STORE HOUSE Collection No.9 アジア週間 公演情報 STORE HOUSE Collection No.9 アジア週間」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    台湾 『Zodiac(ゾディアック)』

    八の字にした二面映像幕に客席、ロビー、バックヤード等を後景として映し出している。その世界観はどちらかと言えば非日常空間・宇宙を思わせる空想空間を投影しているようだ。そして、その幕を捲り上げると….。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、映像幕があるシーンと幕を捲り上げたシーンとでは違う。
    幕を捲り上げた奥スペースには、日常という平凡な空間(机、扇風機、雑貨等のパーソナルスペース)が出現する。

    説明によれば、「Zodiac」とは、1960 年代アメリカで一人の連続殺人鬼が名乗っていた“名前”である。その正体は謎に包まれており、送られてくる犯行予告や暗号文も人々の関心を集め、大きな話題となった、という。

    Shakespeare's Wild Sisters Group の『Zodiac』はこの人物に着想を得た二人芝居だ。一人は殺人鬼を、もう一人は彼の周りの様々な人間を演じていく。多くのやりとりが組み合わさり、まるでパッチワークのように“彼”という存在が浮かび上がってくる。彼は“現実”と“想像”、“正常”と“異常”の境界線を飛び越え逃げてゆく...というもの。
    時間と空間の隙間に落ち込む、もしくは挟まった人々を描いたもの。その表現は少し抽象的であり、分かり難い感じがする。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    日本 『PARADE』
    パレードということであるが、上演前からガムラン音楽のような音色が…。丘へのピクニックという説明である...人びとは丘に立っていたが、今その記憶は曖昧だ。例えば、森の中で木の葉を踏む音を聞きながら、波打ちぎわで絶えずかき消される自分の足跡を抱きしめる行為のようなものだ。人々の姿も、丘の形状も思い出すことはできないが、現実はいつだって曖昧のままそこにある、と。
    歩くという一律的な動作とその行為をする目的の曖昧さが対照的に描かれている。
    もっとも自分は別の印象を持って観たが…。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    公演が始まるとキャストが無表情で客席通路から登場する。そして素舞台を歩き回る。時に足踏みし足音が大きくなる。不安・不穏のようなピアノの音色。全員が異なる自由な服装だが、リュックザックを背負い帽子を被っている。動作も歩き回るだけだが、スロー、アップテンポと自在である。疲れ互いに助け合いながら上る。そして頂で抱き合って喜ぶ姿、その肌を叩きあって乾いたパシッという音が響く。

    自分は、戦時中、それも原爆投下された街の住民を想像してしまう。日常の穏やかな生活が原爆によって阿鼻叫喚、焦土と化した街並み。熱風で服を脱ぐ、叫ぶというトランス状態を経て”生きている喜び”を感じお互いを労わる。そんなイメージを持った。

    この公演は、台詞らしい台詞がある訳でもなく、身体表現に込められたメッセージを自由に解釈し、舞台上で繰り広げられる世界観に自分の思いをイメージし当てはめて楽しむことが出来る。何かを表現する、その身体を通して可視化してイメージを膨らませる。

    身に着けている服・小物、髪といったファッションは演技、ダンスパフォーパンスは異界のものではなく、日常と繋がりのある展開を提示してくる。音楽と身体表現のコラボ、その聴覚・視覚的な調和には必ずしも言葉(台詞)がなくても物語を紡ぎ出せると。

    案外、事前に説明文を読まず、自分の感性に浸り無常の喜びを噛みしめたいところ。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/03/03 (金) 14:00

    ストアハウスカンパニー『PARADE』を観る
    何気無く歩く人、人…、特に関係性もなく…、次第に交差し交わり、
    曖昧ながら関係性が生じリズムを刻む。
    毎回思うことだが、身体能力の限りを尽くした表現に可能性を感じた。
    他の公演にも興味が湧いた。

  • 満足度

    ストアハウスカンパニー『PARADE』観劇

    こ~ゆ~舞台表現もありだなぁ・・とは思えたが
    自分には合わない世界かしら・・と感想

    70分の作品

    上演前から時々背中をつつかれてて観劇にも集中を
    やや欠いたが・・後ろの座席の老婦人が小柄な体躯にまかせて
    足を組んでいて時々背中に足をぶつけていたと後で判明
    文句を述べると謝罪も無く自身の行為の正当性を吐く・・・
    人に迷惑をかけたら「ごめんなさい」が言えない老害に閉口もした
    残念な時間であった・・・(ー_ー;)

  • 満足度★★★★★

     ストアハウスコレクションNo.9アジア週間はー“私”なるものをめぐってーとサブタイトルが付けられているが、今作は台湾のShakespeare’s Wild Sisters Groupによる2人芝居だ。

    ネタバレBOX

    但し舞台上には観客席側を底辺とするようなスクリーンが丁度三角を為すように設けられており、舞台上で演じられる演技とバックヤード、ロビー、楽屋、劇場出入り口などに役者が移動して演ずる所作も映し出される仕組みになっている。タイトルのZodiacとはアメリカで60年代に起こった連続殺人事件の犯人が名乗っていた名である。正体は謎に包まれ、犯行予告や暗号文が多くの人々の関心を集めたことでも知られる。
     ファーストシーンは、犯人の呟きから始まるが、ロートレアモンの「マルドロールの歌」を彷彿とさせるような残虐性に満ち、その背景に犯人が抱え込んでいたであろう焦躁と苛立ち、アングロサクソン流のロゴス解釈によって割れる寸前の鏡に加わる様々な力、軋轢に対するニヒリスティックであると同時に悲壮な矛盾が見て取れるが、これらが矛盾として顕現してくる背景には、矢張り個々人ではどうにも対抗し切れない状況というものがあるであろう。犯罪者は、この状況を自らを社会の鏡とすることで乗り切ろうとしているように思われる。
     今作が台湾の劇団によって演じられている点も重要だと考える。台湾は中国との関係で国際的に困難な立場に置かれ、忍従を余儀なくされていることは周知の事実であるが、個々人の育ってきた環境や家族制度、文化などが危殆に瀕し、自らを形作ってきたもの・ことも崩壊の瀬戸際にある中で、契約を構成するロゴスによって切り刻まれる己は如何様に自己措定し得るのか? という本質的な問題を提起していると取った。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/03/03 (金) 14:00

    ストアハウスカンパニーの「PARADE」を観てきました。
    とにかく圧倒され、驚きの連続でした。
    お勧めします。

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