毛皮のマリー
青蛾館
テアトルBONBON(東京都)
2013/10/02 (水) ~ 2013/10/06 (日)公演終了
満足度★★★★
寺山修司の怪作
これぞ耽美極めりといった寺山修司の怪作を、肌で筋肉で脂肪で表現し切っていて圧巻でした。野口和彦さんの笑うセールスマンもかくやといった独特の声や、しっとりむっちりした肌に目が吸い寄せられ、役を抜きにした存在感は天性のものだと感心しきり。
そしてアフタートークの面白かったこと!かつて寺山修司や美輪明宏さんと毛皮のマリーで共演した役者さんたちが語る当時の裏話は貴重でした。舞台には実際に人を殺せる効果がある、と述べた寺山修司の「毛皮のマリー」によって、確かにわたしの何かが壊死した。何が壊死したのかは分からないけれど。
男おいらん
株式会社FPアドバンス
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/08/22 (木) ~ 2013/09/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
耽美溢るる
当時と現代の融合がなされた衣装の艶やかさが楽しくって。花魁道中のシーンではSMチックな厚底ブーツ、帯がコルセットの遊女もいたり、和装の縁にはフリルに頭はリボンと、和洋折衷のゴスロリ衣装に目を奪われました。
特にキャラクターのバランスが絶妙で、花魁にも柔らかく美しいひと、勝気な蠱惑さに溢れたひとと、禿のふたりの無邪気な掛け合いでリズムを取りと、脚本が練られているわあと。
本当ならば、三組ともに観劇して、さらには同じ組のを二回観て、細かな違いを楽しみたかったものです…。ため息の出るほど美しい世界でした、素晴らしい舞台をありがとうございます。