BENT ベント 公演情報 BENT ベント」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-6件 / 6件中
  • 電車が止まって慌ててタクシーに乗ったけど遅刻…。それでも観て良かったです。素晴らしかった!

  • 満足度★★★★★

    苦渋の生き方と時代の運命
    以前、PARCO劇場でスズカツ版を見たが、同性愛者を巡る環境もあの当時に比べるとかなり柔和になってると思うが時代背景はかなり違う(もしかしたら近づいているのかもしれない)が、今回の方がより重苦しくシンドく、迫害の中で愛する美学と残酷さに鬼気迫るものがあった。
    照明は原田保さんか、納得の美しさ。

    ネタバレBOX

    収容後、右から左へ、左から右へと岩を運ぶ担当となったマックス。収監前の護送車で知り合ったホルストを作業場に呼び寄せ、単純作業に明け暮れる毎日。
    彼らの前にはナチスの親衛隊、後ろには電流金網が包囲されてる中、立ち止まって話すことも出来ず、また自ら死ぬことも許されず。監視の目の届かない位置から、他愛のない会話から始まった好意。
    直立不動で過ごす、つかの間の休憩からの愛情表現。未来を夢見て2人で生きる希望を持つも、そうならないのが非道な時代に生きる人々の運命というか。
    つかの間の休憩時の会話の空模様に青空が見えたかと思えば、苦痛を伴うような時には2人の心情が表れているかのように、背景画も人が叫んでいるかのような、表情を含んだ風景に見えたり。

    愛する人を目の前で見殺しにされたマックス、しかも2回も。静寂の中で、ホルストの収容所服を身にまとい、親衛隊のいる方向へ毅然とした表情で見つめる姿に、彼の決意の塊と運命がまた悲しくも思う。

    主演の2人はもちろん良かったが、ほどほどに自分の性嗜好を楽しんでいるマックスの叔父フレディやゲイクラブ歌手のグレダ、最後のナチス将校?も冷徹っぷりも印象に残った。賛美するわけではないが、確かにあの軍服姿はサディスティックで格好いい。

    人を愛する尊厳さに胸が苦しくなるような舞台だった。
  • 満足度★★★★★

    人間の残酷さ、卑劣さを忘れないように。まざまざと見せつけられて苦しい。お二人はもちろん、藤木孝さんがイイ。
    重いテーマと内容は、今後ますます公演することの意義が強くなっていくと感じる。
    人が人を差別、虐待することは、永遠に無くならないだろうと。
    少なくとも世界を見るかぎり、100年や200年程度では絶対変わらないだろうと。
    そう認識できているだけ、いくらかはましな状況なのだろうか。

    主演の二人が出ている作品は、本当に自分にとってハズレがなく、
    また、世田谷パブリックシアターとシアタートラムという劇場も同じで、
    問題性と娯楽性、作者、演者、などバランスのいい選択だと思います。
    ちなみに、個人的に大好きな藤木孝さんのシーンが、1シーンながらも、見逃せない。
    その誠実そうで凛としていながらも、しなやかでしかし大きな背景を抱え込んだ様は、
    作品の別のある一面、重さや広がりを感じさせてくれます。
    実にカッコイイ。
    (蛇足ですが、「シン・ゴジラ」では東京都副知事役とのことで楽しみ。
    「仮面ライダーアマゾンズ」でも怪演されてます。)

    ※公演の説明長っ!!

  • 満足度★★★★★

    人間ドラマの深淵
    素晴らしい舞台でした。

    言葉では言い尽くせない、まさに、芝居を生で観ないと、体感できない、凄まじい舞台作品でした。

    出演者の体現力が素晴らしい!

    こんなにも、観ていて辛くなる内容なのに、感動がひたひたと押し寄せてきて、演劇の神髄を観た思いがしました。

    最後は、予想できました。何となく、「100万回生きた猫」を思い出します。
    人によって、捉え方は様々でしょうが、私には、究極のハッピーエンドに感じられました。

    ネタバレBOX

    佐々木蔵之介さんと、北村有起哉さんの、役者力に、とにかく感動の連続でした。

    二人が、過酷な状況下で、愛を確かめ合うシーンは、壮絶です。

    二人の台詞だけで、二人の繋がりが濃密になり行く様が、目に浮かびます。

    だんだんと、それが進行するに従って、二人の息遣いや、腹筋の動きが加速して行く表現力に、心酔しました。

    脚本と、演出にも、無駄がなく、淀みもなく、全てに、破綻のない、完璧な舞台芸術でした。

    今、世界の全ての状況が、あの時代に逆行しつつある危険を感じるので、ナチスの所業の恐ろしさに、心身たじろいで、見入っていました。

    同性愛にもかかわらず、それを隠して、ユダヤの振りをしていた主人公が、ようやく、心jから愛することができる相手をみつけ、彼が鉄条網に触れされられて、銃殺された後、彼の死体を処理した後、彼の着ていた、同性愛囚人の証拠のピンクの印のついた囚人服に着替え、自ら、鉄条網に近づいて行くラストは、壮絶ですが、彼の心はやっと満たされていたのだろうと、「100万回生きた猫」の安らぎの死を想起しました。
  • 満足度★★★★★

    この道しかない
    「この道しかない」って叫んでる人がいるけど、その先にあるのはこの舞台のような世界なのではないか。そんな気がした。人種、民族、性別、職業、性指向・・・異端を認めず、差別、排除、裏切り、密告、不正・・・。これは過去のことではなく、ひたひたと近づいてきているこれからの世界を予言するものなのではないか。
    蔵之介・有起哉両氏はもちろん他の役者陣がしっかりしていたのがなにより。とくに歩君はリアル。いるいるって感じ。友君の体にばかり目が、話題が行っていた女性陣は・・・まぁしょうがないか

  • 満足度★★★★★

    壮絶!
     久しぶりに「観てきた!」に投稿したくなったほどインパクトのある芝居だった。マックスのある意味での軽さと真摯に生きるホルストが対照的で、二人の関係に厚みを与えている。圧巻は二人のセックスシーン(観なきゃわからん)で、特に北村有起哉の表情が抜群だった。
    しかし、「BENT」の説明が詳しすぎて、これ以上書けない…。

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