撃鉄の子守唄 2016年版 公演情報 撃鉄の子守唄 2016年版」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
21-29件 / 29件中
  • 満足度★★★★★

    満足!
    始まりに登場する兄妹、ここからキャラの完成度が高い!脇役にしても各々見事なセンスで彩られている。小劇場の枠越えの見事さ!衣装より芝居が脚本が演出が大事・・・などおっしゃる方たちはいるだろう。勿論、それらも大事だが、その世界観を表す、言わば物語りに観客を引き込む導入部として衣装はとても大事だ。小劇場の場合、予算面にしてもセンスとしても、それが満たされない場合が多い。言わば“小劇場の弱点”。それを克服したものであった。そして肝心のストーリー、これがまた実に楽しい!ガンマンに政治屋に占い師、妖精に守りし一族と冒険活劇としての要素はたっぷり(少々まどろっこしさはあるが)!出演者も粋がイイのがそろっている(確かに少々のムラはあるが)。荒がないわけではないが、満足感たっぷりの舞台であった。

  • 満足度★★★★★

    全然長さを感じさせない グイグイ引き込まれる舞台
     「左利きの拳銃」というタイトルの映画があった。

    ネタバレBOX

    今作にも登場するビリーザキッドとパット・ギャレットのことを描いた西部劇である。無論、この2人は実在した人物でビリーが初めて人を殺したのが14歳、亡くなった21歳までに計21人を殺した西部史上最大のアウトローと言って構うまい。因みに今作に登場するニューメキシコも実在の地であり、フォートサムナーは、ニューメキシコに実在する小さな集落である。1881年当時、彼らはこの町に居た。彼らとはビリーザキッドとパット・ギャレットである。史実と創作を巧みに交差させながら演じられる今作、他にも西部劇では有名なキャラクターが登場する。カラミティー・ジェーン、アニー、バッファロービルなどだ。更に主人公らを襲撃させる黒幕の元大統領・ヘイズ、副大統領ウィーラーらが、エージェントとしてパット、バッファロービル、アニーらを「敵陣」に送り込んでいる点、また更に確実に彼らの罪深き欲望を達成する為に陽動部隊としてならず者を組織し、送り込んでいる周到さが描かれている点である。何より大切な点は、このような人物達が、最先端技術を持った野蛮人という現代アメリカにも通底する本質を巧みに描き出している点である。また、話に捻りが加わっているのも興味深い点である。チプチャの王族、キャロルと共に生き残った最後のチプチャ族、妖術師の末裔シャロンが、元大統領のオブザーバーとしてヘイズにエルドラドでその宝を入手する為のサジェスチョンを与えているのだ。彼女の名前がイスラエルの元首相と重なることも興味深い。
     ところで基本的にアメリカ社会は、知的であることを嫌い避ける傾向がある。所謂反知性主義であるが、それが実施されていることは中に居ては中々理解できない。自己主張しなければ、存在していると看做されないというシステマティックな社会ということもあり、自ら深い内省を通して思想化された言説を述べることができるのは、ごく一部のマイノリティーの中から出てくるインテリのみであり、他ではない。現代でいえば、それらの代表がサイードだったのであり、チョムスキーである訳だ。因みにサイードはパレスチナ人、チョムスキーはユダヤ人である。
     今作はコナン・ドイルを語り部として美しく悲しいファンタジーの形で作られた舞台という形は取っているものの、そして登場するキャラクターは英米や南米の人々中心の外国人ではあるものの、翻訳劇に多く観られるような違和感が無いのは、作家が日本人であり、アメリカによる侵略を受け、実質的植民地としての現代日本に生きる作家だからでもあろう。即ち、此処に描かれたキャロル同様、被差別者なのであり、その視座からアメリカを見ている為に、アメリカの公式の顔ではなく、自分達がその文化・知性の低さを知らぬが故に、他民族を野蛮と看做しジェノサイドを実行しておきながら、自らに都合の良い嘘をでっち上げる彼ら差別者の、血塗られ極めてプラグマティックな虐殺史が描かれ得たのである。一例を挙げておけば、西部劇で良く使われるプロパガンダ“インデアンは残虐だから殺した白人の頭の皮を剥ぐ”というのがある。史実はまるっきり逆で、ネイティブアメリカンを騙し尽くし、殺し尽くす為、侵略者である白人は、ネイティブアメリカンを殺した証拠に頭皮を剥いで保安官事務所へ持ち込めば賞金がもらえるというシステムを作り実行したのである。当時、白人たちが嘯いていたことばに「良いインデアンとは死んだインデアンである」というものがあり、これは現代イスラエルが初代首相、ベングリオンの施政方針とした国境を作らぬこと、ネイティブをジェノサイドによって滅ぼすこととそっくり同じなのは、ベングリオン自身が証言しているようにアメリカの真似をしたからなのである。無論、シオニスト達の暴言には現在でも「良いパレスチナ人とは死んだパレスチナ人である」というアメリカ人の発想とそっくりな表現がみられる。彼らがテロリスト呼ばわりするイスラム教徒の大多数は、力を行使して戦うことを望んでいるのではなく、ネイティブ・アメリカンと同様、侵略され、占拠され、支配されて人間の尊厳を奪われることに異議申し立てのデモを組織したりしているのであり、それは人間として当然の権利だ。従って欧米と米国植民地日本の体制派は、イスラムフォビアを即刻止めるべきなのである。
     休憩を挟んで3時間10分という大作だが、作家のナツメクニオが言うようにハラハラドキドキの悲痛で美しいファンタジー形式を取っている。が、今作のインスパイアしてくれる内実には、以上に上げたような、現代社会に通じる、深くリアルな差別主義をベースにした、技術を持つ野蛮人の本質も描かれていると考えるべきであろう。而も英語という言語は、その場に居なければ事実か否か確認できないという言語として決定的な弱点を持つ言語である為、為政者はその言語特性を支配や外交に利用してきた歴史を持つし、現在においてもその流れは変わらない。
     作品の長さを感じさせないでぐいぐい物語にk\引き込んでゆくシナリオに花のある林 遊眠のキャロル役、中心になるキャラクターには上手い役者を適格に振って絞まった舞台にしているキャスティング、ファンタジックな美しさを演出した照明や、情感を盛り上げる音響もグー。
  • 満足度★★★★

    格好良い、熱い芝居
    幕が上がり、まず一言目の役者の方の声に圧倒される。
    他の役者一人一人か魅力的であり、面白い凄い。
    そして、西洋劇ならではの銃のアクションシーンも恰好良かった。
    とても良かったです。是非是非この凄さを生で体感して欲しいです!

  • 満足度★★★★

    ショウダウン節のマカロニウエスタンファンタジー
    3時間長編 27人の幅が広い出演陣 臆病者 銃を捨てた男 魔法 キャロルの背中 二人の恋 最後にその場所には・・・人の愚かさと、優しさ強さを感じた。 子供の頃に白黒TVで観た映画マカロニウエスタンの様にハラハラドキドキ  ショウダウン節のマカロニウエスタンファンタジー 楽しかった。 

  • 満足度★★★★

    西部劇だけじゃない
    3時間の長丁場を、2幕に分けての上演。西部劇だけじゃないストーリーを、ガッツリ見せてくれます。
    個人的に本作での役者陣で注目は、女優は植木歩生子さん、男優は升田祐次君の2人です。カッコイイんだ。
    林遊眠さんは、メインだけど主役というわけでないポジションで、でもしっかり観客を掴んでます。中路輝君とのやりとりは可愛い女の子です。

    ただ3時間は初老を大きく越した腰痛持ちのオジサンには厳しかった。2時間に纏めて~

    ネタバレBOX

    いつものように、登場人物の多くが実在の人物でしたが、当日チラシにでも人物紹介を載せてもらいたかったです。
    名前を知っているだけの人もいました。コナンドイルが「サー」の称号を得たことを、観客が知ってることが前提になっているセリフもありました。

    ダンスシーンは、舞台のわりに人数が多くて、ちょっともったいない感じでした。ダンスチームと林、中路の2人に絞っていたらどうだったかな~?
  • 満足度★★★★

    大事な所で
    面白かった。
    残念なことに疲れからなのかわからないが本当に大事な箇所で台詞を噛む。
    何を言っているのかわからない。
    役名を間違える。それさえなければ文句なしの星5でした。

  • 満足度★★★★

    おもしろかった~(^o^)/~~
    『ショウダウン版西部劇ファンタジーロードムービー』を堪能させて頂きました☆★素直にお話が面白いんで、180分の長篇でも最後まで引き込まれて楽しめました☆★【世界平和】とか綺麗事言っても人類の歴史は争い・略奪・裏切りの歴史な訳で、このお芝居はそこをキチンと描いてます★なので単なるファンタジーでないサスペンスフルなヒューマンドラマとしても見応え有りました♪そして最後は感動して涙が滲みます(T_T)
    林遊眠さんが単体の主役じゃないのが新鮮で、物語の先が読めない醍醐味に繋がってました♪

  • 撃鉄の子守唄
    ドイルさんが行ったかもしれないアメリカでの冒険物語。ビリー・ザ・キッドやカラミティ・ジェーンなど昔西部劇映画で見たことのある人物の登場が楽しかったです。悲しいラストを予感してはいましたが、ドイルたちと一緒に冒険をしている気持ちで3時間を過ごすことができました。ちょうど「からくりサーカス」を読んでいたので、人形使いはどうやってそんなにたくさんの人形を操るんだ?いや、それよりあるるかんってどうなの?とか突っ込みたくなりましたが。声が枯れてしまって気になる役者さんがいました。千秋楽まで保たせることができるようにお気をつけ下さい。

  • 歴史エンターテイメント一番
    エンターテイメント芝居はいくつも見ているが歴史上の人物の体験談のようかのように再現するフィクションはまるでノンフィクションのようだ。所々に入る笑いの質も高く飽きなかった。2.5次元のような芝居を体感でき、かつミステリー感もあって最後までハラハラしながら見れた。今後も応援したい。

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