日韓演劇週間 Vol.4 公演情報 日韓演劇週間 Vol.4」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    水無月の云々
    トラッシュマスターズの中津留作品。
    物語の重厚さ、関係性のもつれ、鋭い台詞。
    作品は素晴らしい。
    しかし俳優の力に差があり、悪い方が目立った。
    若手の育成も含めた企画とのことなので是非とも継続していただきたいものです。

  • 満足度★★★★

    韓国
    検閲問題は日本でも少しからず今でも残ってはいますが、ある意味過去の問題が今でも韓国では行われているんですね。いろいろな登場人物が入れ替わり立ち代り登場、数人の役者で演ずるのは大変ですね。
    若手役者が一生懸命演技されていて、時には日本語でのせりふもあり、シリアスな内容ではありましたが、途中で笑わせる部分もありよかったです。

  • 満足度★★★★★

    水無月の云々
     リーフレットによれば、このユニットはトラッシュマスターズの中津留 章仁氏が無名の役者を育てる為に立ち上げたという。2012年初演の今作は、新たなオーディションで選ばれた若手無名俳優による再演である。

    ネタバレBOX


     描かれている表層部分では、家族の話だ。それも殺人犯を出してしまった自然食品販売店の家族であり、地域商店街の家族である。犯罪者の家族という痛い差別は、何かことあれば噴出するものの、表立ったレベルでは逆に地域に支えられている。とはいえ商店街の活気は余りなく、成功者はドラッグストアチェーンを20店舗持ち、最近では駅前に大型店舗を構え売れ筋商品であれば何でも買える店を立ち上げた実力者がいるのみで、この店舗の影響で閉店する店も何軒もある。これに地域首長選挙も絡んでくるのだが、自分は、こういった側面はあくまでサブストーリーだと捉えた。この流れをメインストリームと考える人々にとって、今作は一種のサスペンスに近いかも知れぬ。
     自分の捉え方は、この家族を通して日本という「国」の人類学的・社会学的特性を描いて見せた作品だということだ。一応、家族構成と人間関係を説明しておこう。主人公は弟、嫉妬深い彼女がおり、結婚するつもりである。弟を子供のころから好いている従妹。殺された叔父の娘であるが叔父が殺されて行き場が無い為父方のこの家に同居している。母方の家に行かないのは彼女の意志だ。また叔父を殺害した兄の嫁も同居することになった。そして姉、商店街の若者と結婚を控えるが、婚約者がスナックのママとできているのではないか? と嫉妬に駆られている。それ以外の主要な登場人物は、出入りの電気屋の息子、姉の元カレ、スナックママ、弁護士、父親である。
    殺人事件については、ボランティア団体を立ち上げ、その資金を横領していた叔父が兄に刺殺されたことが、先ず明らかにされる。兄は現在服役中である。大学生の弟は、再犯犯罪者たちが何故何度も犯罪を繰り返すのかについて、脳機能の僅かな欠損による結果だと最新の医療データに基づく知見を述べ、選挙絡みの相談を持ちかけてきたドラッグストア会長と対立する。
     さらに、姉の婚約者とスナックママの浮気が絡み、弟を愛する従妹に対する弟の彼女の嫉妬が遂に爆発、彼女は従妹をとことんののしる。優しい弟は悲しい宿命を負った従妹を選び、彼女との関係は断たれる。一方、姉の元カレが、姉と共同で貯めていた結婚資金のうち元カレの分、60万を返して欲しいと願ったことに対して、姉とその婚約者は断固拒否。元カレの母親が癌で入院し、その費用の工面を願った彼の望みはあっさり打ち砕かれる。その時、父が放った言葉「興信所にでも勤めたら」がきっかけになり元カレは興信所勤めを始める。そこで入手した情報から兄の殺人事件の真相が明らかになってゆく。一方、しっかり者の兄嫁は電気屋に気があり、遂に深い関係になってしまうが、弟はこれを察知。一部始終を弟に見透かされたと感じた兄嫁は、電気屋との別れ話を持ち出すが、電気屋は兄嫁にぞっこんで別れることなどできないと逆上。台所から持ち出した包丁で弟を刺殺してしまう。これが、この物語の大筋である。無論、救いなど一切ない。
     初演が2012年だということからも、今作が福島人災の翌年、我々が、この「国」の在り様を根底から考えなおしていた時期と重なるだろう。そして民主主義なるものの根底をこの「国」の人間が担えるのか? という根本的な問題についても考えざるを得なかったハズである。
    それは自分の頭で考える自由についてであり、その結果理不尽が明らかになった時に、キチンと異議申し立てをしなければならないということについてであるはずだ。一例を上げるなら、東電がゴルフ場に降り注いだ放射性核種の被害について「無主物」で法的責任はない、と言い張った時、我々は何を思っただろうか? そして、今また経産省が核燃サイクルを新たに立ち上げようとしているが、この動機は明らかだろう。日本が大量に保有するプルトニウムを持ち続ける為のエクスキューズである。
     閑話休題。今作はヒトという生き物が作る社会、個々人、それを繋ぐ単位としての家族を通して、我ら日本人の特性を炙りだしている。即ち事大主義とプリンシプルの欠如を。そしてこれら無しには成立し得ない民主主義を恰も真っ当に成立してでもいるかのように振る舞う欺瞞を告発しているのだ。
  • 満足度★★★★★

    検閲
     韓国で活躍するパク・グニョン氏が演出した「蛙」に端を発した今回の検閲問題は、韓国の演劇人・文化人千人がリストアップされ、日本でも報じられたからご存じのムキもあろう。

    ネタバレBOX

    この検閲サイドの言語表現を通して、彼らが抑圧しているもの・ことをシニカルにアイロニカルに、極めて当然な人間の権利、自由、そして演劇が本来持っている祭祀的側面と政治的側面を動員し対置して見せた。
    真正面から権力に対して異議申し立てをする韓国の演劇人の精神的健康に拍手を送る。シナリオ、構成、演出、演技、音響・照明効果、舞台美術何れも極めて有機的に関連し、テンポも良い。日本人が、権力者の責任を問えないことに常々切歯扼腕することしきりなのであるが、韓国の人々の精神の何と健康であることか! 今回韓国から来日した2劇団。今後も注目し、またぜひ来日して欲しい劇団である。
  • 満足度★★★★★

    【水無月の云々】観劇
    オーディションによって無名で実力ある俳優を集めたという触込みでしたが、ずっと追いかけて(応援して)いる俳優さん他芸達者を集めた座組みで作・演出/中津留さんなので面白くない訳がない。
    最後はよくあるスターマイン状態で破綻していく感じや早いうちから誰がキーマンなのかを看破されやすいといった課題を残しつつ楽しい時間を過ごせました。


  • 満足度★★★★

    水無月の云々
    若い役者さんたちが、体当たりな舞台でした。
    中津留戯曲の見事な後味のざらつき!
    闇を抱えた人たちが、その闇をますます深くしていく絶望感・・・現実世界の不条理がまさにそこにあるって感じでした。

  • 満足度★★★★★

    更なる進化を期待
     和合氏の詩をベースに構成された作品

    ネタバレBOX

    詩的言語の持つ宇宙的、極私的また深い思惟性と、核推進派のウンザリするほどの嘘・プロパガンダを役者の身体に落とし込み、具象化し、身体のムーブメントとしてまたフォルムとして上演することを目指した。
     言葉の力を引き出す為に独自に考えられた手法は、遊戯空間の仕事の二つの柱、即ち古典の蘇生と和合氏の詩作(現代語)の舞台化の為の一方の柱である。未だ内向きであるとはいえ、毎回進化し続ける演出の妙を今後とも注目したい。
     何よりF1人災被災者たちの苦悩を群像劇として表現した点が良い。放射性核種による被害は、五感に感知されないままやってくる。即ちその被害は、ある特定のエリアに限定されるものではなく、空気の流れにより、海流により、其処に居る総ての生き物の体内濃縮により、いつでもどこでも、食物までもが汚染されたまま、気付かれずに広がることを表していると言える。(生物による圧縮の結果は食物連鎖の上位にある者ほど影響を受ける)
     和合氏の詩作が、一躍有名になったのは、F1人災以降である。(無論、演出の篠本氏と和合氏の邂逅はこれより遥かに早い)彼の詩には、福島の現実を為政者、それに肩入れする経産省及び文科省官僚と嘘をまき散らすマスゴミ、これらの嘘・プロパガンダを信じ込んで拡散する愚衆。その愚衆のパーセンテージが増すほど視聴率に惑わされてポピュリズム礼賛に流れるTVの俗物報道への表現する者としての向き合い方がある。
     能を長くやってきた篠本氏の表現は“秘すれば花なり云々”の方法論を用いる点があり、やや内向きである。然しながら花伝書の教えは極めて戦闘的な状況における身の処し方を記したものであると考える自分には、西洋流の観た物・事を真正面から扱い対応しようとする姿勢との格闘の中でこそ、この方法を用いて欲しいのである。
  • 満足度★★★★★

    たったいま八月の冥王星でたったいま八月の地球では
    映像でしか知らないだれもいなくなった福島の町が、役者さんたちの言葉に浮かび上がり、そこにまだただよっているであろう人々の想いが見える気がしました。心の深く突き刺さる舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    花五つ星 「6月26日」
     戦乱にその人生を攪乱された2人の若者の運命を活写した傑作。

    ネタバレBOX


     ハングルで上演されるが、字幕が非常に見易く、役者の演技を十全に楽しみながら、字幕を読むことができた。舞台美術のすっきりしていて、役者の力量で良い芝居を見せてくれる。
    1938年江原道通川出身のソンニョン及び春川出身のヨンチョンは日本軍に徴用され、満州、ノモンハン戦に参戦。ソ連軍の捕虜となってから徴用された。モスクワ戦でドイツ軍に捕まって収容所でのひもじさ、寒さに耐えて生き残った。だが、またも徴用されノルマンディー戦へ。何とか生き残った後、連合軍の捕虜となり別れ別れになったが。
     1950年6月25日午前4時に38度線を越えた北朝鮮軍は10万、朝鮮戦争勃発である。翌26日、数々の戦、捕虜、脱走経験などを共にし、義兄弟となっていたソンニョン、ヨンチョンは再会する。然し、敵としてである。
     数々の戦を共にし、漸く生きて帰ってこれた慶びもつかの間、分断されたそれぞれの地域で、同胞が敵味方となった直後、義兄弟を殺してしまった苦しみ・悲しみが、6月26日のタイトルに結実して無駄が無い。義兄弟を殺す際、顔もろくに見ずに殺してしまう訳だが、これが戦争というものなのだろう。この理不尽にリアリティーを感じる。

このページのQRコードです。

拡大