この令和の冬の時代に、君たちはどう生きるのか 2020年3月 unrato#6『冬の時代』上演決定! 須賀貴匡、宮崎秋人、壮一帆ら実力派俳優による超濃密芝居

2019.10.03

演劇ユニット「unrato(アン・ラト)」とぴあ株式会社は2020年3月、東京芸術劇場シアターウエストにて、木下順二氏の戯曲『冬の時代』を上演します。

大逆事件(1910年)以降約5年間は社会主義運動の「冬の時代」と呼ばれました。この時期、堺利彦は「売文社」をおこし、荒畑寒村と大杉栄は、雑誌「近代思想」を発行し、言葉によって世の中を動かそうと尽力し、社会運動だけではなく文化運動にも力を注ぎました。
『冬の時代』には堺利彦や大杉栄、荒畑寒村、伊藤野枝など実在の人物が名前を変えて登場します。
大正デモクラシーの波の中、彼らは考え、葛藤し、そして行動しました。若い彼らは、社会とも自身とも闘い、生きる実感を手にしていきます。奔放な恋愛感、人生感をも行動で示し議論し、芸術や哲学への思いを積み重ねていきます。

劇団民藝での初演は1964年、東京オリンピックの年でした。
2度目の東京オリンピックを迎える2020年にこの物語を上演します。
今の日本も、彼らが生きた「冬の時代」と同様、閉塞感が日に日に増しているように感じます。その現在に生きる私たちは、登場人物の人生の結末をすでに知っています。だからこそ、彼らの力いっぱい生きた姿から学び伝えるべきことがあるのではないかと考えます。表現者として主張し闘い続けた彼らの姿を見つめ直すことで、現代社会へ問いかけ、未来へとつなげたいと思います。

堺利彦がモデルの渋六には、新国立劇場『かもめ』(鈴木裕美演出)のトリゴーリン役も記憶に新しい須賀貴匡、大杉栄がモデルの瓢風には、『ハムレット』(森新太郎演出)などさまざまな舞台で活躍する宮崎秋人、渋六の妻には宝塚歌劇団の元トップスターで近年は『Le Père 父』(ラディスラス・ショラー演出)などストレートプレイでも活躍する壮一帆を迎えます。
ほかにも、多士済々、個性豊かなキャストが揃いました。本公演では、登場人物の実年齢に近い20代、30代、40代の若いキャストを中心に上演します。

知的で情熱的な若者たちの物語を、小劇場の濃密な空間で、現代の若いキャストとともに挑みたいと思います。

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