルを使ったアクションが追加
役者陣も若い役者が多かったので(現役高校生も!)より舞台設定である高校生の会議という部分ではリアリティが増した
脚本自体に大きな違いはないが、おばか屋敷がツーステップを踏んで説明したり、それぞれの解釈での演技になっているので受ける印象はだいぶ違った
終盤のどさまわりと花鳥風月のやりとりもだいぶ印象が異なった
そして一番の印象の違いといえば、監査。アガリスク沈さんの動じない手強い機械のような監査も良かったが、二宮さんの監査は時折溢れ出る人間らしさが魅力的で、機械というよりアンドロイドといった感じ。
海のYeah!のトイレのくだりでの規則説明時のやりとりも、直前のミニスカサンタの復讐的な感情が見え隠れして非常に良かった。
また、終盤の「誰か私を説得して」からの監査無双も素晴らしく、「監査萌え」なる概念を新たに紡ぎだした二宮咲さんに拍手を送りたい
時をかける稽古場2.0

時をかける稽古場2.0

Aga-risk Entertainment

駅前劇場(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

 初演から物語として通過するポイントは変わらないんだけど、細かい部分からリビルドされた物語は受ける印象が初演とは全然違うものとなっていた。思うに役者さんたちの成長と言うか、初演以降この世界で経験してきたものが表に出来てた感じ
 この劇の面白さの一つに心地良いテンポの台詞の掛け合いがあげられる。最初の坊主ゲームのように次々と爪弾かれる台詞が、時にハモり、時にビシっとしたツッコミとなるのが非常に気持ち良い
 津和野さん・コータさん・塩原さんのおふざけトリオは今回も健在どころかパワーアップしていて、物語を進めるのも面白くするのも3人の掌の上。アツシの鉄板具合はもはや城壁ぐらいの分厚さ
 この作品何が凄いって、ストーリーの筋やバランスだけでなく、展開の強弱やアクセントやがしっかりと背骨になっていて、観ていて恐ろしいほど引っかかりがなく話が入ってくる上手さが有ること。それを基盤にコメディ的笑いを乗っけてくるんだからそりゃ面白い

Dressing/Dressing UP【本日いずれも当日券あります!13時U、16時U、19時D

Dressing/Dressing UP【本日いずれも当日券あります!13時U、16時U、19時D

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

熱血青春スポ根ガールズバー物語
両方見ましたが、とにかく面白かった。
一応、片方だけ観ても楽しめるとは思うが、一応「Dressing」→「Dressing UP」の準で観たほうが隅々まで楽しめると思います。

自分は女の子ではないけど、これまでの人生で出会ってきた女の子や、見てきた女の子達がたしかにそこにいました。
現実感がありすぎて、初めて舞台上の登場人物に心を奪われてしまったくらい。
ガールズバーでの物語だけど、とにかく熱くて、個性的で、青春していて、見ているこっちまで熱が伝わってくる舞台でした。
話のベースがコメディチックなので笑えながらも、そこに真っ直ぐな熱さを混ぜられるとギャップで思わずジーンとしてしまった。
特にUPに出てくる能澤佑佳さんが素晴らしかったです。
とにかく好きな作品です

ネタバレBOX

~注意事項~
・川島さんの猛獣のような勢いに思わず、喰われるのではないかと腰を引いてしまいますが、客席までは熱さだけしか届かないので安全です
・葱は飛び散り方が日によって違います。客席直前まで飛んで来ることもあります
・その直後にフライパンによる鐘が鳴ります。右側のきいちゃんに気を取られているとふいを付かれて凄いびっくりします
・カップ麺の匂いは、家に帰ってからも脳内再生されます
新宿コントレックスVol.15

新宿コントレックスVol.15

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/11/22 (火) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

今年一番笑った
アガリスクファンの自分だが、電動夏子安置システムは公演やDVD観ており、中野劇団は観劇三昧の動画で観ただけ、順風男女は完全初見の状態。
MCの斉藤コータさんが会場を温めつつも、各団体のファンが多いので、元から会場はだいぶ温まっている感じ
トップバッターの中野劇団から最後のアガリスクまで、爆笑に次ぐ爆笑で、2時間笑いっぱなしだった。笑いの量で言えば、今年一番のイベント。各劇団、持ち味が出ていて、それぞれ雰囲気や笑わせる手法が全然違うのに全て高レベルでとにかく素晴らしかった

ネタバレBOX

中野劇団は「誘拐」
家にやってきた借金取りに対応する妻と夫が、なんとかやり過ごそうとアレコレする、フォーマットとしてはシチュエーションコメディ。
しかし、借金取りが嘘を見破ることができるという能力を持っていることで、普通であれば「嘘をついたり」「誤魔化したり」するシチュエーションコメディの基本的な事ができなくなっており、この構造が笑いの構造に深みを与えていて素晴らしかった。

順風男女はショートコント集
ここはとにかく飛び道具が卑怯なまでの破壊力。ライザップの人は会場中に強烈なインパクトを残していたし、平野さんの女装も出てきた時に普通に吹き出してしまったレベル。とにかく隅から隅まで笑わせようとする心意気が伝わってきた

電動夏子安置システムは「Layerman」
2つのフリの芝居を見せたあとで、それを重ねて一つの空間で見せることにより起こる変に噛み合った会話などで笑わせる仕組みの芝居。
こういった仕組みの芝居やコント自体は目新しくはないのだけど、この劇団の凄いところは、道井さんとなしお成さんという、タイプの違った強烈な個性の役者をいじり役として投入できるところ(今回居なかったけど、渡辺美弥子さんというさらに強烈な人もいるし)
重ねられたレイヤーの上を歩いてツッコんで叫ぶ二人がとにかく面白い

アガリスクエンターテイメント「ハイベン」
給食センターで、就業中のハイベンが禁止されたらという、現実に会った事案をモチーフにした劇。押し付けられた不条理な要求に対して、皆で考えながら、時にぶつかり時に結託して、一つの答えを出していくという大枠では「ナイゲン」的なものを持っていながらも、話の半分が大便だったり小便だったりするので真面目に語れば語るほど馬鹿馬鹿しく見えてくるのが愉快
沈さんが監査的だったり、熊谷さんが原理主義的なセリフを言ったり、ナイゲン+紅白旗合戦的なファンサービスもふんだんに有って嬉しかった。
いつのまにか結構な人数になった劇団員+矢吹ジャンプさんで、短い時間ということもあり一人1キャラ的な設定。この時間でこのキャラと展開とラストを上手くまとめた富坂さんは流石と言える。
榎並さんを単なる可愛い子じゃなくて、ある意味クズっぽい感じを出してくれたのは、当て書きが上手い演出家ならでは。
うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

救いようのない喜劇
結構やられた。俯瞰で見ると悲劇、間近で見ると喜劇な感じ。細かいボケやメタネタ、くすぐりが満載。最後はどんでん返しでも伏線回収でもないのに本当にやられた感。

今年観た他の作品とのバランス考えて★5に修正。
DVDで見返したけれど、ラストの展開については今年1番の作品かもしれない

ラクエンノミチ/ボディ

ラクエンノミチ/ボディ

日本のラジオ

シアターシャイン(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

初見の劇団だったんだけど、非常に面白かった。人物造形というか登場人物の見せ方が上手くて、必要以上に説明しないんだけど、いつのまにかスルッとそいつがどういうやつか頭にインプットされていて、それが効果的にストーリに使われている感じ
ラクエンノミチは、何もかもどうしようもなくても好きな誰かのためなら道を歩けるという話。北野映画的な淡々なのに容赦のない、救いがない日常とそれでも笑える日常。役者さんたちの上手さもあって、観た後に耳がツーンとなるような感覚
ボディはこれまた凄いもの観た感。得体の知れない気持ちが共有したくないのに入り込んでくるようで、恐ろしさと拒絶感とムズムズとくるエロティックを感じさせられた。

60'sエレジー

60'sエレジー

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/05/03 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

五輪や高度経済成長と日の出の勢いの時代において夕陽に染まる人達。優しさに包まれた空間の舞台上の様子についつい笑顔になってしまう。とにかく吸引力の有る舞台。テーマを押し売りせず、人の在り方を見せられるから、何でも無い場面でも泣かされてしまう
西尾友樹さんはやっぱり凄い素敵。こんなに可愛げと愛嬌のある役者さんはなかなかいないよね。足立英さんの15歳にも見える朴訥感と子供でも大人でも無い表情が凄い良かった。役者さんの所作や背中姿、言葉の置き方がキッチリしていて素敵

不謹慎な家/佐藤さんは殴れない

不謹慎な家/佐藤さんは殴れない

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2017/05/12 (金) ~ 2017/05/17 (水)公演終了

満足度★★★★★

MCRらしい、笑いと感情に溢れた作品2つ
登場人物の吐き出す言葉がとにかく笑える。別にギャグみたいなことやボケ・ツッコミみたいな会話ではないのに、真面目に言っている状況であったり異空間な状況を作り上げる言葉が楽しい。
パンチラインだけで構成された場面もあったり、笑いの残響がこびりつくような言葉があったりする。
今回は笑いと感情の比率は笑いが多めだけど、それでも振り幅あって心が揺らされまくって最高だった
「佐藤さんは殴れない」の方は元ネタ知っていると笑いが2割増しになるが、知らなくても面白い。堀靖明さんのパワーが炸裂していて、不謹慎な家よりこっちの方が一歩ぶっ飛んだ感じ。時々まっとうに感動するような会話の時も絵面がおかしかったり、でもしっかりと受け止めようとすれば感情に作用する。

夢見る乙女じゃいられない

夢見る乙女じゃいられない

たすいち

シアターKASSAI(東京都)

2017/03/23 (木) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

 たすいち「夢見る乙女じゃいられない」観劇。とにかくまず、オープニングがカッコ良すぎ。リピートして何回も見たいくらい。「夢」というのがテーマとして強く見えるけど、実際は鏡に写ってしまうくらいの等身大の自分自身というかリアルな自分ってやつが主題として自分に跳ね返ってきた
 たすいちの作品は元々コミック的な動きや表現が多いので、今回の漫画世界とを行き交う舞台はまさにドンピシャ。大学同人サークルの先輩後輩役、梁稀純さんと二宮咲さんの破壊力が凄くて、漫画の登場人物や妖怪よりもいっそ現実を飛び越えた存在感だった
 夢見てるから儚くて、だけじゃなくて、夢があるから頑張れる、だけでもなくて、夢から逃げても向かっても変わりようのない部分が人の心には有って、そこの部分を誰かに伝えたり話したり表現したりすることでも生きていけるって話だと僕は感じた

『LOVE』Chapter2

『LOVE』Chapter2

シンクロ少女

OFF OFFシアター(東京都)

2018/01/29 (月) ~ 2018/01/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

歳をとると何かにつけてエネルギーが無くなって
恋愛だって面倒くささが上回って、表面上の優しさしか与えられなくなって
それでも舞台上の2人をヒーローショーを観る子供のように身を乗り出して髪かきむしって見守って
この作品は信じてさせてくれる、人を好きになる事の意味を
自分は舞台上に自分がいると思える作品がとにかく好きなんだけど
この歳でこのタイミングでこの芝居を観られたことをみんなに自慢したいし、
性別とか年齢とか楽しめるレンジは広い作品ではあるけど、自分こそが一番この作品にクリティカルヒットされたんだって言い張りたくなる
面白すぎて好きで、もう続きが見たくてたまらない
きっとChapter3からいきなりチケット代1万円とかになっても観に行ってしまう
あと不謹慎な家でもそうだったけど、徳橋みのりさんが男にとっての母性そのものなんだよなぁ
そりゃぁ男は徳橋さんに惚れるよ

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