ひろさきのあゆみ~一人芝居版 公演情報 ひろさきのあゆみ~一人芝居版」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    高校演劇
    演劇自体のクオリティの高さは他の方も述べられているので、そこはお任せするとして。
    15時の回を観に行ったのですが、アフタートークで柿喰う客の中屋敷さん登場。

    そこでの話が非常に面白かったです。
    一言で言えば、「高校演劇なめるな」。

    もっとスパークして欲しかったなぁ。

  • 満足度★★★★

    「最後の一歩!」
    パンフレットにあるように
    「オトナだからと言って高校生より面白いモノが作れるとは限りません。
    高校生に高校生の情熱と可能性があるように、オトナにはオトナの意地と知恵があります」
    そのために、「オトナの俳優が演じるだけでなくオトナの演出を加えた」としている。

    柴幸男さん作の「あゆみ」はひとりの女性の一生を10人で描く演出で、
    畑澤聖悟さんはそれを高校生向けに潤色、8人で演じた。
    今回工藤千夏さんはそれを大人の一人芝居に仕立てている。
    若い世代から見た“女の一生”を、成熟した女性が演じるとどうなるのか。

    ネタバレBOX

    舞台中央には、開演前から女性が座っていて足に赤いペディキュアを施している。
    様々な物が彼女をぐるりと取り囲むように円を描いて並んでいる。
    靴、傘、ランドセル、サンダル、どれも鮮やかな赤い色である。
    小さな椅子や犬のぬいぐるみ、一足だけ白い靴。
    これらの小物を使って、幼児から老婆までのあゆみを淡々と描いていく。

    「最初の一歩!」で始まったあゆみという女性の人生は
    「最後の一歩!」という台詞で舞台は暗転、人生を終える。

    人生は終わりへと向かう“あゆみ”だというこの舞台は
    高校生の告白とか、社内恋愛、出産、親の死など
    オトナが見れば淡々として平凡な出来事の連続かもしれない。
    10代の若者が必死に想像して演じていたこのストーリーを
    工藤由佳子さんは“経験者”として演じる。
    私は元の「あゆみ」を観ていないので比較が出来ないけれど
    舞台には、この経験値の差が出ていたのではないか。

    幼児期や小学生のころを演じたのには若干無理が感じられたが
    社会に出て社内恋愛、交際、結婚と進むあたりから
    俄然生き生きとして、台詞と動きがなめらかになった。
    日頃、屈折した色気のある役を繊細に演じる素晴らしい役者さんなので
    あまりにストレートな類型的キャラクターでは物足りなく感じてしまう。
    それでも、親の死を告げられた時とか、晩年の車いすのシーンなど
    じっとしているだけの芝居に思わず涙がこぼれた。
    演出の斬新さを排した分、深みが増していると感じた。

    青森公演では音喜多咲子さんのバージョンもあったという一人芝居、
    こちらも観てみたかったなあと思う。
    “未経験なのに知ったような顔をする女の子”をやらせたら天下一品の音喜多さんは
    どんなあゆみを演じたのだろうか。

    力のある脚本は、いろいろな演出が可能になると知った舞台だった。
    「最後の一歩!」という台詞に、作家のピュアで強いスピリッツを感じる。
    経験こそなくても、はじけるような若さが跳ねる舞台もまた素晴らしいだろうなあと思った。
  • 満足度★★★★

    熱演
     初めの一歩の延長として人生の歩みがある、という発見を通して綴られる一人の女、あゆみの歩みと弘前という街の歩みを当然重ねてタイトルがつけられているのかと思いきや、独り芝居で其処までの延長性を求めることは、酷だったようだ。あゆみ誕生から死までの誰にでも起こる典型的なエピソードを“歩く”という行為の受け渡しに纏めて書かれていた本来の脚本を、独り芝居の無援と孤立という形で舞台化し、其処に母からの視点を照射することでメタレベルの表現に昇華した。

    ネタバレBOX

     シナリオに幾つものバージョンがあり、其々、演出の視点も異なるのだが、原作では、複数の役者が、上手から下手へ歩くという行為を通して、バトンを次の演者に渡し、その演者があゆみの次のエピソードを紡いで行く、という方法を採ったらしい。だが、そのコンセプトを独り芝居で演じることには、矢張り無理があったように思う。その分、母の視点から照らし出されたあゆみの姿は痛烈である。「お母さん、私、頑張ったよね」と問うあゆみの科白は秀逸だ。然し、ドラマらしいドラマツルギーが成立するのは、この場面だけと言ってよいほど、地味な展開が延々と続くので気の短い観客には、飽きられる危険性もあることも承知しておく方が良いだろう。女優は、難しい表現を熱演し、好感が持てた。
  • 満足度★★★★★

    「あゆみ」が大人の一人芝居に
    工藤千夏さんの脚本・演出で「あゆみ」が大人の一人芝居に。満席のスズナリの舞台に、一人、工藤由佳子さん。泣き過ぎた。残すは5月5日15時の回のみ。

    ネタバレBOX

    最初のセリフから泣いてたんだけど、特に老婆になって車いすにじっと座っている場面が素晴らしかったです。
  • 満足度★★★★★

    由佳子さん よかったよ!
    主演・工藤由佳子さん、見事な 「女の一生」でした。子育ての経験の中で、子どもが第一歩を歩いた瞬間の感動を思い出しました。1時間15分があっという間でした。

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