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月の宴『ヘッダ・ガーブレル』新人公演『桜の園』

月の宴『ヘッダ・ガーブレル』新人公演『桜の園』

演劇集団アクト青山

APOCシアター(東京都)

2015/04/07 (火) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

ヘッダの悩み、歪み、弱み

ヘッダ・ガーブレル

大好きな戯曲。

特に、エルヴステッド夫人役の岩崎友香さんが魅力的でした。

ヘッダのように派手な華やかさはないエルヴステッド夫人の、聡明さと仕草のたおやかさ、満たされない不幸な女感(?)か絶妙だった。あと、お綺麗だった。笑

ヘッダは非常にエネルギーと迫力があり、人々を引っ掻き回す暴力的なまでのパワーもあった。が、それだけに我儘な女がその報いというか裁きを受けて自殺に追いやられる、嫌な女(悪者)が退治される、という構図に見えてしまわないよう、注意が必要な、ような。ヘッダ役の女優さん、可愛らしいのに、見た目から勝手に予想していたよりも声が低く、絶妙に色っぽかった。ので、個人的には、もう少し、迫力でなく、何故かわからないけれど人を掴んで離さない不思議な魔力的な魅力が欲しかった、かな、と、思った。

男性キャストの俳優のナルシズムが時折ちらりちらりと見られ、折角のいいシーンで集中を折られたなぁと感じる所が数回あったけれど、テスマンのキャラクターが絶妙で観ていてとても心地よかった。

評論家気取りで色々書いてしまったけれど、全体としては、長いのに全く飽きる事なく最後まで観た。役者さんが生きるためにも、この強力なイプセンのテキストに対する演出家の解釈、のようなものがもう少し強くてもよかった。

舞台も、個性的な劇場の形を生かしていて面白かった。特に、テスマンの仕事机ひとつの向きで舞台の正面がぐるりと変わってしまったのには驚いた。

劇場の階段や入り口に小道具が置いてあるなど、小ネタも「あぁ!あれ!」となり楽しかった。

『ヘッダ・ガーブレル』

『ヘッダ・ガーブレル』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2014/05/29 (木) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ヘッダに夢中
どこからどこまでがネタバレなのかわからないので全部まとめてネタバレに書きますが、

ネタバレBOX


正直なところ、独特台詞廻しと独特な動きのせいで、最初におばさんと女中の会話が始まった時は(うわー、このかんじで2時間はツラいな…)と思ったのだけれど、そのテンポにのってくると(慣れてくると)それが面白く、ぐいぐいと引き込まれた。

途中、役者の集中力が保たず、リズムが崩れて危うい場面も幾度かあったけれど、ブラック判事とテスマンが奥でパンチを飲んでいて、ソファにヘッダと2人が座っていて、というシーンで僅かに身を乗り出して芝居に見入っている自分に気づいて静かに座り直した。笑

それぞれ皆、人が羨むようなものをなにかしら持っていながら何故か何処か満たされない、他人が羨ましい、妬ましい。

女性であることで生じるヘッダのコンプレックスの描かれ方がとても良かった。

夫の仕事を支え社会的に必要とされる人間になれない。結婚生活は退屈でたまらない。判事と不倫関係になることで“女”としての或るひとつの生き方を模索するがうまくいかない。別れた男の成功の裏にいたのは女としての魅力でいえば自分に劣っているように思われる学生時代の友人。美しく奔放、何処までも自由でとても不自由、横暴で臆病なヘッダというヒロインに皆が好感を抱くかはわからないが、魅せられ夢中になったのではないだろうか。

エルヴステート夫人の存在の仕方も非常にうまい。ヘッダのように華やかでない、家庭も上手く行っていない、でも、聡明で、ヘッダの幸せを悪気なく攫い、それに気づかず、自分は不幸だ、満たされないともがいている。


演技が素晴らしかったのは間違いないけれど、イプセンのヘッダ・ガーブレルという戯曲の面白さに完全にやられた。古典なのに褪せていない。素晴らしい。

あと、ブラック判事役の沼田星麻さんという方の声が心地よく、しゃんとした姿とそこはかとない胡散臭さが美しかった。

またみたい。

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